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図書情報センター

2018年教員おすすめ本

健康栄養学科 フードビジネス学科 情報メディア学科

2018年に教員が学生に読んで欲しい本として紹介した本です。

健康栄養学科スタッフがおすすめする本

黒檀

著者のカプシチンスキはポーランド出身のジャーナリスト。「『世界』の解説者」、「最も生気にあふれた報道記者」とも言われていますが、残念ながら日本語訳された彼の著作は本書のみ。本書では、アフリカの文化や生活、クーデターの裏側を29編の生々しいルポルタージュでまとめています。ルポルタージュながら、「文学」全集に収録された本書。文章がとてもきれいです。アフリカ文化に関心がなくても、夢中になれる一冊です。とてもおすすめ。

【紹介者】秋本 万里奈

佐々木敏のデータ栄養学のすすめ : 氾濫し混乱する「食と健康」の情報を整理する

栄養指導をしていると、テレビで取り上げられた健康法を真面目に実践している方の多さに驚きます。(管理栄養士が指導したことは守ってくれないのに!)本書は、様々な健康法の理論だけではなく、多くの研究のデータをまとめた本です。データをもとに考えるくせがつけば、次々出てくる怪しい健康法と戦うことも怖くありません。プロの管理栄養士として活躍するための、多角的に情報を判断できる思考を身に着けるヒントをくれると思います。

【紹介者】秋本 万里奈

おいしさの科学がよ〜くわかる本 : ポケット図解

「おいしさ」は味や香り、食感を統合した巧みな日本語表現です。普段何気なく感じているこの「おいしさ」について深く考えたことがある人はあまりいないと思います。この本では「おいしさ」という感覚に対し、その仕組みがどのくらい科学により分かっているかをわかりやすく解説してくれています。本の中には、へぇ~と思えるものや次の日に友達に話したくなるようなネタになりそうなものばかりなので、ぜひ一度読んでみることをお勧めできる一冊です。

【紹介者】松本 貴哉

フードビジネス学科スタッフがおすすめする本

人間は脳で食べている

おいしさは舌で感じ、味わうと我々は思っている。だが、著者は賞味期限が過ぎると食べるのが嫌になる人を例に「情報による先入観が大きい」ことを述べている。安全なのに、数値に左右され、舌で味わっていない。この本を読むと、今の日本には「まずい食品ない」と思う。おいしい食品がコンビニにあふれている。でも人々はさらなるおいしさを求めている。絶対的なおいしさは無く、商品開発にはデザイン、広報などの情報が重要であることも書かれている。数値や専門用語などを避けて、わかりやすい文章を心がけて書かれている。情報の食への影響を主題としているので、「情報と栄養と食」を掲げる本学の学生全員に読んでほしい本である。

【紹介者】杉山 立志

グアテマラを知るための67章【第2版】

グアテマラとはどこにあるのだろう?スターバックスの豆の種類で見たことがあるかもしれない。この本には他の国のシリーズがあり、その国々の辞書のようだ。編著者も述べているように、どこから読んでも良い。私は、グアテマラの人々が長い歴史の中でトウモロコシについて栽培から調理、栄養まで最高の技術を持っていることを書いている。本の紹介で言いたいことは、私は皆さんと同じ大学生の時に、誘われてグアテマラに行ったことがスタートとなり、いろいろなことが重なり独自の解釈で書いたということである。今、みなさんが挑戦していることは、きっと将来につながっている。誘われたら、いろいろ挑戦してほしい。

【紹介者】杉山 立志

ファウンダー ハンバーガー帝国のヒミツ

今や日本の、いや世界のファストフードのトップ企業である「マクドナルド」を創りあげた「レイ・クロック」の物語。52歳になった彼が、マクドナルド兄弟のハンバーガーショップにビジネスチャンスを見出しフランチャイズ展開により圧倒的なNO.1の地位を築き上げたストーリー。手段を択ばず成長するその過程は、ダークな部分もあり、創業者(ファウンダー)としての成功の過程をつぶさに見せつける内容である。フードビジネス学科の学生はぜひ一度は見ておくことに値する映画である。

【紹介者】蔵冨 幹

セブン-イレブン金の法則 : ヒット商品は「ど真ん中」をねらえ

レジでカップをもらい、1杯ごとに豆を挽くマシーンで淹れ立てのコーヒーを手に入れる。コンビニで当たり前となったこのスタイルはセブンイレブンが2013年にスタートさせ、爆発的なヒットとなった。このセブンイレブンの独特の新商品の開発方法はコーヒー、おにぎり、スイーツなどの食品のみならず、コスメ、書籍まで研究開発されている。商品開発を目指す学生にはぜひ一読をお薦めする。

【紹介者】蔵冨 幹

未来の年表〈2〉人口減少日本であなたに起きること

現在の日本は人口減少により少子高齢化にあることは周知の事実である。この書籍は人口減少により、「食卓から野菜が消える」「ネットで買った商品が一向に届かない」「甲子園出場を決めたが校歌で仲間割れ」「中小企業が黒字で倒産」等、著者が独自の観点から未来予測を具体的に提言している。これらは、すでに私たちの身の回りで起こり始めているものもある。未来予測を基に、今の日本の置かれている状況を理解するのには良い書籍である。前著『未来の年表』の続編でもある。

【紹介者】蔵冨 幹

学者は平気でウソをつく

「学問は宗教である」というフレーズが書いてある。これから多様な分野のことを勉強する学生には、この言葉を覚えていてほしい。進化していな既存の理論や、功名のためにデーターを改竄した研究、人的なミスを隠しながらも「画期的なアイデア」とアドバルーン上げる研究など、初学者を惑わすことに事欠かないケースが多く存在する。あらゆる学問の常識を疑い、常に弁証法的な思考方法をもって物事を考えていく姿勢の重要さを教えてくれる1冊である。

【紹介者】関川 靖

日本銀行

リーマンショック後の日本経済は、景気低迷から抜け出せずにいる。そんな中で、その打開策として新古典派の考え方に基づく「アベノミクス」という政策方針が掲げられ、実際には量的・質的金融緩和の政策が採用されている。金融政策は日銀の金融政策委員会で決定されているが、委員のメンバーがいわゆる「リフレ派」で占められており、アベノミクスの実施がしやすい状態になっている。日本銀行の調査部長であり、現在大学の教員である筆者は、日銀が国会や行政からの独立性を確保されていないのではないかと、愁いを持ちつつアベノミクスの問題点を指摘している。

【紹介者】関川 靖

ビジネススクールで教える経営分析

本書は決算書をどのように読むかのノウハウをまとめたものである。決算書の図を描いて「メーカーはふつうこんな感じ」「小売りだとこんな感じ」といった直観的な説明や図を駆使したわかりやすい点が本書の最大の特徴である。企業会計の知識がなくても「ROI(資本利益率)」「ROE(株主資本利益率)」「ROA(純資産利益率)」「ROS(売上高利益率)」等、必要な用語(比率)の概念をやさしく理解できる。また、キリンとアサヒ、キッコーマンなど食品メーカーを例に経営分析を取り上げているので、フードビジネス学科生の図書として最適である。

【紹介者】吉田 洋

原価計算の知識(第2版)

フードビジネスの基礎は原価計算にある。この本は、原価計算の基本的な仕組みを理解し、それを使ってどのように経営の改善に結びつかるかまで簡潔にわかりやすく解説している。さらに原価計算の仕組みを理解したうえで、活動基準原価計算、マテリアルフローコスト会計や品質コスト会計など、高度な内容も丁寧に解説している。

【紹介者】吉田 洋

希望のつくり方

「希望は与えられるものではない、自分たちの手で見つけるものだ!」と、良く言われます。しかし、「でも、どうやって?」と、考え込んでしまう人は多いと思われます。そのような人々に、本書にある様々な事例を参考にして、「希望」というものが、自分の身近に存在しているモノであることに気が付いて欲しいと思われます。本書には、閉塞感が漂う現代社会にあって、希望を創り出すヒントを与えてくれる内容が記されています。

【紹介者】相原 延英

フードバンク : 世界と日本の困窮者支援と食品ロス対策

日本は、世界第3位の経済大国でありながら、7人に1人が貧困にあえぎ、母と子のひとり親世帯の半数以上が貧困に苦しんでいるといわれます。そのような中で、日本でも急速に増えているフードバンクは、「食品ロス削減」の観点から、貧困者等に対する食料支援を目的とする活動に移行してきています。本書は、そのような社会的変化に対して、海外の先行事例との実証的な国際比較をもとにした、日本における初の研究書であります。

【紹介者】相原 延英

コーヒーの科学 「おいしさ」はどこで生まれるのか

コーヒーの味や香りの正体はどんな成分なのか?それらの成分は焙煎や抽出の過程でどんなふうに現れてくるのか?そんな疑問に、科学的な観点から一つ一つ答えてくれる本です。高度な内容も含みますが、カジュアルな文体で基礎から一歩ずつ説明してくれるので読みやすいです。一つの食品のおいしさや香りを突き詰めて考える面白さを、この本を通して体験してみてください。これを読めば、おいしいコーヒーが淹れられるようになる・・かも?

【紹介者】堤 浩一

スイーツレシピで謎解きを : 推理が言えない少女と保健室の眠り姫

「シュークリームが膨らまない」「バースデーケーキが思い出せない」などなど、スイーツにまつわる数々のトラブルを1話完結で解決していくスタイルの、青春日常ミステリーものです。特に、スイーツやその材料の化学的・食品学的な面からトラブルが解決されていくのですが、フードスペシャリスト資格認定試験などで頻出の用語もいくつか出てくるので、物語を楽しみながら勉強にもなるのではと思います。ある事実が明かされるとき、また最初から読み返したくなるかもしれません・・・。

【紹介者】堤 浩一

豊かな人生を引き寄せる「あ、これ美味しい!」の言い換え力

美味しいものを食べた時、どのように表現しますか?「これは美味しい!」と感じてもその感動をきちんと言葉で表現することはとても難しいです。本書には「美味しい」を表現するための言葉や味覚についての知識も載っています。テイスティングノートの例も載っていますので、味について学びたい人にはおすすめです。「美味しい」が伝わる言葉のバリエーションを増やすとより食事が楽しくなります。

【紹介者】宮島 彩

日本の食材図鑑 : 見て楽しい!読んでおいしい!

おいしそうな写真付きの食材図鑑です。それぞれの食材選びのポイントやおすすめの食べ方(調理法)、保存方法、日本の旬と産地や品種、その食材の特徴や栄養成分など、役立つポイントがたくさん掲載してあります。また、スーパーフードや、食品の表示、6大栄養素などについてもまとめてあり、とても便利な1冊です。レシピを考案する時などにおすすめです。

【紹介者】宮島 彩

アジアのごはん

料理家ワタナベマキさんの人気のアジア料理シリーズの中の1冊です。(アジアの麺、アジアのサラダ)おつまみ~ごはんものまで、日本人好みにアレンジされた食べやすいアジア各国の人気料理が80品掲載されています。ワタナベマキさんは、前職がグラフィックデザイナーだったこともあり、フードスタイリングや本のデザインについても、色鮮やかでおしゃれな仕上がりになっていて、見るだけでも楽しい内容になっています。またコラムも掲載されているので、旅気分も味わえます。アジア料理をこれから挑戦したい方にぴったりの一冊です。

【紹介者】谷口 泉

ワタナベマキのおいしい仕組み

料理にはひとつひとつ紐解いてみると、おいしくなる「仕組み」があります。この本はワタナベマキさんのおいしい味付けの仕組み4つの基本が入ったレシピが掲載されています。作り方だけでなく、素材と調味料の関係についても詳しく説明されているので、材料が少ない料理でも、簡単においしく作れる上、おいしくなる「仕組み」をさらに深く理解することができます。もう一つの見どころとしては、ワタナベマキさんのフードスタイリングです。使用している食材が少ない料理(色が少なく、映えない)でも、おいしそうな料理写真に仕上がっています。

【紹介者】谷口 泉

ブルーボトルコーヒーのフィロソフィー

平日の朝、サンフランシスコを歩いていると、スーツに身を包んだビジネスパーソンがブルーボトルのコーヒーを求めて行列を作っているのが目に入ります。店の中では、たくさんのバリスタがコーヒーを一杯ずつ丁寧に淹れ、客のファーストネームを呼んで出来上がりを知らせています。名前を呼ばれたときの感覚は、私たちが日本で慣れてしまったスターバックスとはまさに対照的。サードウェーブコーヒーの最高峰と言われるブルーボトルのことをじっくり読んでみませんか?

【紹介者】田中 明子

ホテル椿山荘東京~ル・ジャルダン~アフタヌーンティーレシピ

美しいティーセットと三段重ねのティースタンド、そして、そこにはスコーンやケーキやきゅうりのサンドイッチ。そんなイギリスの上流階級文化・アフタヌーンティーを都内のホテルで初めて供し、アフタヌーンティーの草分け的存在と言われるホテル椿山荘のロビーラウンジ、ル・ジャルダンがオリジナルレシピを初公開しました。創業当時から女性に人気の高い椿山荘のあのアフタヌーンティーを家庭で楽しむ夢がかなう本です。ぜひ、手にとって眺めてみてください。

【紹介者】田中 明子

英語で伝える和食

平成25年12月に「和食;日本人の伝統的な食文化」がユネスコ無形文化遺産に登録されました。世界的に注目されるようになったことで、和食を世界に発信する機会が増加しています。英語で和食について伝えたいとき、役に立つ1冊です。

【紹介者】中村 麻理

農と食の新しい倫理

「あなたは何を食べているのか?」「それはどこから来たのか?」「いったい何を食べるべきなのか?」生産と消費の距離が拡大し、現代社会における食の問題はますます複雑さを増しています。食と農の問題を倫理という視点で考えてみたい方におすすめします。

【紹介者】中村 麻理

心霊探偵八雲 赤い瞳は知っている

生まれつき左眼が赤く、その眼には霊が見え、その霊と会話することもできるという斎藤八雲。そのことを知った同じ大学に通う晴香が「キャンパスのはずれに建つ廃屋を調べてほしい」と八雲に相談をもちかけます。八雲と晴香が出会うきっかけとなったお話です。巻を追うごとに、八雲の過去やそれにまつわる重要人物の存在が少しずつ明らかになり、続きが気になって読みたくなる作品です。個人的には、八雲と晴香の関係性の変化も注目ポイントです。文庫版も出版されているので、読み比べてみるのも面白いですよ!

【紹介者】山田 真衣

世界一やさしい!栄養素図鑑

三大栄養素と食物繊維、ビタミン、ミネラルと、それぞれの栄養素が分かりやすくまとめられています。ただ分かりやすくまとめられているだけでなく、各栄養素が擬人化し、キャラクターとして描かれているので、覚えることが多い栄養素に対して親しみやすくなると思います。栄養素のことを知っていても知らなくても、栄養素について楽しく学べる1冊です。

【紹介者】山田 真衣

情報メディア学科スタッフがおすすめする本

【紹介者】吉田 友敬

Unreal Engine 4マテリアルデザイン入門 : アーティストのためのステップアップ・ガイド

本書は、高品質なリアルタイム・グラフィックスを効率よく作れるゲームエンジン「Unreal Engine4」を使ったグラフィックス制作を学ぶ入門書です。岩や壁、水たまりといった実際にゲーム開発に使われているマテリアルの作例をサンプルに、実践的なテクニックを身に付けることができます。さらにバージョンアップへの対応、モバイル、VRに関する新規解説を追加し、最先端の制作方法を紹介しています。

【紹介者】周 欣欣

作って動かすALife : 実装を通した人工生命モデル理論入門

本のタイトルから人工知能の次は人工生命かと思われたかもしれません。しかし、元々は単純なルールでどれぐらい複雑な動きができるか、からくり人形の仕組みを考えるように昔からあるテーマなのです。ただ人工知能が話題になっている今、お掃除ロボットが共同でサッカーゲームができないかなどと考えてみることもいいでしょう。中にプログラムの例がありますがこれは Python という言語で書かれています。講義で習ったことがあるかもしれません。一度手に取ってパラパラと眺めてみてください。興味がわきましたか?この本に書かれていることは決してやさしいことではないのですが、何か面白そうと思ってもらえればいいです。読んで興味は持てたのだけれども、むわからないことが一杯出てくるかもしれません。その時は教員に聞いてみてください。この分野に詳しい教員は多くいます。たとえば….

【紹介者】本多 一彦

キャッチャー・イン・ザ・ライ

もしも君がこの話をホントに理解したいと思うんならね、この本の作者のサリンジャーがどんなへんてこな人生を送ったかとか、この物語はどんな「衝撃的」な事件が起きて,どんな「驚愕」のクライマックスを迎えるのかとか、そうした映画的誇大広告風の,インチキくさい触れ込みを聞きたがるかもしれないけどさ、はっきり言ってね,その手のことを話す気にはなれないんだよ。だってそんなのって死ぬほど退屈だし。だから僕としてはとにかく一度この本を手に取ってみて,主人公のホールデン君の「声」を聞いてみてほしいとしか言えないんだよな。インチキな連中には分からないだろうけれど,君になら僕の言っていることが分かる思うんだよね。

【紹介者】深澤 明利

ボビー・フィッシャーのチェス入門

「論理的な思考力」などというものがもてはやされる今日,書店には「論理」や「ロジカル」といった言葉を用いた,何だか深淵そうな書物が並んでいる。そんな書棚を横目で見やりながら思うのは,もっとシンプルに,昔ながらの遊びをとおして,「論理的な思考力」なるものを培うのも一つの手なのでは,ということだ。というわけで,今回おすすめしたいのが本書。「チェス」という言葉を目にして身構えることなかれ。本書はチェス (およびチェス・プロブレム) の入門者にとって最良の書物である。というのも,それぞれの駒の動きについて丁寧に解説したあとで,初心者の足取りに合わせて徐々に問題の難易度を上げてくれるからだ。本書の構成も読書好きの目を引く作りになっている。詳しくは実際に本書を手に取ってみてほしい。

【紹介者】深澤 明利

寝ながら学べる構造主義

人文科学のパラダイムを根底から覆した,いわゆる「言語論的転回」。その起点である「構造主義」は,言語学者フェルディナン・ド・ソシュールの『一般言語学講義』の再発見によって始まる。ソシュールによれば,言葉と物のあいだには必然的,本質的な繋がりなどない。ラングにおいてシニフィエはシニフィアンの差異によって規定されるからである…などと言うと,ソッコーで読む気が失せるかもしれない。実際のところ,構造主義を理解するのは難しい。しかし,本書はそんな難しい構造主義をきわめて分かりやすく説明してくれる。まさに目から鱗が落ちるとはこのことだ。より専門的な話は本書を読んだあとで徐々に深めていけばいい。まずは就眠の儀式の一冊として手に取ってみてはどうだろうか。

【紹介者】深澤 明利

明るい部屋 : 写真についての覚書

スーザン・ソンタグの『写真論』と並ぶ写真批評の古典。難解だが,読むことの快楽を与えてくれる書物である。本書は2部構成になっている。前半では「ストゥディウム」と「プンクトゥム」の違いについて述べられる。たとえば,年配の世代が映った写真を見て「昭和だなぁ」と感じたことはないだろうか。なぜそう感じるかと言えば,髪形や服装などが時代をコード化しているからである。こうした要素がストゥディウムである。他方,プンクトゥムは,個人的に気になってしかたがない要素のことを指す。後半では,バルトの亡き母の少女時代の写真「温室の写真」について論じられる。写真は「かつてあったもの」を映す。しかし,ある写真に映った親しいひとの,見たことのない微妙な表情を読み取るとき,写真は被写体の「同一性」ではなく「類似」を担保するものでしかないことが分かる。そのうえでバルトは亡き母の「真実」に,一挙に,到達するのだが,それを知りたければ本書を紐解いてみてほしい。それから本書には,ある「秘密」が隠されている。それもぜひ探してみてほしい。

【紹介者】深澤 明利

アイデアのつくり方

本書の主張は明快だ。「新しいアイデア」とは「新しい組み合わせ」だということに尽きているからである。何という素っ気なさ! 何という単純さ! しかしまぁ,実用書たるものかくあるべし,というべきか。だが実のところ,本書の内容を実行に移すときに,本書を本当に読む旅が始まる。そしておそらく本書の内容がいかに難解かをそのとき初めて知ることになるのである。自戒を込めて言う。自分の専門分野にのみ関わる「新しい組み合わせ」や,あからさまに奇をてらったものはたいていつまらない。おそらく,「新しいアイデア」を生み出すために大切なことは,いろいろなことを普段から仕込んでおくということではなかろうか。そしてそうした「いろいろなこと」を一般的に「教養」と呼ぶのだと思う。

【紹介者】深澤 明利

Excelでわかるディープラーニング超入門

「ディープラーニング」ブームが続いていますが,皆さんはディープラーニングの仕組みをご存知でしょうか?もしかすると,「何かを入力して学習させると何故かすごく良い結果が出る」というような,ブラックボックス的なイメージをもっているかもしれませんね.
本書は,「Excel」という身近なソフトを使ってディープラーニングの動作原理を体験する方法が紹介されています.入力データも,「Excelのセルを1画素とみなした画像」ですので,計算量もそれほど多くなく,視覚的にも理解しやすいと思います.
仕組みが理解できたら,Anaconda+TensorFlowなど環境をセットアップして,実際のディープラーニングを体験してみて下さいね.

【紹介者】松原 友子

チーズはどこへ消えた?

2匹のネズミと2人の小人が迷路をさまよいながらチーズを発見します。
チーズは人生に求めるものを表します。
短い物語を通して、人生に対する見方・考え方を発見させられます。

【紹介者】山住 富也

楽典の本

職場を選ぶ前に読んでおきたい1冊。無意味な管理に苦しまないために。 
「”ほんもの”の上司はまず 第1に、みんなに働きたいと思ってもらえる場を思い描き、そういう場を
作り出す。」 (「仕事は楽しいかね2」より)

【紹介者】山住 富也