LIBRARY

図書情報センター

2022年教員おすすめ本

健康栄養学科 フードビジネス学科 情報メディア学科

健康栄養学科スタッフがおすすめする本

JA全農広報部さんにきいた世界一おいしい野菜の食べ方

農産物のプロであるJA全農広報部直伝の今すぐ使える野菜のティップスについて食材ごとに紹介しています。野菜、果物、きのこなど全60種類以上の食材の特長や豆知識だけでなく、食べ方や食材の組み合わせ方について学ぶことができます。生産者への取材や日常の料理を通して得られた野菜の旬、選び方、保存方法などであるため、野菜の知識が身につき勉強になります。         

            【紹介者】伊藤 誌小里

こども行動経済学 : なぜ行動経済学が必要なのかがわかる本

行動経済学は、なぜ人間は合理的でない行動や判断をしてしまうのかを明らかにしようとする学問です。行動経済学に「ナッジ理論」という考え方があり、これは管理栄養士を目指す学生が知っておくべき理論です。「ナッジ」とは英語で「ひじでつつく」とか「背中を押す」という意味で、自然なかたちでよりよい方向に行動するように導くことですが、本書ではナッジについてもとても分かりやすく解説されています。小学生でも分かるように書かれていますが、大人でも勉強になる内容がたくさんあります。ぜひ手に取ってみてください!

【紹介者】北川 絵里奈

腸!いい話 : 病気にならない腸の鍛え方

糖尿病、高血圧症、肥満症等の専門医である著者が、腸の大切さについて紹介しています。近年、腸内細菌と疾病との関係が注目されていますが、腸や腸内細菌の働き、また腸内分泌ホルモンの驚くべき働きについて詳しく解説されています。そして、腸のまだ知られていない数々の魅力についても紹介されています。分かりやすく具体的な話なので大変興味深く読めると思います。なまこの話は特に面白いです。         

             【紹介者】國友 宏渉

世界のカレー図鑑 : 101の国と地域のカレー&スパイス料理を食の雑学とともに解説 

好きな食べ物として上位に挙がるカレーライス、この1つのジャンル(この本では厳密にはカレーとスパイス料理)で世界の料理を比較できる本。世界各国で食べられているカレー・スパイス料理について写真と簡単な説明、辛さの目安などが書かれている。それだけでなく唐辛子やスパイスの種類、カレー以外の料理や食材などのコラムも多く掲載されている。適当に開いたページを見ていくだけでも楽しめる本である。

【紹介者】髙橋 圭

栄養素キャラクター図鑑 : たべることがめちゃくちゃ楽しくなる!

子どもに親しみやすいキャラクターを用いて、栄養素の働き、含まれる食材、組み合わせの良い栄養素が初心者の方にもわかりやすい説明とイラストで書かれています。子どもから大人まで「栄養素」について楽しんで読むことができ、栄養の知識を養いながら今後の生活に活かすことができる本だと思います。         

             【紹介者】高橋 侑生

食べる時間を変えれば健康になる : 時間栄養学入門  

「何を食べるか」よりも「いつ食べるか」。時計遺伝子の働きによって、時間を考えて食行動をすることで体質改善や体調管理に役立つ食事方法が学べます。近年では時間栄養学という概念がエビデンス的にも増えており、実践したくなる事、間違いなしです。

【紹介者】中村 秀貴

減塩のコツ早わかり : 塩分を減らす食べ方がひと目でわかる 

本書には、ちょっとの工夫でできる様々な減塩のコツが紹介されています。調味料の使う量食べる量、加工品の塩分量、乾物を水もどししたときの塩分変化、料理の食べ方で変わる塩分量、外食の選び方や食べ方、適塩、減塩の料理の作り方など、状況に応じた減塩の方法を学ぶことができます。塩分制限が必要な患者さんに対する献立作成や減塩指導に役立つ知識が身につきます。         

             【紹介者】服部 茉優

味のなんでも小事典 : 甘いものはなぜ別腹?  

「鼻をつまむと味がわからなくなるのはなぜ?」「80℃のお風呂には入れないのに、なぜ80℃のお茶は飲める?」といった味に関する普段疑問に思っていたことや疑問に思ってもみなかったことが全部で84種類の項目に分けられ紹介されています。説明もわかりやすく、簡潔に興味を引く内容で書かれているので、味覚に興味がある人が最初に読むのにお勧めの一冊です。

【紹介者】松本 貴哉

臨床栄養学者中村丁次が紐解くジャパン・ニュートリション : 日本の栄養の過去・現在、さらに未来に向けて 

管理栄養士を目差す学生に、ぜひ読んで欲しい本の1つです。日本の管理栄養士制度や活動の歴史が、大河ドラマやNHK「プロフェッショナル」をみているような展開と語り口で書かれていて、とても読みやすく、スペクタクルです。これから管理栄養士をめざす学生にも、エール(将来は何が強みになるのか、目指す方向性はどこか)がおくられていて、やる気になりますよ!         

            【紹介者】後藤 千穂

 

フードビジネス学科スタッフがおすすめする本

フードバンクという挑戦:貧困と飽食のあいだで

農林水産省は、フードバンクを「食品企業の製造工程で発生する規格外品などを引き取り、福祉施設等へ無料で提供する」活動・団体であると定義しています。2017年に国立社会保障・人口問題研究所が実施した「生活と支え合いに関する調査」によれば、13.6%の世帯が過去1年に経済的理由で必要な食料を買えなかった経験をしているそうです。食料困窮に苦しむ世帯が存在する一方で、食品ロスが社会問題になっています。本書を読んで、貧困と飽食について考える契機になればと思います。         

                 【紹介者】中村 麻理

小林カツ代と栗原はるみ:料理研究家とその時代

将来は料理研究家やフードコーディネーターになって、テレビや雑誌で活躍したいという方もいるのではないでしょうか。『小林カツ代と栗原はるみ――料理研究家をその時代』は料理研究家の歴史を深く研究して書かれた、おそらく日本で初めての本です。フードビジネス学科の学生さんには、一度は読んでほしい1冊。あなたの憧れの料理研究家も登場しているかもしれません。「料理再現コラム」だけでも楽しく読めますし、実際に料理したくなりますよ。

【紹介者】中村 麻理

地球は食べ物 いきもの獲って食べてみた日記

筆者は生き物を獲ったり食べたりしている野食料理系YouTuberである。この本では、さまざまな野生の生き物、植物を獲って食べる様子を紹介しています。筆者は自分の手で生き物を捕まえて、調理して食べるのはめちゃくちゃ楽しいそうだ。調理法は大変参考になりました。しかし、なんの生き物か植物かわからない時は油断禁物です。毒はなくても寄生虫がついていたりするので眺めるだけにしておくほうが無難でしょう。

【紹介者】吉田 洋

[ポイント図解]損益分岐点の実務が面白いほどわかる本

この本は損益分岐点についてわかりやすく誰でも理解できるように、事例を取り入れて解説しています。飲食業ではソーシャルディスタンスの影響から稼働率の低下、来客数の減少などの変化が起きました。しかし、本書で損益分岐点をマスターすれば「赤字体質」から「黒字体質」に変わり、利益を出し続ける会社になるだろ。経営学や企業会計の副読本としてお勧めします。

【紹介者】吉田 洋

脳とAI-言語と思考へのアプローチ

みなさんが子供のころ見ていたテレビ番組にも「シンギュラリティは来るのか?!」というフレーズがたびたび登場していたことと思います。人工知能が人間の知能を超える地点というのがなんのことなのか、そもそも人工知能とはなんなのか、さっぱりわからないまま大学生になってしまったという人もいるかもしれません。この本をじっくりと読んでみませんか?人工知能の今とこれからを脳科学者、工学者、言語学者、プロ棋士が一般の人向けにていねいに語ってくれています。最終章(第3章)まで読むと、人間の本性や知性の本質に関わる問いに触れることができると思います。

【紹介者】田中 明子

英語の思考法 — 話すための文法・文化レッスン

日本語文化にはホンネとタテマエがあって、自分の意見をストレートには言いにくい。一方、英語文化にはホンネもタテマエもないので、言いたいことはズバッと言って大丈夫。そんなふうに感じることは多いと思います。でも、この本を読むと実はそうではないことがわかります。英語文化にもホンネとタテマエはちゃんとあるのです。社会言語学者である著者によれば、日本語文化のホンネとタテマエは上下関係のつながりを志向しているのに対して、英語文化のホンネとタテマエは個人としての対等なつながりを志向しています。そんな視点からさまざまな語法を学んでみませんか?

【紹介者】田中 明子

ESGが生み出す選ばれるビジネス

企業の存在意義が「事業活動を通じた価値創造や社会変革」から「ビジネスを通じて新たな価値感を生み出し、結果として環境と社会をより良いものに変えていく」ことに中心が移ろうとしています。そのことの指標が、環境「Environment」・社会「Social」・ガバナンス「Governance」の頭文字をとった「ESG」。「SDGs」と比べると認知度の低い言葉ですが、皆さんが社会に出て以降は従来の“収益や生産性”一辺倒の企業目標が「ESG」に重きを置き企業価値を高めることに力を注ぐ日が来ることでしょう!

【紹介者】河木 智規

海底撈 : 知られざる中国巨大外食企業の素顔

外食の中で、マクドナルド、スターバックスに次ぐ、“時価総額第3位”の巨大企業がこの「海底労」。中国の国民食といわれる「火鍋料理」を提供する中国ブランドのチェーン企業。中国1200店舗を含め世界に1300店舗を展開。日本にも10店舗がある。具材やスープを柔軟にカスタマイズできる火鍋料理自体の人気は勿論だが、その徹底したサービスにリピーターが惹きつけられているという。是非、この書を読んで世界一の火鍋料理を味わいに行こう!

【紹介者】河木 智規

テレビ・コマーシャルの考古学

本書は初期テレビ・コマーシャルのデジタルデータベースを題材とし、昭和30年代のテレビCMを社会・文化的観点から読み解く一冊となっている。CMに使われる言葉やアニメーション、CMソングといった様々な技巧に関する考察から、当時の社会的背景がCMに与えた影響、「若者」「主婦」といった特定のオーディエンスへのターゲット・マーケティングなど幅広い議論がカバーされており、ビジネス/メディアに関心がある読者双方に読みごたえのある内容である。

【紹介者】木場 安莉沙

コミュニケーション論をつかむ

コミュニケーションと一口に言っても、対人コミュニケーションやマス・コミュニケーションなど、「コミュニケーション」は実は多様な形態の接触を表す包括的な概念である。本書の前半は言語やジェスチャー、表情、人間の認知までを包含した対人コミュニケーションに関する内容、後半はメディアの影響やマーケティング・コミュニケーション、コーポレート・コミュニケーションなどマス・コミュニケーションに関する内容となっている。各章の文量は少なく内容も入門的なレベルなので、学生にも読みやすい一冊。

【紹介者】木場 安莉沙

日本一要求の多い消費者たち

日本に数多くある生協ですが、組織の方針や事業内容は様々です。生活クラブは1965年に東京で結成され、現在は首都圏を中心に1都1道2府17県で活動する33の単位生協で構成される連合会となっています。商品を「消費材」と呼び、国産原料や化学調味料不使用等のこだわりをもったオリジナル品の開発が特徴です。食に対する生活クラブの考え方のほか、働き方やエネルギー問題への取り組みについても紹介されています。

【紹介者】岩橋 涼

日本流通史ー小売業の近現代

本書は歴史的な視点から小売業の展開や流通の特徴を概説したもので、大学の講義用テキストを念頭に置いて書かれています。日本型流通の成立(明治〜1940年代)、日本型流通の展開(1950年代〜1980年代初頭)、日本型流通の変容(1980年代半ば〜2010年代)の3部で構成され、百貨店やスーパー、商店街、ショッピングセンター、コンビニなど様々な小売・地域商業について時代ごとの特徴を知ることができます。

【紹介者】岩橋 涼

LAフード・ダイアリー

メディア(映像)系研究者である著者が、アメリカの西海岸LA(ロサンゼルス)に家族全員で一年間滞在し、ロサンゼルスでの「食」を通して考えるユニークな食生活エッセイ&体験的都市論。世界の中でも多様な人種が集まっている特別な都市だからこそ見えてくる多様な食文化。日本人の著者だからこその繊細な感覚を通した巨大都市での食レポは、これから「新しい食」を考える人にとって大きなヒントがあるかもしれません。

【紹介者】木村 亮介

あるあるデザイン

定番のデザイン作例をわかりやすい用語のみで分類しながら紹介。デザイン初心者にも読みやすく、眺めているだけで楽しくグラフィックデザインの基礎が勉強できる一冊です。実際のデザインの仕事でよくあるテーマやお題によるデザイン作例でわかりやすく、レイアウトの定番パターンだけでなく、雰囲気づくりの参考にもなります。お気に入りのデザインを見つけて、まずは真似してつくってみることから始めてみてはいかが?

【紹介者】木村 亮介

美しい和菓子の図鑑

和菓子は日本の伝統的な食文化のひとつで、歴史があり見た目も美しく季節感を味わうこともできます。しかし、近年では洋菓子を好む人が多いです。本書では、和菓子を十二ヶ月別や人生の節目別などに分類して紹介しています。かわいらしいイラストを用いていてほっこりすると同時にとてもリアルできれいで見ているだけでも癒されます。和菓子と一緒に人生の節目となる行事の歴史や季節との関わりが分かりやすく説明してあり、日本の食文化を学ぶには最適な1冊です。菓子店リストも掲載しているので、ぜひ参考にして1度足を運んでみてください。

【紹介者】宮島 彩

一生幸せになれる料理147:お魚イラストレシピ大百科

魚は生臭い、骨があって食べにくい、調理が難しい等の理由から苦手な人が多い食品です。しかし、適切な調理を行う事で、とてもおいしくて栄養も豊富です。本書は、釣った魚をおいしく食べる事や魚のイラストを描くことが好きだった著者が魚の深い魅力をもっと伝えたいという情熱で書かれました。とてもリアルな魚のイラストや調理工程も分かりやすくイラストで説明されており、使用している魚や料理のバリエーションも豊富です。また、調理工程だけでなく魚や料理に関する豆知識も楽しく説明してあります。魚料理を極めたい人や魚料理が苦手な人におすすめしたい1冊です。

【紹介者】宮島 彩

かんたん、おいしい米粉のクッキー

米粉は、小麦粉と違いダマになったり、混ぜすぎて食感が悪くなる心配もないため、お菓子作りが苦手な方でも、簡単に作ることができます。またバターではなくオイルで作るクッキーも紹介されているため、バターを室温に戻す等の手間もかかりません。是非、この本を読んで、米粉クッキー作りに挑戦してみて下さいね。

【紹介者】谷口 泉

白崎茶会 植物生まれのやさしいお菓子

神奈川県にある人気のオーガニック料理教室を主宰されている白崎裕子さんのレシピ本です。植物性の食品を使ったお菓子のレシピが掲載されています。どれも簡単に作れるお菓子ばかりですが、とってもおいしく仕上がります。是非、この本を読んで、お菓子作りに挑戦してみて下さいね。

【紹介者】谷口 泉

基礎からわかる 論文の書き方

卒業研究では、何をやれば良いのでしょうか?その答えの1つが、この本の中にあります。どのようにテーマを設定すれば良いのか? どんなことを調べ・実験すれば良いのか? どこから手を付ければ良いのか?そんなようなことが、教員と学生の会話形式も挟みながら、まるで半年間のゼミ授業を受けているような感覚で具体的に知ることができる本です。
ちょっと分厚いので、読破するにはそれなりに根気が要りますが、各章の内容は最初の1ページに要約されていますし、気になるところだけでも読むだけでもためになるので、とりあえず手に取ってみると良いと思います。卒業研究がどんなものなのか気になる人、今まさに卒業研究をやっているけどどうすれば良いか分からなくなってきている人にお薦めです。

【紹介者】堤 浩一

マンガ・アニメで論文・レポートを書く : 「好き」を学問にする方法

マンガ・アニメをテーマにレポートを書いたり、卒業研究をやりたいと考えたことは無いでしょうか?この本は、本職の研究者が実際にマンガ・アニメをテーマに定期テスト~卒業研究レベルのレポートを書いてみた実例集です。好きなものについて知っていること・調べたことをただ並べただけでは、それは「研究」にはなりません。様々な方法・切り口で比較・分析する必要があります。制作物についても同様のことが言えると思います。自分の好きなものをどうすれば「学問」「研究」に昇華させられるのかを考えてみると面白いと思いますし、そういった視点を身に付ければ、今自分が好きなものについても、ただの「好き」では終わらない、よりディープな楽しみ方ができるようになると思います。

【紹介者】堤 浩一

下町の小さなビストロのシェフが、お客が持ち込むさまざまな謎を少ないヒントから解き明かしてしまう、お料理ミステリ。文章が分かりやすく、1話あたり20分程度で読めてしまう短編集なので、読みやすいです。食品学、調理学、食品衛生学で扱う問題もいくつか出てくるので、復習になると思います。フランス料理やワインに関する用語も多く出てくるので、フードコーディネートの参考にもなるかもしれません。

【紹介者】堤 浩一

ときどき旅に出るカフェ

毎月最初の一週間だけ料理人が旅に出てしまうので休業するものの、その旅先で見つけたちょっと変わったスイーツがメニューに並ぶ、ちょっと変わったカフェが舞台のお話です。その「ちょっと変わった」視点を得ることによって、日常ついつい陥ってしまいがちな常識の罠を打破するヒントがもらえるかもしれません。

【紹介者】堤 浩一

放課後レシピで謎解きを:うつむきがちな探偵と駆け抜ける少女の秘密

2人の高校生の女の子の視点から描く、日常ミステリ。食品にまつわる謎を扱っており、推理のポイントになるのは食品学や調理学で勉強する事柄が多いので、読むだけでこれら科目の復習になると思います。前作「スイーツレシピで謎解きを」もそうでしたが、この作品で個人的に気に入っている点は、推理の正しさを確認するための実験をおこなっている点です。実際に自分の手で再現実験を組んでみて、その結果を目で見て確認するということは、結構大事だと思います。また、日常で生きにくさみたいな感覚を抱いている人も、読んでみると面白いかもしれません。

【紹介者】堤 浩一

素敵に魅せる写真ワザ:撮影・スタイリング・スマホレタッチ

SNSの普及により、写真のもつ影響力や宣伝効果は年々大きくなっています。美味しいものをより美味しそうに、美しいものをより美しく、可愛いものをより可愛らしく、自分が思い描く写真を撮るコツがテーマごとにスタイリングと合わせてまとめられています。フードコーディネート実習やデザインの授業などで役立つ一冊になるかと思います。

【紹介者】中野 愛子

おもてなしのプロが教える:素敵な盛りつけのテクニック

普段の料理が特別な一品になるような盛付のテクニックを紹介しています。シンプルな器、洋風、和風、小さな器、アジアンな器など、様々な器ごとに盛付を解説しているので、気軽な気持ちで家にある器で試してみると発想がより広がるかもしれません。

【紹介者】中野 愛子

まちづくり幻想:地域再生はなぜこれほど失敗するのか

「経済的な豊かさだけが人間の幸せではない」「地域には温かいコミュニティが存在する」。この本を読めば、それらが都会人の幻想であることがわかるはず。著者の木下斉氏は、自ら地域でビジネスを手がけつつ著作やネットで情報発信をする、今「まちづくり」分野で注目の人物。豊富な実務経験から、地域再生事業の多くが失敗に終わるのは、思考の土台に幻想が紛れ込んでいるからだと指摘します。地域活性化、まちづくりに関心のある人必読の書です。

【紹介者】渡邉 正樹

中内功:理想に燃えた流通革命の先導者

皆さんは「ダイエー」というスーパーマーケットを知っていますか?日本で総合スーパーという業態を確立し、1980年代には日本の小売業の売上高トップだった企業です。現在のプロ野球「ソフトバンクホークス」も以前は「ダイエーホークス」でした(その後、業績不振に陥り今はイオングループの子会社です)。その創業者が中内功という人物です。本書は、ダイエーの歴史を、この中内功氏の思想からひも解こうとした異色の研究となります。。

【紹介者】渡邉 正樹

死ぬこと以外かすり傷

出版社で編集に携わっている著者が自身の仕事について書いた本です。その中で著者が培ってきたスキル・経験などから、今の社会に対する「考え方」「商売のやり方」「個人の立たせ方」「仕事のやり方」「人間関係の作り方」などを語っています。その中で共感できるものやそうでないものを考えながら読むことより楽しく読めます。学生の時の過ごし方というよりも、社会で役に立つことが多くあるので、就職することに不安をもっている方にお勧めの一冊です。

【紹介者】高橋 里奈

君の膵臓をたべたい

この本は、映画化やアニメ化、漫画化もしているので知っている人も多いと思います。あらすじを簡単に言うと、人と関わりたくない男子高生が女生徒と恋をするけど、女生徒は亡くなってしまう。その後、男子高生が大人になったある日、女生徒が当時書いた手紙を偶然発見する。手紙の内容に心打たれ「人間らしく人と関わって生きていこう!」と決心する。そんな感じの命をテーマとしたとても切ないお話です。是非、読んでみてください。

【紹介者】高橋 里奈

ギンナン―栽培から加工・売り方まで (新特産シリーズ)

お盆のころに収穫される早生ギンナンは皮をむくと翡翠色で、クリーム色の晩生種とは対照的です。早生ギンナンは金兵衛、栄神という品種から収穫され、藤九郎からは採れないと祖父江町の商工会の人から聞きました。本書を紐解くと、7月末のギンナン核の硬度のデータがあり、金兵衛は+++で皮むき機械での処理が可能なものの、同時期の藤九郎は++で機械処理が難しいと解説してあります。さらに、早生ギンナンは、地上に落下する前の時期に柄付き鎌で枝ごと切り取って収穫するため手間が要ること、暑く湿度の高いお盆のころに出荷されるためカビが発生しやすいことなども解説してあります。早生種はギンナン単価の高い時期に収穫されるものの、これらの理由のため県外にあまり流通しないないのだと理解できます。また、ギンナンやその加工品に対する消費需要は通年あります。そのため、晩生種を含め地場産ギンナンを安定的に供給するために、どのように貯蔵法、加工法、未利用資源の活用法などを改善したらよいか、本書を読んで考えてみましょう。

【紹介者】内田 英伸

情報メディア学科スタッフがおすすめする本

Scratchであそぶ機械学習 ―AIプログラミングのかんたんレシピ集

本書は、1冊まるごとScratchだけでできる機械学習入門書『Scratchではじめる機械学習』のシリーズ姉妹編です。Scratchだけでできる、画像認識、音声認識、ポーズ推定を活用した楽しいプログラミング作品の作り方を紹介しています。テキストプログラミング言語や複雑な数学の知識は必要ありません。micro:bitやサーボモーターを組み合わせた作品もあります。

【紹介者】周 欣欣

木曜日にはココアを

マーブル・カフェで働く男性、カフェにやってくるさまざまなお客さん、その周りの人々。ご縁が巡り巡って他の誰かの人生と次々と交わり、この物語が行き着く先は…。自分の何気ない行動が、気づかないうちに誰かの人生の役に立っているのかもしれない。そんな風に思わせてくれる、全12話の優しくて温かい短編集。その構成の巧妙さはもちろん、美しい文体、表紙の写真にもぜひ注目を。勉強で疲れたときにホッとひと息入れるのにぴったりな一冊です。

【紹介者】彦坂 和里

経済産業省 特許庁「産業財産権標準テキスト商標編」

2002 年に内閣総理大臣によって知財立国宣言がなされ、2003 年公布の知的財産基本法第 21 条に「国は、国民が広く知的財産に対する理解と関心を深めることにより、知的財産権が尊重される社会を実現できるよう、知的財産に関する教育及び学習の振興並びに広報活動等を通じた知的財産に関する知識の普及のために必要な施策を講じるものとする」との記述が知財教育の起源となった。学校教育における知財教育の始動は、1998 年に特許庁によって、工業高校に向けて『工業所有権標準テキスト特許編』が工業高校を中心に配布されたことにある。その後、商標編も発行された。本学で、情報科学を学ぶ学生のほか、健康栄養やフードビジネスを学ぶ皆さんには、両書をぜひ手に取ってみてほしい。わかりやすく漫画から始まり、特許権や商標権の手続き、さらには関係法まで概観できるようになっている。将来の就職活動のためにも役に立つときがあることと思います。

【紹介者】世良 清

知財教育の実践と理論―小・中・高・大での知財教育の展開

日本知財学会知財教育分科会が出版した「知財教育の実践と理論―小・中・高・大での知財教育の展開」は、グローバル化の進展とともに、知財の重要性が高まり、それを扱える人材の養成、また一般の方への基礎知識・関心の涵養が大きな課題となるなか、さまざまな学校での取り組みを紹介しつつ、体系化へ向けての理論的検討を行い、各学校段階における教育のポイントや留意点などをまとめています。教職を志望する皆さんには、ぜひ一度手に取っていただきたい本の1つです。

【紹介者】世良 清

大都市圏空港「セントレア」構想の夢と現実 :
個性ある地域づくりのための中部国際空港

中部国際空港は、地域の力を結集したプロジェクトであり、その計画史は、今後の空港計画、交通インフラのみならず、地域プロジェクトの立案にとって大変貴重な記録となるものです。計画構想段階から運営段階まで、その事業をリードした岐阜大学竹内伝史名誉教授が、退職後にとりまとめた貴重な原稿を、書籍として出版したものです。加えて、第2滑走路の実現を目指す中部地域にとって、構想から具体化までの、挑戦の記録を出版し、関係者の意識づくりに貢献したいと考えて、第2滑走路の必要性とその緊急性について、第6章がこの出版に合わせて追補執筆されました。なお、本書発行にあたり、世良は若干の協力を申し出、その旨の記述があります。

【紹介者】世良 清

ソーシャルネットワーク時代の情報モラルとセキュリティ 

With/Afterコロナに向けて、企業活動のテレワークや学校のオンライン授業が進んでいる。オンラインによる会議や授業は、時間や場所の制約を取り外し、合理的な反面、新しいトラブルも散見され、光と影が存在する。こうした状況下において、ユーザ自身が、情報モラルを理解し身につける必要がある。そんな折に発行された本書は、時宜を得た内容である。3部構成の第1部は情報化社会とインターネットの仕組みについて、進化を続けてきた情報化社会について解説している。第2部はネット犯罪と法律を取り上げ、実際に起っている犯罪とそれに関わる法律について理解を求め、第3部は情報セキュリティに関して、コンピュータウィルス対策と認証や暗号などの技術について学習できるように構成されている。そのうえで、筆者は「被害者・加害者にならないためのスキルや知識、すなわちメディアリテラシーを身につけましょう」と呼び掛けているのは、With/Afterコロナに向けた出版といえる。また、大学の教科書として使用できるように、アクティブラーニングを意識し、各章に多くの課題が用意されていること、特にグループもしくは個人で調べて、報告をするといった形式の授業展開を意識していることが特筆される。

【紹介者】世良 清

表現をめぐる知的財産権について考える本

「身近なことから、知財について考えました」と、カバーのキャッチコピーが目に入った。知的財産の教育や学習というと、これまでは「無断でコピーしてはいけない」「損害賠償を請求される」と、あたかも悪者のように捉えられる傾向があった。これらは間違いとはいえないが、少なくとも、知財教育は特別な内容というイメージがあったのは否めない。この本を読み進めると,そうではないことがわかってくる。コロナ禍は、私たちの社会生活における行動様式を大きく変容させ、あっという間に2年目を迎えている。企業活動や学校教育におけるオンラインの運用は、その長所と短所を顕在化した。とりわけ著作権をはじめとする知的財産に、多くの目が向くようになったのは確かで、まさに知財教育の出番がやってきた。これから進むのであろうニューノーマルの時代には、障害のある人もない人も,身近な、それぞれの個性の現れとして知的財産を捉えることが求められる。リスペクトの心が一層求められるのだ。そんな今、とりわけ福祉や教育に携わる人々に是非読んでいただきたい1冊である。

【紹介者】世良 清

ゲーム作りで楽しく学ぶPythonのきほん

このテキストはPythonの基本からpygameというライブラリを用いたゲームの作り方まで丁寧に解説されています。Processing-Pythonより自由度があり、腰を据えて学ぶのに向いていると思います。ゲームプログラミングというと、シューティングゲームを想像する人が多いと思います。確かにこのテキストもシューティングゲームで締めくくられています。しかし途中で読者の意思で内容が枝分かれする絵本の作成にも触れられています。こうした電子絵本は派手さはありませんが、内容を工夫すれば大変味わいの深い作品を作ることができます。かつてはこうした作品を作る環境としてオーサリングソフトウェアというものが存在していました。しかし今はほとんど姿を消しており、オーサリングソフトウェアの意味合いも変化してしまったようです。このテキストは身近な作品を作る手助けになるでしょう。

【紹介者】本多 一彦

ドリル形式で楽しく学ぶProcessing-Python : ドリルでプログラミングの基礎を確実に身につけよう

 Python は AI 分野でよく利用されるプログラミング言語 です。そのため、ゼミなどで学ぶ機会が多くなってきていると思います。AI 分野だけでなくデータ分析、スクレーピング、Web作成と応用の範囲は広いです。ただ、Python の文法を一通り学んだ後に卒業研究で何をしたいかと尋ねると、結構な確率でゲームを作りたいといった希望を聞くことがあります。別に紹介します「ゲーム作りで楽しく学ぶ Pythonのきほん」はゲーム作りのよい参考書なのですが、ゲームはプログラミングの中でも結構難易度が高く、しっかりと学ばなければいけないことが多くあります。ゲームを作りたいけれど難しくて挫折してしまうことがないようなよい方法はないでしょうか。もちろんPythonに代わってゲームが作りやすいプログラム言語に変えることも可能でしょうが、せっかく今注目を浴びているPython を活かすことはできないでしょうか。その解決策がこのProcessing-Pythonなのです。元のProcessingはJava言語による可視化プログラミング環境で、Java言語の高度で複雑なことを知らなくても高度なビジュアル表現ができるよう開発されました。その中にはゲームの作成も含まれます。このProcessingの開発環境はそのまま、利用するプログラミング言語をJava言語からPythonに変えたものがProcessing-Pythonです。このテキストでは、簡単なグラフィックスから始め、プログラミング言語の制御構造に触れながらゲーム作成にまで辿り着けるようになっています。また、たとえテキストの最後まで辿り着けなくても、それなりの成果と満足が得られると思います。今回紹介したこのテキストはオンデマンド方式で出力されたものです。つまり注文があってからプリントアウトされ送られてきたものです。残念ながら印刷はモノクロですが、紙の媒体であるため全体を眺めるのに適しています。一方Kindle版も存在します。Kindle版は個人での購入となりますが、カラー化されています。もし紙のテキストを見て気に入れば、電子書籍の購入を考えてみてください。

【紹介者】本多 一彦

続ドリル形式で楽しく学ぶProcessing-Python 物理エンジン、3Dのサンプルを作ろう!

 「ドリル形式で楽しく学ぶ Processing-Python」の続編です。こちらもKindle版はカラー化されています。続編ということで、内容が深くなっていますが、具体的には3Dや物理エンジンの利用法が加わっています。ある程度プログラミングに慣れている、または本家のJava Processingを学んだ経験があるのなら、こちらにチェレンジしてもようでしょう。ぜひ中身を覗いてみてください。夢としてはProcessing環境でのビジュアル表現に加え、Pythonが得意とするAI機能を取り入れたプログラムを創造することです。誰か未来にチャレンジする人はいませんか?

【紹介者】本多 一彦

じぶん・この不思議な存在

日本を代表する哲学者、鷲田清一氏の「じぶん・この不思議な存在」を紹介します。鷲田清一氏の著書は、多くの入試問題で引用されています。ですので、もしかすると、いや、ほとんどの学生は知らず知らずに鷲田氏のテキストを読み、論考に触れていると思います。そして、この「じぶん・この不思議な存在」は、大学生の間、特に1、2年生の間に読んでおいて欲しい必読の1冊です。誰しもが感じ、経験する、「じぶん」とはいったい何なのか。時折学生から聞く「じぶん探しをしています(の旅をします)」の言葉。果たして、じぶんというものは、探して見つかるものなのだろうか。そんな疑問に対し、じぶんを形どる輪郭は一体なんなのか、じぶんを作り上げているものは、一体なんなのか、じぶんの内側、外側を行き来しながら、じぶんの存在を見つめ直します。目次を読むだけでも既に面白いこの1冊を是非、読んでみてください。

【紹介者】八嶋 有司

知の編集術

松岡正剛氏の「知の編集術」を紹介します。「編集」という言葉を聞くと、本、雑誌などの紙媒体のメディアに関する職業を連想される方が多いかもしれません。または、映像関係の仕事などでしょうか。しかし、ここで扱われる「編集」という言葉は、人間の営みの中で直面する様々な状況の中で発揮される人の判断と選択、まさに「知」そのものです。人と人のコミュニケーションのあり方、言葉、遊び、映像、文章、情報、ゲームと様々です。それぞれの意味内容を再配置することで、立ち現れてくる新たな意味。まさに発想と思考を生み出す技法といえます。本書は、松岡氏の実践的な授業をベースにワークショップ形式で書かれています。読者は、ただ知識を読んで得ることだけではなく、授業を模倣するように自分の体験として内容に触れることができるのが特徴です。是非、読んでみてください。

【紹介者】八嶋 有司

旅芸人のいた風景

みなさんはお祭りや神事などの写真を撮影することはありますか?祭りでは境内に屋台などがずらりと並びます。最近では、大道芸や猿回し(猿曳)が復活し出ることもあり賑やかで楽しそうです。その雰囲気はとても映えるので自然に撮ってしまいますよね。一方で、お祭りなどの写真を撮影するとき、日本に根付く民族的風習、時代背景などを知っておくことの大切さは皆さんもお気づきだったと思います。ここに紹介する本は、大凡中世、近世、そして今の日本となる間に、旅芸人が庶民文化とどのように関わって来たのかをその誕生から、著者の綿密な長年の研究に基づき分かりやすくまとめ上げられたものです。皆さんはこの本読から、例えば今では見られなくなってしまった正月の門付け芸の成り立ちや意味、以前の日本人の芸に対する想い、村祭りで上演される歌舞伎や浄瑠璃、さらには現代に残る芸についてなどを、概要を知ることができます。また、香具師という言葉をネット上で見かけたことがあるかと思いますネットでのスラングとして用いられていますね。本来の香具師はどのようにして誕生したのかなど、歴史的背景も知ることができます。皆さんもよく知っている意外な人達から誕生し、その変遷などもきっと興味深いと思います。この本に紹介されている旅芸人や日本の庶民文化の本当の姿は、現在は観ることができなくなりました。大変貴重だった芸や文化を担った旅芸人。皆さんにもそういった貴重な文化やそれを受け継いで来た人々がいたことを知っていただきたいと思います。そして、映えるとか雰囲気だけでなく、様々な人や文化が融合したものと対峙するとき、本書の考察を少し頭に置きながら撮っていただければと思います。今目にしている文化も永遠ではなく、さらに、庶民文化は、歴史書にはほとんど残らず時と共に大凡失われてしまいます。一方で消え残った庶民文化の歌舞伎や浄瑠璃など少数の芸能は、教科書や歴史書に華々しく登場しています。いまメディア界で話題になっているアニメなどは、千年先は分かりませんが、おそらくこれらに続くものとなるかも知れません。写真に興味のある方(ではなくても)は、是非目前にある何気ないもの、日常的なものでも、それらは全て後世に向けての立派な被写体であることを認識して頂き、メディア発信に繋いで行ってもらえたらと思いこの本を推薦したいと思います。

【紹介者】大矢 信吾