LIBRARY

図書情報センター

2019年教員おすすめ本

健康栄養学科 フードビジネス学科 情報メディア学科

2019年に教員が学生に読んで欲しい本として紹介した本です。

健康栄養学科スタッフがおすすめする本

食のハラール入門 今日からできるムスリム対応

現在の日本は2020年の東京オリンピック・パラリンピックをはじめ、大阪万博・アジア大会と国際的な行事が目白押しで、海外から多くのお客様を迎えることになります。日本には食の禁忌が少ないのですが、諸外国には様々な食の禁忌があります。「食べられるもの 食べられないもの」を理解したうえでどうおもてなしをしたらよいのかを考えてみませんか。

【紹介者】石川 豊美

1週間で体調がグンとよくなる食べ方: 1万人の「体と心」をリフレッシュさせたプログラム

特定保健指導で多くの実績がある管理栄養士の小島美和子先生の著書。時間栄養学の観点から、「いつ食べるか」、「どう食べるか」などの食べ方で体調をよくするメソッドを分かりやすく解説されています。本書では「何を食べるか」よりも「いつ食べるか」が大事と記載されており、まずは「食事の時間」、次に「食事の量」、最後に「食事の質」をチェックするといった、結果を出すための栄養指導のノウハウが分かりやすく解説されておりとても勉強になります。著者が推奨するプログラムを実践した方の事例や著者が実践する食事方法なども参考になるので、体調を整えたい方や栄養指導について学びたい人にはオススメの一冊です。

【紹介者】秋本 万里奈

いしさの科学がよ〜くわかる本 : ポケット図解

ナイチンゲールというと「白衣の天使」や近代看護の創始者といったイメージが浮かびます。確かに大富豪の娘であるナイチンゲールがクリミア戦争の戦地で兵士たちに看護師として行った貢献はすばらしかったといいます。ただ、より多くの人に対する大きな貢献は、戦地からの帰国後に統計学やグラフを駆使した報告書を発表し、イギリス陸軍の衛生環境を改革したことです。
この本は、ナイチンゲールの生い立ちと功績をはじめ、西洋での統計学の広がり方や、日本での統計学の歴史について書かれています。さらっと読める本です。

【紹介者】後藤 千穂

統計学者としてのナイチンゲール

ナイチンゲールの統計学者としての功績について、実際に作成された表やグラフを用いて詳細に書かれた本です。彼女は、現代では当然のように計算されている死亡率や平均入院日数の計算などの医療統計をはじめ、住居環境と健康衛生問題の関連も分析し、パンフレットや報告書として発表し、社会の衛生改革を実現、発展させたという点で、素晴らしい統計学者であるといえます。
ナイチンゲールの生い立ちやケトレーなどの統計学者との関係については別書「ナイチンゲールは統計学者だった!(日科技連出版社)」等で把握した上で読むことをおすすめする本です。

【紹介者】後藤 千穂

病気にならない人の野菜の食べ方

47種の野菜を「抗酸化力を高める野菜」、「免疫活性力を高める野菜」、「腸内環境を整える野菜」の3つに分類し、それぞれイラストを用いて免疫力を高めるために効果的な調理方法や新鮮さを損なわない保存方法、手軽に作れるレシピ等を詳しく紹介しています。この本を読むと、野菜の知識が身につくだけでなく献立を考える際にも役立つため勉強になります。

【紹介者】沢田 真菜

糖質制限の真実

糖尿病療養指導の中で必ず問題となる「糖質制限」。私が糖尿病療養指導士の研修会で山田先生の講演をお聞し、即帰り道で買い求めた一冊。糖尿病患者の療養指導に携わる人には必読書。「『正しい栄養バランス』は存在しない」などと過激な言葉が並ぶ中、自分自身の中でしっかり読み解き、判断して指導に役立てることが大切。

【紹介者】鈴木 富夫

英国一家、日本を食べる

日本でコミック化、アニメ化もされている人気の本です。もともとは外国の人達が「今話題の和食ってこういうものなんだ〜」って読むための本なのかもしれませんが、我々日本人が読んでも新たな発見がいっぱいです。そして、著者達が色々な場面で日本の食や文化を褒めてくれるので、日本人として誇りを感じながら読めるのが良いですよ。

【紹介者】成田 裕一

解体新書 復刻版

前野良沢、杉田玄白によって発刊された、日本最初の西洋医学書(解剖図譜)です。論評によると復刻版に近い図譜とのことで、当時の医学者が解剖学にかける思いが伝わる良い本だと思います。

【紹介者】平林 義章

のほほん解剖生理学

無料アニメ授業を公開している動画サイト、WEB玉塾の解剖生理学を書籍化したもので、この1冊で解剖生理学の重要語句やからだのしくみが楽しく理解できます。今までよく意味が分からなかった内容も、理解がしやすいように簡単な言葉に置き換えて説明をしてくれたり、分かりやすい図やイラストを用いて説明をしてくれるため、解剖生理学を苦手に思っている人でも読みやすい本だと思います。

【紹介者】平光 萌

サルコペニア30のポイント : 高齢者への適切なアプローチをめざして

サルコペニアに関する疑問を,30項目のQ&A形式で解説しています。大きく分けて6項目(概念・定義・疫学、病態生理、サルコペニアの診断、治療と予防、栄養管理の実際、高齢者の状況に応じたアプローチ)に分かれており、解説もとてもわかりやすいです。高齢者医療・介護に携わるスタッフの方向けにはなっていますが、高齢者医療・介護などに興味のある方は読んでみると参考になると思います。

【紹介者】森本 理紗

フードビジネス学科スタッフがおすすめする本

サービス・マーケティング原理

サービス・マーケティングをより広いマネジメントのコンテクストの中に位置づけ、サービス研究の統合的アプローチを提示している。サービス・マーケティングあるいはサービス・マネジメントの観点において、マネジャーはマーケティング、オペレーション、人的資源管理の3つの職能が互いに緊密に結び付いていることを、認識し理解せねばならないことを説いている。

【紹介者】阿部川 勝義

サービス経営のバリュー・シフトアップ

既存サービスの生産性を上げる、あるいは生産性の高い新たなサービスを創発することを念頭に、サービスの特性を変換し価値向上を図る「バリュー・シフトアップ(Value Shift Up)」により、潜在サービス・ニーズの発見、および新たなサービスを発想することができる。これをもとにした、サービス・イノベーションおよび新サービス経営戦略を実践するための経営システム設計を解説した。
(日本創造学会著作賞受賞)

【紹介者】阿部川 勝義

山と食欲と私公式日々野鮎美の山ごはんレシピ

バンチコミックで山ガールさんが山登りにのめり込んでいく過程をユーモラスに描く人気の「山と食欲と私」。その中で取り上げられた数々の”ヤマメシ”をレシピ本としてまとめられたもの。普段、家で食べるときの料理としても十分通じる。料理作りの初心者、男子には大いなる助けとなるはず。

【紹介者】河木 智規

学びを結果に変えるアウトプット大全

大学生のここまで多くのものを学び、沢山のことをインプットしてきたはず。しかし、そのことを周りの人へ解かり易く伝え、アウトプットすることが大事。このアウトプットの習慣が理解の広がりとともに新たな気づきを生むという。多様なアウトプットの事例紹介や効果的な情報収集の方法を教えてくれているのも嬉しい。

【紹介者】河木 智規

そばですよ : 立ちそばの世界

残念だが、東京の話である。立ち食いそばの店紹介のガイドのような、一方で、食文化や新しいフードサービスを語っているような、不思議な本である。読めば読むほど、そばを食べたくなる。そばの天ぷらはせっかくのパリパリの衣が出汁を吸ってしまうという不思議な食べ物ように思っていたが、「つゆに花が咲く」と3ページ目に書かれていて、「そうだったのか」と思う。「メガ盛りの原点の肉そば」「ステーキそば」「バジルそば」、どこかで見たものがすべて立ち食いそばの中にある。発見多く、フードビジネス学科の学生は必読である。「そばが食べたい!」と思っても、冒頭に書いたとおり、残念なことに東京の話なので、すぐには食べに行けない。中部地域だったら立ち食いそばに該当するのはなんだろう?なんて考えるのも良い。

【紹介者】杉山 立志

植物はなぜ薬を作るのか

植物由来食品になぜ健康食品が多いのか?この本の素晴らしいところは、化学式などを使わずに、文章だけで薬用成分の作られ方や、その効果などを述べていることである。これまで機能性成分に興味はあるものの、化学式が嫌で、こういった学習ができなかった人にはお勧めである。いろいろな話題がある。例えば酵素飲料というのが健康食品であるが、これらは酵素飲料というよりも発酵産物の飲料であることなど、正しい定義を我々に伝えてくれる。詳しい目次が書かれているので、ぜひ興味ある部分から読むことで、少し理系的な知識を身につけるのに読んでほしい。もちろん全部読んでほしい。興味をもったら購入して手元に置いて時間をかけて読んでほしい。

【紹介者】杉山 立志

データ資本主義 : ビッグデータがもたらす新しい経済

近年、AI(人工知能)を用いたビックデータの活用が多様な分野で行われ始めている。したがって、好むと好まざるにも関わらず、ビックデータを利用した経済取引や商品開発を行っていかなくては自由競争の世界では生きていけなくなってきているし、データーサイエンティストの獲得競争が散見し、データサイエンティストの育成が高等教育機関の喫緊の課題となってきている。今までは貨幣による商品情報の評価が行われてきたが、AIが進展すると、商品情報そのものが商品の価値となってくることが予想される。本書は、AI進化による経済社会の変化の紹介と、それに対応する人材育成の変化の必要性を示唆するものであり、社会人予備軍の大学生には必読書である。

【紹介者】関川 靖

現代経済学 : ゲーム理論・行動経済学・制度論

資本主義経済は、A.マーシャルの後古典派の流れを受ける新古典派・その後合理的期待仮説も取り入れられいわゆるマネタリストの学派と、まったく新しい発想で政府の役割を大きくして恐慌からいち早く抜け出すことを示したJ.M.ケインズの流れを受けるケインジアンに分かれ、2大学派が成立していた。その後、経済現象が複雑化し多様な理論が生まれ、経済学は多様化し理論が複雑化している。本書は、新しい理論であるゲームの理論や行動経済理論などを単に紹介するのではなく、実験や制度、経済史を絡めて複雑化した経済理論をわかりやすく説明している。

【紹介者】関川 靖

Die革命 : 医療完成時代の生き方

将来の夢に向かって大学生活を送っている人も、将来の夢を探している途中の人も、ちょっと考えてみよう。今考えている「将来」っていつのことだ? 20代前半で就職して、60代中頃まで働いて、あとはのんびり趣味に生きる、なんていう時代ではないことは、みなさんもよく知っているだろう。でも、「60歳まで続けたい仕事」を「70歳まで続けたい仕事」に置き換えるような「将来」を描いているのだとしたら、ちょっと甘いかもしれない。この本によれば、テクノロジーの進化によって、死の脅威をもたらす病気のほとんどすべてが、姿を消してしまう。死のことを考えずに生きる時代がもう目の前に来ているというのだ。みなさんの将来はみなさんが思っているよりもずっとたくさんのことができる将来なのだから、大学生活で身につくことがたくさんあっても無駄にはならない。必要ではない勉強はしても損…などと思わずいろいろなことに挑戦してほしいので、みなさんにこの本を推薦します。

【紹介者】田中 明子

アラフォーKayoのおもてなし英会話 : 英語がダメでも楽に話せる!

これまで推薦してきた『全くダメな英語が1年で話せた! アラフォーOL Kayoの『秘密のノート』』、『全くダメな英語が1年で話せた! アラフォーOL Kayoの『秘密のノート』 とことん初級編』、『食いしん坊Kayoのおいしい英語 “食”で学ぶと、英会話は楽しい!』に続く、Kayoの本、第4弾。Kayoは決して英語が全くダメだったわけではないが、知識はあるのに話せないという経験を社会人になってからしてしまった。その原因は「心の壁」。今回はおもてなしの英語をテーマに、壁を越えるためのフレーズがたくさん紹介されている。東京オリンピックの開催を挟んで、フードビジネスの世界でも、情報メディアの世界でも、管理栄養士さんの世界でも、外国人と英語でコミュニケーションする機会がますます増えるはず。ぜひ、この機会に、英語で話すことを面倒くさがらない人になろう!

【紹介者】田中 明子

けっきょく、よはく。 : 余白を活かしたデザインレイアウトの本

大学生活の中で、パワーポイントを使用したスライドの作成や、ワード等を使用したレポート作成が、授業の課題として提示されることが多々あると思います。それらの作成時、空白があると余計に文字や絵、写真で埋めてしまい結果、読みにくい資料になってしまったことはないでしょうか?
良いデザインに共通して言えることは、情報がより整理されて、デザインがより洗練されていることで、大切な情報を引き立たせるためには余白が必要だと筆者は伝えています。
本文はイラスト調で登場人物が2人(上手にデザインできる人とできない人)でてきて、一緒に学ぶような展開になっており、とても理解しやすいです。
デザインに興味がある学生さんに是非、読んでいただきたい一冊です。

【紹介者】谷口 泉

ほんとに、フォント。 フォントを活かしたデザインレイアウトの本

デザインセンスを磨くことは、たくさんの良い作品を見ることが必要だと筆者は伝えています。
本書では、NGなデザイン、OKなデザインを比較しわかりやすくより良いデザインに仕上がるように説明しています。フォントの選び方だけでなくレイアウトについても書いてあります。
本書は「けっきょく、よはく。」の第2弾で、こちらも前作同様、イラスト調で登場人物が2人(上手にデザインできる人とできない人)でてきて、一緒に学ぶような展開になっており、とても理解しやすいです。
デザインに興味がある学生さんに是非、「けっきょく、よはく。」あわせて読んでいただきたい一冊です。

【紹介者】谷口 泉

基礎化学

「栄養学を学びたいけど、理系科目は苦手」な人向けに、主に栄養学を学ぶ上で必要になる化学の知識や考え方を、ものすごくやさしい言葉と豊富なイラストを用いて、イメージしやすい形で説明してくれている本です。もちろん、食品学を勉強するときにも役に立ちます。
 「栄養学や食品学を勉強するときに化学を勉強しておくと役に立つらしいけど、何から入ったら良いか分からない」「化学を勉強しておくと役に立つと聞いてちょっとやってみたけど、難しくてなんかよく分からなかった」という方が読む本としてお薦めです。

【紹介者】堤 浩一

大人のための高校化学復習帳 : 元素記号が好きになる

高校化学で習う内容を、日常的に目にする様々な製品や食品の話を例としながら、ひととおり復習できる本です。具体例を用いて説明してくれるので、高校で化学を習わなかった (もう忘れた)
人でも理解が進みやすいと思います。食品や栄養に関する学問では化学の知識がベースにあると理解しやすくなることが多いので、「化学はイマイチ勉強不足かも」という方にとって、いろいろなところで役に立つ本であると思います。

【紹介者】堤 浩一

新しい高校化学の教科書

こちらも高校化学で習う内容を復習できる本なのですが、どちらかというと、高校化学をある程度以上理解している人向けです。高校レベルのことを充分理解できているかの確認用、あるいは、足りない部分があるかもしれないので補強しておきたいという方は読んでみて下さい。

【紹介者】堤 浩一

薬屋のひとりごと

中~近世くらいの中国をイメージしたと思われる世界の、主に後宮を舞台に起こる事件を、薬学知識豊富な主人公が解いてゆくという筋立てのライトノベルです。
娯楽性の強い作品ですが、食品衛生学で学ぶ食中毒関連の知識がいくつか出てきます。事件を引き起こす原因となった危害要因物質名は、(世界観というか時代背景設定の問題で) 作中で明かされないことが多いですが、食品衛生学を勉強した方になら分かるはずです。
時にはこういった本を相手に自分の知識を試してみるのも面白いと思います。

【紹介者】堤 浩一

フードスタディーズ・ガイドブック

本書は、社会科学・人文科学分野を中心とした49の文献を紹介する食研究のブックガイドです。「食と文化・社会」「食の歴史」「食の思想」「食をめぐる危機」の4部から構成されています。食をめぐる諸問題について深く学びたい人にぜひ読んでいただきたい1冊。

【紹介者】中村 麻理

ミツカン社員のお酢レシピ : 毎日大さじ1杯のお酢で、おいしく健康生活

ミツカンのメニュー開発チームによるお酢を使った料理のレシピ集です。食品メーカーにとって「料理」とは何かを理解する一助になると思います。将来、食品製造業で活躍したい方に、ぜひ手に取っていただきたい1冊です。

【紹介者】中村 麻理

「おいしさ」の科学 : 素材の秘密・味わいを生み出す技術

本書では、様々な視点から「おいしさ」について述べています。「おいしさ」とは何かということ。そして、食材ベースで「おいしさ」について解説してあります。さらに「調理」についても「おいしさ」を生み出す場面として、調理作業にリンクして科学的に説明されており、とても分かりやすいです。科学的な理論に基づいて調理をすると「おいしさ」を生み出すことができます。まずは「おいしさ」について知り、「おいしさ」を求めて理論について学んでみましょう。

【紹介者】宮島 彩

味覚と嗜好のサイエンス

私たちは毎日何かしらの食べ物や飲み物を口にします。それは生命維持だけでなく、楽しむために食べています。食べる事を楽しむためには、「おいしさ」を感じられないといけません。「おいしさ」は単純にその食べ物の味が好みだというだけでなく、香りや外観や食感、更に食べている私たち人の要因などが関与しています。本書は、さまざま食品をピックアップして「おいしさ」について科学的な視点から解説しています。「おいしさ」について知る事は、より食べ物を楽しむことに繋がりますので、ぜひ読んでいただきたい1冊です。

【紹介者】宮島 彩

俠飯 (おとこめし)

就活中の主人公がやくざの組長を匿うこととなり、不思議な同居生活が始まります。そんな中で、見た目怖いやくざの組長が、ご飯の美味しい炊き方やみそ汁の基礎、料理のちょっとしたコツなどを教えてくれます。主人公と一緒に料理について学んでいけるようなグルメ文庫です。

【紹介者】山田 真衣

やみつきバズレシピ : お手軽食材で失敗知らず!

「バズっている」レシピを投稿しているリュウジさんの初レシピ集です。Twitterで投稿されているものがギュギュっと1冊にまとめられています。手軽に作ることができるものばかりなので、忙しい時に大活躍な一冊です。

【紹介者】山田 真衣

まんがでわかる絶対成功!ホリエモン式飲食店経営

フードビジネス学科の学生ならば一度は自分の飲食店を持ちたいと思って入学したことでしょう。この本は漫画で飲食店の経営を学べる。FL比率、減価償却、そしてインスタ、店の空きリソースの使い方など、現場レベルの経営が学べる。飲食店経営に必要なことは料理の腕より経営力である。

【紹介者】吉田 洋

飲食店のためのハラル対策ハンドブック : レシピ30付

先日インドネシアの大学を訪問しましたが、在日したことのあるムスリムの先生で食べたことのある和食はうどんだけだったいう話を聞きました。インバウンド需要の高まりと比例して、訪日ムスリムの数も増え続けています。しかし彼らが安心して食事を楽しめる環境が日本にはととのっていないのが現状です。フードビジネス学科の学生にはぜひとも見ておいていただきたい本です。

【紹介者】吉田 洋

情報メディア学科スタッフがおすすめする本

【紹介者】吉田 友敬

モバイルメディア時代の働き方 : 拡散するオフィス、集うノマドワーカー

本書は、IT化によって仕事のやり方が大きく変わったオフィスワーカーと職場の関係性を、時系列に多角的視点で描いたものである。「テレワーク」「クリエイティブ・オフィス」「ノマド・ワーク」「ワーケーション」など新しい時代の働き方が実例を交えながら分かりやすく紹介されている。政府が推進する「働き方改革」という字面からでは見えてこないユニークでクリエイティブな働き方が選択肢として存在することを若い人たちに知って欲しい。

【紹介者】江草 普二

世界で一番やさしい3ds Max建築CGパースの教科書

3dsMaxはハイエンド3DCG制作ソフトウエアです。3dsMaxのアカデミック版は従来1ライセンス15万円掛かりましたが、2014年から、学校関係者には無料となりました。しかしながら、3dsMaxは初心者にはハードルの高いソフトウエアです。

【紹介者】周 欣欣

Processingクリエイティブ・コーディング入門 : コードが生み出す創造表現

Processingは、シンプルで分かり易いプログラミング言語です。この本は、文系の学生がProcessingを用いながらメディアアートとプログラミング両方を学べる入門書です。簡潔な文書と美しい挿絵でプログラミングの文法を分かり易く解説しています。簡単な画像処理、アニメ、音の合成も紹介しています。メディア学科の学生にお薦めしたい本です。

【紹介者】周 欣欣

子どもと学校

河合隼雄氏(1928-2007)は、日本の臨床心理学の礎を築いた先生です。彼は、人間理解を深めるには「全力を尽くして、何もしないこと」と言います。
1987年出版の「子どもの宇宙」では、「子どもの中には宇宙があり、それは無限の広がりと深さをもって存在している」と、子どもに対する温かい目が注がれています。
今回推薦した「子どもと学校」は1992年出版で、臨床心理士としての彼の経験を通じて、子どもの自発的な育つ力を見守ることの大切さを論じています。4半世紀前に書かれたものですが、教育の今日的な課題について考えるきっかけになると思うので、教師を目指す人は、是非読んでみてください。

【紹介者】高橋 ひろ子

新編 教えるということ

大村はま氏(1906-2005)は、戦前戦後を通じて52年間、一教員として教鞭をとった国語の女性教師です。晩年の96歳の時にも、車椅子で全国を回り、講演活動をしています。
この本は1970-80年代に新任教師に語った内容をまとめた本です。教師の仕事とは何か、教えるということはどういうことか、教師を目指す人には是非読んでほしい一冊です。
教師も「働き方改革」が必要な時代ですが、今の時代にも十分通じる教育の原点を示唆した内容で、ひょっとしたらやっと時代が彼女に近づいたのかもしれないと思えるほどです。

【紹介者】高橋 ひろ子

専手必笑!インクルーシブ教育の基礎・基本と学級づくり・授業づくり

インクルーシブ教育って何? 現職の教員でさえ、このことばになじみのない教員もいます。教職の授業で「インクルーシブ教育」を扱い、各自で調べていくと、多くの課題が明確になってきます。
この本を手にして、必要な項目に目を通してみて下さい。インクルーシブ教育とは何か、さまざまな子ども達にどう対応すれば良いか、を考えていくことは、実はどのような教育現場にあっても必要な事だとわかります。
書名の「専手必笑」は「先手必勝」のもじりですが、まさに「専手必笑」です。

【紹介者】高橋 ひろ子

名著講義

藤原正彦氏(1943-)は270万部を売り上げた大ベストセラー「国家の品格」の著者で、数学者です。
この本は、お茶の水女子大の講義での学生とのやり取りを通じて、古典的な名著を解説したものです。彼はこの読書ゼミの影響を「ゼミをほんの数回しただけで学生達はみるみる変わっていく」と述べています。紹介されている本には、最初は余り興味がわかないかもしれませんが、受講生になったつもりで、みるみる変わっていく自分を感じてみませんか?

【紹介者】高橋 ひろ子

大人のためのメディア論講義

本書の目的は、メディアによって人文科学を書き直す、あるいは人文科学によってメディアを読み直すことにある。キーワードは、「文字」、「記号」、「メディア」である。著者によれば、写真や蓄音機や映画といった装置は、いずれも「文字」を書く。写真は「光の-文字」photo-graph、蓄音機は「音の-文字」phono-graph、映画は「運動の-文字」cinemato-graphを。だが、これらの文字を人間は読むことができない。レコード盤に刻まれた溝から誰が音楽を再現できるだろう。著者によれば、人間の知覚によっては捉えることのできないこうした文字の総称が「記号」であり、そうした記号を書きとめるテクノロジーが「メディア」である。そしてこうしたメディア―たとえばハリウッド映画―は、いわゆる「文化産業」を生み出し、資本と結託する。つまり、文化産業は大衆に「夢」をイメージとして売ることによって、ひとびとの意識=注意力=時間を、ひいては無意識のレベルでの欲望を買う。それゆえ、著者が言うように、精神分析の創始者であり、無意識を理論化したジークムント・フロイトの甥であるエドワード・バーネイズがマーケティングの創始者であるのは偶然ではない。さらに、コンピュータおよびインターネットの普及によってメディアのデジタル化が急速に進んでいる。それだけではない。個人の来歴、趣味嗜好、交友関係、検索履歴、位置情報、健康状態などなど、さまざまな個人情報までもがサーバー上にアーカイブされており、この流れは今後ますます加速していくだろう。するとコンピュータを使っている人間がコンピュータによってすでに先取りされているという倒錯した事態が生じるのは時間の問題なのかもしれない。それゆえ、こうしたメディアを受け止めつつ操縦するという、デジタル時代のヒューマニティーズを探究することがいわゆるメディア・リテラシーに求められていることなのではなかろうか。いずれにせよ、とにかく刺激的な一冊。

【紹介者】深澤 明利

メディア文化論 : メディアを学ぶ人のための15話

著者は社会学およびカルチュラル・スタディーズの専門家。本書は「理論」、「歴史」、「実践」の3部構成で、各5章から成る。多岐にわたるトピックを扱う本書を要約するのは困難なので、ここでは本書の基本的な立ち位置のみを紹介することにしたい。本書はメディアを、構築主義的なものとして捉えつつ、歴史的、社会的、文化的な観点から考察している。補足しよう。構築主義とは、あらゆる人間的な事柄は時代や地域によって異なるのであって、それゆえ変化を避けられないし、また、変化させうる可能性を秘めていると考える立場である。他方、本質主義とは、事柄の絶対的な真理を認定する立場である (筆者に言わせれば、これは一種の形而上学である)。もう少し詳述すると、人間によって作られたメディア = 媒体が、それを受容する人間を変容させ、さらには人間を媒体にしてメディア自体を変容させるといういわば螺旋状の、歴史的、社会的、文化的な運動の過程を本書は素描する。すなわち、本書によれば「メディアとは、私たちの社会的経験世界の技術的な次元と意味的な次元を同時に媒介し、またそうした次元によって媒介されながら、個別のメディアの布置や編制を可能にしていく、テクノロジーと意味、それに語りや解釈、接触といった社会的実践の構造連関的な場のこと」を指している。引用文からも分かるとおり、本書は難しい。しかし、各章に付された短い導入文やコラムはとっつきやすい。しかもこれらを読むだけでも十分、勉強になる。あるいは、興味のある章から読み進めていくのもいいかもしれない。メディアを学ぶひとにぜひ手に取って欲しい一冊。

【紹介者】深澤 明利

詩学

想像的 / 創造的なものに関心のあるひとは必読。とはいえ、「アリストテレス」などと聞くと、何だか近寄りがたい存在に感じるかもしれない。あるいは紀元前4世紀のひとなので自分には何の縁もない、博物館の展示品のようなものに思えるかもしれない。しかし、本書は読みやすく、しかもいまなお読むに値する。そして何より重要なことに、めちゃくちゃ面白い。アリストテレスによれば、人間にはミメーシス (模倣) に対する欲求が備わっており、また、精妙に模倣されたものを経験すると人間は喜ぶ。アリストテレスの言葉を引こう。「わたしたちは、もっとも下等な動物や人間の死体の形状のように、その実物を見るのは苦痛であっても、それらをきわめて正確に描いた絵であれば、これを見るのをよろこぶ」。慧眼である。きっとアリストテレスはエログロナンセンスな作品をこよなく愛したにちがいない。冗談はさておき、おおざっぱに言えば、芸術におけるミメーシスの対象は、宗教的 / 神話的な世界観から英雄的なものへ、また市民の日常生活を経て人間の意識 / 無意識へと向かい、芸術を可能にする行為や素材や制度へ、さらにはグローバル資本に歓迎されるSF的ないし空想的なものへ、あるいは極めて個人的なパラノイアや病的なものへとその射程を広げて (狭めて?) いく。ただ、すべての表現物がミメーシスと言えるのかどうか、筆者にはにわかに判断できない。しかしながら、「ポスト・モダン」などと呼ばれる現代においてもミメーシスは文化を形成する中心概念と言えるのではないか。AI、AR、VRなどを想起すると分かりやすいかもしれない。工学と芸術の境界が曖昧になっていると言ってもいい。それにしても、なぜ人間はミメーシスを欲求するのだろう (ミラーニューロン?) 。最先端の科学でさえこの素朴な問いに明瞭に答えてはくれない。

【紹介者】深澤 明利

これが人間か : アウシュヴィッツは終わらない

プリーモ・レーヴィ (1919-1987) はユダヤ系イタリア人の化学技師であり作家である。2019年はレーヴィの生誕100周年にあたる。本書は第二次世界大戦中にアウシュヴィッツ強制収容所における著者の経験を綴った自伝的エッセイである。イタリアでパルチザンとして活動していたレーヴィは、ユダヤ人であるという理由で捕らえられ、貨車に詰め込まれ、4日間飲み水さえ与えられることなく強制収容所へ移送され、極寒のただなかで素っ裸にされ、剃毛され、集団でシャワーを浴びせられて粗末な木靴と衣服を与えられ、左腕に囚人番号の入れ墨「174517」を彫り込まれる。「机に座って書いているたった今でも、こうしたことが本当に起きたとは、私自身も信じられない」、アウシュヴィッツにおける経験、ナチの「第三帝国の大いなる狂気の本質」は、レーヴィにとって語りえぬものである。それゆえ、「こうしたことを説明するにはどうしても新しい言葉が必要なのだ」とレーヴィは言う。もちろん、そのような「新しい言葉」などありはしない。証言不可能なものの証言不可能性を証言するレーヴィの言葉をわれわれはいかに受け止めるべきなのか。アウシュヴィッツは過去の遺物ではない。『溺れるものと、救われるもの』(1986) においてレーヴィが言うように、「これは一度起きた出来事であるから、また起こる可能性がある」。ところで、この可能性はいまはまだ現実化していないなどと一体誰が断言できるのだろう。

【紹介者】深澤 明利

決定版コンピュータサイエンス図鑑

タイトルや本文の図を少し見ただけでは、子供向けかなぁと勘違いするかもしれません。それは違います。コンピュータがどのように計算をしているかについて、その原理を詳しく説いています。また6章ではプログラミングについて書かれています。これも、自分が知っているプログラミングと随分違って、全く関係のない内容に見えるかもしれません。そんなことはありません。コンピュータについての学習が進むと、この本に書かれている内容に到達するかと思います。でもその前に、この本で示されたコンピュータの秘密について触れてみるのもいいのではないでしょうか。

【紹介者】本多 一彦

さわるようにしくみがわかるコンピュータのひみつ

図鑑ですので、図と文章の気に入ったところから読み始めてください。新しい情報もしっかりと書かれています。特にお勧めは5章の「データ」と6章の「プログラミングのテクニック」です。既に学んだこともあるでしょうし、これから学ぶことも書かれています。この図鑑ではそれぞれの項目の歴史的背景やそれを発明(発見)した人物についても触れられています。コンピュータサイエンスの雑学から興味をもって、コンピュータサイエンスの本丸を攻略するのもよいかと思います。

【紹介者】本多 一彦