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図書情報センター

2016年教員おすすめ本

健康栄養学科 フードビジネス学科 情報メディア学科

2016年に教員が学生に読んで欲しい本として紹介した本です。

健康栄養学科スタッフがおすすめする本

アラマタ事典シリーズ

アラマタ大事典
アラマタ人物伝
アラマタ生物事典

いろんなことを知っていると、人生が豊かになり、いろんな人と会話が弾む。荒俣宏氏は博物学者を標榜し、その知識の集大成として、映画「妖怪大戦争」や著書「帝都物語」など、面白い作品を数多く輩出している。この知識の源を、洗いざらい出している本3冊。これを読めば、興味のなかった分野にも興味がわくはず。また、それぞれの分野にいる学生が、新たな知見得て、さらなる一歩を踏み出すのに大きく役に立つと思います。多少、荒俣宏氏の私見の様な記述も見受けられるが、それもまた一興。物事の見方の幅が広がると思います。その辺にある事典やまとめより面白い本ですので、是非一読を。君も、博物学者になってみないか?

【紹介者】滝川 和郎

ホスピめしシリーズ

ホスピめし
ホスピ・めし2nd season

日本初!管理栄養士が主人公の漫画です。主人公の小西麦子は病院で働く管理栄養士で、入院患者の栄養チェックや外来患者の食事指導など、日々、奮闘しています。うまくいくことばかりではないけれど、患者に一所懸命むきあい、それぞれの事情を考慮して、実践できる食事療法(みんなのごはん)を考えていきます。この本を読むと、管理栄養士は「食」を通じて人と深くかかわる職業だな、と改めて思いますよ!これまでになかった医療系の漫画です。

【紹介者】後藤 千穂

怪人二十面相

なにやら、今更感もあるこの小説。
聞き覚えのある「明智小五郎」「少年探偵団」「ひみつ道具」「シルクハットにマント」「変装、変身、仮装」「犯行予告」「いたちごっこ」、、、The 推理小説。「名探偵コナン」「金田一少年の事件簿」など推理漫画、推理アニメが好きな人で、この小説に触れたことのない人は、是非触れて見ましょう。どんでん返しがどんなものか、本当の意味でよくわかると思います。また、推理小説に触れたことのない人も、この小説は、超入門編です。苦もなく、次の「少年探偵団」「妖怪博士」「宇宙怪人」「黄金仮面」「一寸法師」「サーカスの怪人」、、、へと誘われるでしょう。推理小説なので、野暮なことは書きません。是非読んで、次は、女性のミラノ市と一緒に推理小説を語りましょう(笑)。

【紹介者】滝川 和郎

たこ焼き器でできる!超簡単びっくりアイデアレシピ

たこ焼き器。一家に一台とはいかずとも、意外に持ってる人も多いのではないでしょうか。たこ焼きを作るのはもちろん、アヒージョやチーズフォンデュなどアレンジして使っている方も多いと思います。しかし!たこ焼き器で作れる料理はまだまだあります!この本では、基本のたこ焼きのレシピの他にびっくりアイデアレシピがたくさん紹介されています。私のおすすめはえびの焼きシューマイです!皆さんもこの本を読んで、たこ焼き器を大活躍させてあげてくださいね。

【紹介者】鬼頭 有美

フードビジネス学科スタッフがおすすめする本

カーネギー心を動かす話し方

話し方がタイトルになっているが、近年言われるコミュニケーション障害を克服する本ではない。2分間スピーチというカーネギーが社会人を対象とした教室で実践してきた経験によるポイントが書かれている。この2分間スピーチは就職活動での面接で自己PRするのと似ている。実例を話の最初に持ってくることなどの、魔法の法則(本文中では異なる名前)が書いてあるので探すとよいだろう。就職活動にかぎらず、「話がわかりにくい」と言われる人は一読して、日常の体験の中に話題を見つけ具体的に話す練習をすると、就職活動だけではなく、その後の人生の多くの場面で役に立つだろう。

【紹介者】杉山 立志

トウガラシの世界史

トウガラシに関する最新の本である。トウガラシの一般書はあまり売れない。だから絶版になり、新しく誰かが書くことを繰り返している。本書は各国でのトウガラシの伝播と「食卓革命」(=料理の変化)について書かれており、食品と栽培植物の関係を知るには良書である。ただし、第2章に著者である山本先生の博士論文に関する植物の専門的な内容が書かれており、ここは読み飛ばしした方がよいかもしれない。コロンブスの話から現在の食事まで幅広く扱っているが、研究文献にもとづき書かれているところが、一般書と大きく異なる。

【紹介者】杉山 立志

「ザクとうふ」の哲学

娘婿として相模屋食料という地元中堅豆腐メーカーの社長に就いた著者が、どのようにして6年で売上高を4倍にし、業界No.1へと成長させたのか、その奮闘記です。経営に必要なセオリーとその実践例に、気軽に触れることができる一冊になっています。「ザクとうふ」や「ナチュラルとうふ」など一風変わった商品で有名な企業ですが、その背景にはきちんとした豆腐作りにかけるこだわりがあることも分かりますよ。

【紹介者】成田 裕一

超人気グルメのぶっちゃけ解剖学

ラーメン次郎や、タニタ食堂、俺のフレンチなど少しネタは古いですが、大ヒットしたお店や商品について、どうして大人気になったのかを面白く、マジメに議論するという内容です。論者は何と、栄養学、マーケティング、生理学の教授達です。それぞれの分野の教科書だと読む気が出ないかもしれませんが、実際のお店や商品について解説してくれているので、知らず知らずに勉強にもなってしまう一冊だと思いますよ。

【紹介者】成田 裕一

時間に追われないための小さな習慣

「和食のマナー講習」の講師としてもおなじみの榊原陽子氏の著書です。みなさんの中にも、「いつも焦ってしまう」、「ついダラダラしてしまう」などの悩みを抱えている人はいませんか?今後、就職したり家庭を持ったりすると、「仕事を抱え込んでしまう」、「仕事が効率良くはかどらない」、「自分の時間が持てない」なんてことになるかもしれません。そんな不安がある時は、この本を読んでみてください。りっしんべんに心。「忙しさ」とはなにかを考え、まわりの人と一緒に取り組む時間のコントロール方法を身につけましょう。

【紹介者】田中 明子

大日本麦酒の誕生

大日本麦酒とは、アサヒビールの前身である大阪麦酒、恵比寿ビールを製造していた日本麦酒、そして、サッポロビールの前身である札幌麦酒が合併して、1906年にできたビールメーカーです。「あれ?」と思った学生さんは、ぜひ、この本を手にとってみてください。明治中期から昭和初期という、日本が欧米に追いつこうと躍起になっていた時代に、渋沢栄一を始めとする財界の大物たちがビール事業にかけたプライドと、そこで繰り広げられた戦いの様子を紹介するこの本は、商品作りと海外進出の物語でもあります。

【紹介者】田中 明子

かんたんおしゃれな実用雑貨折り紙

名古屋文理大学で社会人学生として学んだ、情報メディア学科卒業生・折居和美さんが監修した折り紙の本です。折居さんは連鶴作品でも有名ですが、この本には、机の上に散らばってしまう文具をすっきり整理したり、ちょっとしたメモや贈り物をお洒落に渡したりするときにぴったりの、実用的な折り紙作品が集められています。作品は全てカラーで紹介されているので、眺めるのも自分で作ってみるのも楽しい本です。

【紹介者】田中 明子

不思議の国のM&A

最近、連日のように我が国の企業がM&Aをしかけるニュースが浮動されている。かって「乗っ取り」として悪の権化のように言われていた企業買収M&Aがなぜ変化してきたのか。日本的経営の一面が良く分かる一冊である。

【紹介者】山本 和子

マメな豆の話

日本は大豆を多く食する国であるが、世界的に見ると大豆はそのまま食べるより油にする。完熟大豆は調理しにくく加工した大豆食品が多い。日本の家庭でそのまま食べるのは未熟な枝豆であることが多い。世界では様々な豆が家庭で調理されている。それらはどのような豆なのか。知らないマメの世界が広がる。

【紹介者】山本 和子

商店街はいま必要なのか

本書は、1900年代から現代までの小売業の変遷と生まれてきた背景、および特徴を分かり易く解説している。本書では小売業を、「商店街」という存在を比較対象に置きつつ、百貨店、通信販売、商店街、スーパー、そしてコンビニエンス・ストアとして取り上げている。また、これら小売業は各時代においてライバル関係にあり、この著書を読むことで経営方針や販売戦略の違いにより盛衰を繰り返していることよく理解できるであろう。特に、1年生・2年生に読んでもらいたい。

【紹介者】関川 靖

魚が食べられなくなる日

日本人が魚好きであることは、日本食の世界的ブームもあり周知である。本書では、日本における漁業規模の大きさを紹介しているし、実際に以前は「鰊御殿」「蟹御殿」と言って漁業従事者の豊かさぶりは有名な話である。しかし現在は、回遊魚のマグロなどの自給率が低いことを知っていても、本来近海物の鯖・タコでさえ大部分を北欧やアフリカから輸入していることはあまり知られていない。日本は世界で第6位の排他的経済水域を持っており、魚資源が豊富なはずであり本当に不可思議である。本書は、我が国の漁業の現状を紹介するとともに、抱える問題点も分かりやすく示している。

【紹介者】関川 靖

組織力 : 宿す、紡ぐ、磨く、繋ぐ

組織力とは、人々の集まりが組織であるための必要な力である。組織力を宿し(組織の合理性)、紡ぎ(仕事を共にする)、磨き(経営的スケール観)、繋ぐ(あなたの仕事)ことで、人々は、はじめて組織であり続けることができる。経営の本質とは、一人ひとりでは突破できない難関を、みんなでなんとか切り抜けることにある。そのためには「組織力」を高めることが欠かせない。経営学といえばすぐに連想するのが「会社」であるが、「組織」を念頭に組織力を説いている。組織人なら知っておいて損はないビジネスの神髄を理論的に解説している。 学生諸君はサークル活動やゼミ活動に参考にできるであろう。

【紹介者】吉田 洋

回転寿司の経営学

回転寿司はなぜ高品質・安価で経営が成り立つのか。経営学の観点から回転寿司は他の外食産業の常識では考えられないシステムを構築している。一般的な外食産業では原価率が30%であるのに対して、回転寿司では40%から50%であってもキャッシュフローを生み出している。本書では回転寿司の秘密を明らかにしながら、あらゆる業界に通用するアイデアの発想術やビジネスに役立つヒントが書かれている。

【紹介者】吉田 洋

高校生からの経済データ入門

「ビッグデータの時代」と言われる昨今、経済・ビジネスのいたるところで「データ分析」の重要性が問われている。身近な「大学生の就職率」「食料品の価格」「携帯電話会社のシェア」「コンビニの客単価」から「日経平均株価」「実質・名目GDP」など、経済社会のデータをわかり易く解説してあり、改めて読んでみる価値が充分にある書籍である。

【紹介者】蔵冨 幹

京都ぎらい

一般人(京都以外の人)からみると、京都府であろうと、京都市であろうと、すべて同じ京都人と思うのだが、実際はそうではない。京都市内でも洛中(上京,中京区などの中心部)、洛外という考えが根強く残っており、洛中人こそ京都人でありそれ以外(右京区で生まれ育った著者)は、田舎と考えられているようだ。この京都独自のいやらしさをベースにその歴史と文化が語られており、京都の意外な一面がわかる興味深い書籍である。

【紹介者】蔵冨 幹

2級フードコーディネーター教本

フードビジネス学科はフードコーディネーター資格の養成認定校になっており、卒業時に3級を取得することができます。本書はその上位資格である2級試験対応テキストです。学生時代に2級対策を済ませ、早期の上位資格取得を目指しましょう。

【紹介者】中村 麻理

「おとうふ工房いしかわ」年商50億のまっすぐ経営術

フードビジネス学科の学生が毎年携わっているNBMS商品開発プロジェクトに初年度から参加している企業のひとつが株式会社おとうふ工房いしかわです。本書では、石川社長がご自身の経営術やモノづくりへのこだわりについて熱く語ってくださっています。会社経営や商品開発に興味のある学生さんにぜひ読んでいただきたい一冊です。

【紹介者】中村 麻理

Born to run走るために生まれた

「人間は長く走るために進化した」という荒唐無稽な仮説を軸に、ウルトラレース(超長距離ランニングレース)の苛酷さと素晴らしさ。険しい峡谷を長距離走り続けることのできる”幻の民”メキシコのタラウマラ族の紹介。ランニングの世界で ”フォア フット ランニング” を常識にした火付け役。ランナーの”必読書”ながら、ひとつのことに夢中になる素晴らしさやそこから得られるものの大きさを感じ取れる秀逸の作品。自分の目標を探し求める人に是非読んでほしい。

【紹介者】河木 智規

生き方

「京セラ」の創業者・社長・会長、「日本航空(JAL)」の再建を主導した会長を歴任。「”利他の心” すなわち他を利するところにビジネスの原点がある」を考え方の原理・原則におき、自らも私利私欲を廃する生き方を貫くとともに、妥協を許さない厳しさを求める姿が、現代の多くの経営者の心を掴んで離さない。氏の多くの書籍の中でも珠玉の一冊。就活を目前にする学生の皆さんにぜひ読んでほしい。あなたが志望する会社の社長さんも”稲盛教の信者”かもしれませんよ。

【紹介者】河木 智規

人間力を高める食育・卓育入門

「食育」、「卓育」という言葉を知っていますか?「食育」は食育基本法が制定され、一般的な言葉になっており、知っている人も多いと思いますがしっかりと意味を理解している人は少ないかもしれません。「卓育」についてはまだ聞き慣れないという人も多いと思います。そんな「食育」や「卓育」について分かりやすく解説してあります。また、それぞれライフステージ別の「食」について述べているため、対象者に合わせた「食」について学ぶときに便利な一冊です。

【紹介者】宮島 彩

暗いところで待ち合わせ

主人公は事故で視力を失った女性(ミチル)。ある日、殺人事件の容疑がかかり逃亡中の男性(アキヒロ)が、ミチルの家に逃げ込んで、不思議な同棲生活が始まります。人の気配を感じるが気づいていないフリをすることで身を守るミチルと家主に気づかれないように息を殺して潜むアキヒロ。日が経つにつれ、暗黙の了解のように互いを理解し、絆が生まれます。話の中に出てくる食事風景が印象的でした。一歩踏み出す勇気を教えてくれて、気軽に読めるミステリー小説です。

【紹介者】宮島 彩

食品ロスの経済学

本書は、「食品ロス」を廃棄物問題として限定的に取り上げるのではなく、「フードセキュリティ(食の量的確保)」や「フードセーフティ(食の質的確保)」との関連性に触れつつ、食品ロスの発生メカニズムの多様性やリデュースの可能性について経済学的に分析し、食品リサイクルの課題を整理している。その上で、フードバンク活動における過剰食品の有効利用について検討することによって、食品ロス問題への解決策を検討している。

【紹介者】相原 延英

地域産業の経営戦略 : 地域再生ビジョン

近年、少子高齢化による人口減少や大都市への一極集中によって、「地方消滅」と呼ばれるような事態への危機感が高まってきている。そのような時代の趨勢の中で、「地方創生」が最重要課題として認識され、「地域の持続可能な発展」につながるような「地域おこし」や「地域活性化」への取組がにわかに脚光を浴びてきている。本書では、そのような取組を全国各地の10事例を取り上げて検証し、その成果や課題を明らかにしている。

【紹介者】相原 延英

作りおきの基礎知識

帰宅が遅くなった、勉強とバイトで平日は料理をする時間がない時こそ、空いてる時間で料理をしてストックしておく「作りおき」が役に立ちます。この本は、丁寧なレシピだけでなく、保存方法や保存期間も記載されています。保存についての基礎知識も学べれば、作ってそのまま冷凍庫に何か月・・ということもなくなります。忙しい大学生活を送っている一人暮らしの学生さんにぴったりな一冊です。

【紹介者】谷口 泉

素材よろこぶ調味料の便利帳

調味料は何気なく使いがちですが、数か月から1年じっくり時間をかけて発酵・熟成させ、豊かな香りやまろやかな味を生み出します。特性、使い方についての知識があれば、普段のありきたりな使い方だけでなく、もっと魅力を活かした料理に仕上がります。近年では、日本古来のものだけでなく、外国のさまざまな調味料も簡単に手に入るようになりました。ぜひ、食材と調味料の組み合わせを楽しみ豊かな味わいを発見してみてください。

【紹介者】谷口 泉

情報メディア学科スタッフがおすすめする本

楽典の本

音楽制作をするにあたり、楽譜が読めることは必要でしょうか?とりあえず曲を作ることが目的であれば、必ずしも楽譜が読めることは必要ではありません。しかし、より深く音楽を知りたいと思ったとき、いろいろな音楽に触れたいと思ったときなど、楽譜は音楽について知るための効率的なメディアです。楽譜が理解できるようになると、楽曲制作についてもより確実な知識を得ることができるでしょう。
楽典について書かれた本は昔からありましたが、概して取っつきにくく難解な記述のものが主流でした。しかし、最近は初心者のためにわかりやすく説明された本もちらほらと出てきました。今回は、その中の2冊を紹介します。
どちらの本も、一つのまとまりが1ページ~2ページと短くなっていて、本を読むのが苦手な人でも読みやすくなっています。2冊のうちでは2.の「絶対! わかる 楽典100のコツ」の方が、より初心者向けとなっていて、音楽を学ぶときの難しさを極力感じさせないように、それぞれの項目の中身も大変コンパクトになっています。音楽的な素養が全くない人なら、この本がいいかもしれません。一方1.の「よくわかる楽典」の方は、見開きごとにコンパクトにまとめられているのは同じですが、内容はもう少し教科書に近くなっています。真剣に楽譜の知識を身につけたい人、あるいは、辞書的に使いたいときなどはこの本の方がいいかと思います。
いずれの本も初心者向けにやさしく書かれていますが、著者の特徴として、「よくわかる楽典」は基本的にクラシックの作曲家が書いているのに対して、「絶対! わかる 楽典100のコツ」は、芸大出身ながらもバンド活動の経験があったりDTMマガジンに参加するなどの経歴がある著者となっています。
自分の好みの一冊で、楽譜とじっくり向き合ってみませんか?

【紹介者】吉田 友敬

音律と音階の科学

本書は、音律と音階という、音楽と数学が結びつくちょっと意外で濃密な関係を解説したものです。 
音階とはいわゆる「ドレミファソラシド」ですが、それがどのようにして生まれたのかを、音と周波数の関係から詳しく述べられています。音律に純正律や平均律のほか、ピタゴラス音律やミーントーンなど、マニアックな音律についての説明も存分にあります。
さらには、どうしてそのような音階を心地よく感じるのかという、音楽心理学的なアプローチもあり、音楽を科学的に理解したいという人にはさまざまなネタを本書から仕入れることができるのではないでしょうか。
本書にはまた、狭い意味の音律の話だけではなく、音響学的な知識や音楽理論の基礎知識なども含まれています。基本音と倍音の話から、五度円や協和音や不協和音、そして5音音階にモードジャズなど、実に多岐にわたるトピックが扱われています。さらには、民族音楽にまで話は及んで、この著者の見識の広さがうかがわれます。
それらのすべてのトピックは、すべて科学的な視点から解説されているので、いわゆる音楽書とは趣がかなり異なります。楽譜はむしろ少なく、それよりも図やグラフが多いことが特徴と言えるでしょう。
本書を読むことによって、さまざまな音楽的な知識の裏にある数学的・科学的な背景を知ることができます。音楽に関わるさまざまな知識を幅広く知りたいという人に向いていると思います。

【紹介者】吉田 友敬

遊んで学ぶはじめてのプログラミング : processingの魔法学校

本書の帯には13才の中学生でも猫でもゲームが作れると書いてありましたが、猫ではゲームを作れません。アクションゲームやRPG の作り方が魔法学校の授業として語られています。イラストがふんだんに用いられ簡単そうに見えますが、この魔法学校の講義は高度ですよ!!プログラム言語としては芸術関係のビジュアリゼーションでよく用いられている Processing を使っています。Processing を使ってゲームを作るための方法だけでなく、Processing の基盤となっている Java との関連もしっかり書かれています。また作成したアクションゲームをスマートフォンで動かすための方法も載っています。Processing を一通り勉強して使いこなせるようになった人が、次のステップに進むためにお勧めの本です。

【紹介者】本多 一彦

コンピュータ開発のはてしない物語 : 起源から驚きの近未来まで

世はまさにスマフォブーム。コンピュータの仕組みなんかしらなくてもスマフォさえ使えれば問題ないと思っている人とはもっともかけ離れた本。しかし、だからこそ、なにがどうなって今スマフォブームなのかを知ることはとても大切である。これだけ短い間にこれだけ進歩発達した発明品は他にないうえ、さらに現在も進歩発達を続けいている。この本を楽しんで読める学生さんにはその未知なる未来のマシンが見えてくるかも。

【紹介者】森 博

映像制作スタンダードブック

映像制作に関するテキストはいくつかあるが、この本はプロの映像演出家として活躍中の著者が、歌手中島美嘉のMV制作を例に自身のノウハウを惜しげもなく披露している異色の本である。映像制作の全般をプロの仕事を通して徹底的に解説しており、内容も具体的でわかりやすい。この方面に進みたい学生にとってもプロの仕事がよくわかる。

【紹介者】森 博

リーダブルコード : より良いコードを書くためのシンプルで実践的なテクニック

この本の表紙には、「より良いコードを書くためのシンプルで実践的なテクニック」と書かれている。まさにその通りの内容であり、プログラミングを学ぶ学生にとっては、必読の本である。少しプログラムが書けるようになった人がこの本を読むと、格段に読みやすいプログラムコードを書いてみようという気になると思う。なかなか難しいテーマではあるが、「正しく動くプログラム」が書けるようになったら、次は「他人も自分も読みやすいプログラム」を書けるようになってほしい。難しいところはさらりと読み飛ばし気楽に読んでください。

【紹介者】森 博

プリンシプルオブプログラミング : 3年目までに身につけたい一生役立つ101の原理原則

「プログラム演習I・II」「オブジェクト指向」等でとりあえずプログラムを書けるようになったけれど、いまいち自信が持てないなあ、と思っている人はいませんか。今回紹介する本は、「読みやすく」「バグが発生しにくく」「修正もしやすい」プログラムを書くときに手助けしてくれるさまざまな設計指針のカタログ集です。著者はIT企業でソフトウェア技術者として開発に従事していて、開発現場での経験をもとに必要とされる数々の設計指針をコンパクトにまとめてくれています。たとえば、ついやってしまいがちな「プログラムの(別の部分への)コピペ」は厳禁だそうです(2.2章)。これは大きなプログラムを修正しなくてはならないときにあちらこちらに散らばっている修正箇所をもれなく直すことが大変な作業になるからです。対策方法も書いてあります。この本を読むだけですぐに「よい」プログラムが書けるわけではありませんが、出てくるキーワードを起点にさらなる本やWebサイトを探し出し、それらをお手本に自分のプログラムをよりよいものにしてみませんか。なお、この本のオンライン版が著者のブログ「Strategic Choice」で閲覧できます。参考にしてください。
URL:http://d.hatena.ne.jp/asakichy/

【紹介者】田近 一郎

リファクタリング : 既存のコードを安全に改善する

リファクタリングとは「ソフトウェアの外部の振る舞いを保ったままで、内部の構造を改善していく作業」を指します。この言葉は通常、大規模なソフトウェア開発の際に用いられる用語で、小さなプログラムを作成するぶんには関係がないと思われるかもしれません。しかし実際には、プログラムの大小にかかわらず「オブジェクト指向らしくない」プログラムを「オブジェクト指向らしい」ものへと、小さなところから改善するためのさまざまな経験則全体がリファクタリングです。本が長いので時間不足な人は第1章「リファクタリング-最初の例」だけでも熟読してください。一見したところ何の問題もなさそうな(ただしC言語と同じく手続型の形式で書かれた)サンプルプログラムがだんだんとリファクタリングされて、「オブジェクト指向らしい」プログラムへと姿を変える様子がつぶさに観察できます。これは「オブジェクト指向とは?」という疑問を抱いている人にとっても、その疑問をある程度解消してくれるものかもしれません。なお、第1章の中で登場した各種リファクタリング技術の詳しい解説は第3章以降にサンプルコード付きで記載されています。
プログラミングのときにこれらを辞書的に使って自分のプログラミング技能を磨いてください。

【紹介者】田近 一郎

ヴェニスの商人の資本論

経済学に関するエッセイ、論文集です。経済学に関する専門的な知識は必要ありませんが、読みこなすにはそれなりに忍耐と集中力が求められます。

本のタイトルにもなっているエッセイは、もちろんシェイクスピアの有名な戯曲を経済学の観点から考察を試みたもので、戯曲の解釈には肯首しがたいところがあるものの、それなりに面白く読めます。2つの世界の差異が利益を生み出すという筆者の主張はブランドについて考えるうえで参考となるでしょう。

【紹介者】栗林 芳彦