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図書情報センター

2015年教員おすすめ本

健康栄養学科 フードビジネス学科 情報メディア学科

2015年に教員が学生に読んで欲しい本として紹介した本です。

健康栄養学科スタッフがおすすめする本

アラマタ事典シリーズ

アラマタ大事典
アラマタ人物伝
アラマタ生物事典

いろんなことを知っていると、人生が豊かになり、いろんな人と会話が弾む。荒俣宏氏は博物学者を標榜し、その知識の集大成として、映画「妖怪大戦争」や著書「帝都物語」など、面白い作品を数多く輩出している。この知識の源を、洗いざらい出している本3冊。これを読めば、興味のなかった分野にも興味がわくはず。また、それぞれの分野にいる学生が、新たな知見得て、さらなる一歩を踏み出すのに大きく役に立つと思います。多少、荒俣宏氏の私見の様な記述も見受けられるが、それもまた一興。物事の見方の幅が広がると思います。その辺にある事典やまとめより面白い本ですので、是非一読を。君も、博物学者になってみないか?

【紹介者】滝川 和郎

ホスピめしシリーズ

ホスピめし
ホスピ・めし2nd season

日本初!管理栄養士が主人公の漫画です。主人公の小西麦子は病院で働く管理栄養士で、入院患者の栄養チェックや外来患者の食事指導など、日々、奮闘しています。うまくいくことばかりではないけれど、患者に一所懸命むきあい、それぞれの事情を考慮して、実践できる食事療法(みんなのごはん)を考えていきます。この本を読むと、管理栄養士は「食」を通じて人と深くかかわる職業だな、と改めて思いますよ!これまでになかった医療系の漫画です。

【紹介者】後藤 千穂

フードビジネス学科スタッフがおすすめする本

英国一家、日本を食べる

どちらの本も、外国人の一家がしばらく日本に滞在し、その間に食べたものについてレポートしている英語本が翻訳されたものです。特に「英国人一家」の方は、第二弾も出版されていたり、日本でコミック化、アニメ化もされている人気の本です。

【紹介者】成田 裕一

米国人一家、おいしい東京を食べ尽くす

本来は、外国の人達が「今話題の和食ってこういうものなんだ〜」って読むための本だったのでしょうが、我々日本人が読んでも新たな発見がいっぱいなのです。何よりも、著者達が色々な場面で日本の食や文化を賞賛してくれているので、日本人として自分たちに誇りを感じながら読めるのが良いですよ。

【紹介者】成田 裕一

鮭鱸鱈鮪食べる魚の未来 : 最後に残った天然食料資源と養殖漁業への提言

最後に残された天然食料資源である魚は、長きにわたる人類の猟食により危機にさらされているが、一方で養殖による食料資源確保も試みられている。しかしその養殖も産業魚として価値のあるものに限られ、海の生態系を守るものとは言い難い。本書は、著者グリーンバーグが持続可能な魚資源の考え方を、世界の漁場を旅して探っている。自然と人間の関係、”食”に投影される生き方を問う内容は一読に値する。

【紹介者】石川 豊美

有機野菜はウソをつく

「有機農産物」というと、とてもいいものというイメージがある。しかし有機栽培によらずに、栄養的にもよく安全でおいしい農産物を作っている人たちも多い。筆者齋藤訓之は、農業ジャーナリストの経験を活かして、日本各地のフィールドワークを通じ、「有機」の一言でいいものだと信じる「有機信仰」の頭を冷やしてくれる。刺激的な題名とは裏腹に、実に丁寧にかつ詳細に様々な事例を挙げて解説している。

【紹介者】石川 豊美

盛りつけの発想と組み立て―デザインから考えるお皿の中の視覚効果

この本は抽象画の創始者のひとりとされるカンディンスキーが提唱した色彩と形態の効果をベースにして、盛り付けのデザインが人にどのように訴えかけるのかを学ぶことができます。様々な例や図、写真を用いてわかりやすく解説してくれています。この本をきっかけに、料理の盛り付けをもっと楽しんでください。

【紹介者】谷口 泉

フルーツ・カッティングの技法書

この本に掲載されているほとんどのフルーツアートの制作時間は10分という短時間のものばかりです。タイの伝統芸術であるフルーツカービングまで本格的なものを望んでいなく、おもてなしの料理の際に少し、おしゃれなフルーツを添えたい場合には、ぴったりなデザインばかりです。フルーツカッティングを初めて挑戦する方にはおすすめの一冊です。

【紹介者】谷口 泉

食道楽

2005年の食育基本法施行から10年、食育という言葉もすっかり有名になりました。その語源をたどると、明治時代の2冊の書物にさかのぼることができます。『食道楽』はそのうちの1冊。当時の日本の食生活について知りたい方におすすめです。

【紹介者】中村 麻理

2級フードコーディネーター教本

フードビジネス学科はフードコーディネーター資格の養成認定校になっており、卒業時に3級を取得することができます。本書はその上位資格である2級試験対応テキストです。学生時代に2級対策を済ませ、早期の上位資格取得を目指しましょう。

【紹介者】中村 麻理

「ポッキー」はなぜフランス人に愛されるのか?

お菓子の職人技を持つ人は、我が国も含めて世界のどこの国でもいる。その技で作られたお菓子は、誰が見ても美しく、そして美味しいものである。しかし、スーパーマーケットに並ぶような大量生産のお菓子は、日本の製品が秀逸である。実際に海外で販売されており、その評価は高い。お菓子は小さい製品であり単価が安いが、我が国のお菓子産業は重要な海外進出産業一つになるだけの将来性も持っている。

【紹介者】関川 靖

流通大変動: 現場から見えてくる日本経済

流通業界では、チャネルリーダーの争奪戦が激しい。セブンイレブンやユニクロが多様な取り組みにより消費者を引き付けている。この著書は、具体的な例を示しながら、流通業界の変化を分かりやすく説明している。

【紹介者】関川 靖

美と暮らし―ギャルリ百草

多治見市にある「ギャルリ百草」の11年間を振り返った本です。友人から紹介された日本民家を活かすために住居兼ギャラリーをつくった筆者たちの思いを読み、そこで紹介されるものを眺めてみませんか?住むことや着ること、食べることをゆっくり考えてみるきっかけになるかもしれません。

【紹介者】田中 明子

英語で伝える和食―EAT AND SPEAK WASHOKU

海外でも人気の和食のことを本場・日本の大学で学ぶみなさんも英語で説明してみませんか?材料や作り方を英語で説明することはもちろん、味や香りや食感を伝えることができたらうれしいですよね。この本を参考にして、ぜひ、和食を英語で発信してみましょう。

【紹介者】田中 明子

マクドナルド失敗の本質―賞味期限切れのビジネスモデル

外食産業のトップ企業として繁栄してきたマクドナルドが2014年夏の使用期限切れ鶏肉使用問題で大きく評判を落としています。業績において実はそれ以前より大きく落ち込んでいました。マクドナルドの誕生から今に至るビジネスモデルの変遷までが理解できる本著です。経営戦略から商品開発まで多岐にわたる内容を網羅しています。

【紹介者】蔵冨 幹

クール・ジャパン!?―外国人が見たニッポン

クール・ジャパンとは外国人からみて「かっこいい・優れている・素敵だ」という日本の文化のことです。外国から見ると日本人としてあたりまえのモノ・コトが高い評価を得ています。食に関する内容も多く、「駅弁・回転すし・ラーメン・おにぎり」等、皆クールです。どのページから読んでも楽しめます。 NHKのBS放送の人気番組「cool japan」の内容です。

【紹介者】蔵冨 幹

情報メディア学科スタッフがおすすめする本

楽典の本

音楽制作をするにあたり、楽譜が読めることは必要でしょうか?とりあえず曲を作ることが目的であれば、必ずしも楽譜が読めることは必要ではありません。しかし、より深く音楽を知りたいと思ったとき、いろいろな音楽に触れたいと思ったときなど、楽譜は音楽について知るための効率的なメディアです。楽譜が理解できるようになると、楽曲制作についてもより確実な知識を得ることができるでしょう。
楽典について書かれた本は昔からありましたが、概して取っつきにくく難解な記述のものが主流でした。しかし、最近は初心者のためにわかりやすく説明された本もちらほらと出てきました。今回は、その中の2冊を紹介します。
どちらの本も、一つのまとまりが1ページ~2ページと短くなっていて、本を読むのが苦手な人でも読みやすくなっています。2冊のうちでは2.の「絶対! わかる 楽典100のコツ」の方が、より初心者向けとなっていて、音楽を学ぶときの難しさを極力感じさせないように、それぞれの項目の中身も大変コンパクトになっています。音楽的な素養が全くない人なら、この本がいいかもしれません。一方1.の「よくわかる楽典」の方は、見開きごとにコンパクトにまとめられているのは同じですが、内容はもう少し教科書に近くなっています。真剣に楽譜の知識を身につけたい人、あるいは、辞書的に使いたいときなどはこの本の方がいいかと思います。
いずれの本も初心者向けにやさしく書かれていますが、著者の特徴として、「よくわかる楽典」は基本的にクラシックの作曲家が書いているのに対して、「絶対! わかる 楽典100のコツ」は、芸大出身ながらもバンド活動の経験があったりDTMマガジンに参加するなどの経歴がある著者となっています。
自分の好みの一冊で、楽譜とじっくり向き合ってみませんか?

【紹介者】吉田 友敬

最近は、PAという音響の仕事について書かれた本が何冊か出版されています。音響に興味のある若者も多いようですが、まずどの本を手に取ったらいいのか迷うところです。それぞれの本に特徴がありますが、今回は、その中でも特に初心者に向いているものを紹介します。音響・PAについて学ぼうというとき、読者の経験の有無が大きく影響します。基本的にケーブルの種類や端子の名称、機材の名称などを、キチンとは理解できていなくても何となく知っているかどうかということです。この本は、まず、端子やケーブルの名前から解説していますので、そうしたごく基本的な知識から確実に身につけることができると思います。専門的なテクニックは知っていても案外基本的なことをよくわかっていない、というのは多少経験のある人によくあることです。まずは、基本から押さえることの大切さをわかるべきでしょう。また、PAについて書かれた本のもう一つの特徴が、仕事の現場での心構えの大切さについて触れられていることです。本書も、随所にどんなことに気をつけて仕事をすればいいか、よくある間違いを例に挙げながら書かれていますので、参考にできるでしょう。本書のレベルで物足りなくなったときに、さらに高度な解説書に向かうといいと思います。

【紹介者】吉田 友敬

池上彰に聞くどうなってるの?ニッポンの新聞

近年、若者の新聞離れが指摘されていますが、その原因としてインターネットの普及があげられます。確かに速報性や簡単にアクセスできる点では新聞はネットにはかないません。しかし、新聞には世の中で起こったことをそのまま伝えるだけでなく、その事件の背後にある社会の動きを解説してくれたり、その動きをどう解釈すべきかという指針を提供してくれたりします。この本はそんな新聞の優れた点や、また、解決すべき課題などを筆者独特の柔らかい語り口で解説しています。

【紹介者】栗林 芳彦

多数決を疑う―社会的選択理論とは何か

民主主義の社会において多数決はもっとも普通に用いられている評決の方法であり、我々はその妥当性についてあまり疑問に感じたりはしません。しかし、状況によっては投票者全体の意向とは異なった結果を導き出すことがあります。本書はそんな多数決の問題点とその代替となるべき手法についてわかりやすく解説するとともに、本当に民主的な合意形成とはどうあるべきかについて示唆を与えてくれます。

【紹介者】栗林 芳彦

Processing―ビジュアルデザイナーとアーティストのためのプログラミング入門

Processing というプログラミング言語を知っていますか? 芸術的な作品を作ったり、データを視覚化するのが得意な言語です。Windows や Mac などのパソコン上で単独で使うこともできますが、外部センサーと接続してインタラクティブな作品も作れます。この本は Processing の開発者が書いた解説本で、今年9月に日本語訳が出たばかりです。プログラムのコードについての説明があるのですが、そのコードによってどのような描画ができるのかが示されており、まるでお料理のレシピ本を読んでいるように感じるところもあります。でも1つ1つの素材を描画するだけではアートにはなりませんよね。この本には併せてアーティストのインタビューが載せられています。
具体的にどんなツールを使ったのか、なぜその作品を作ったかなど。
 プログラミングについて勉強してきたのに、これで何を作れるのだろうか?自分は何を作りたいのだろうか?と迷って先に進めないのであればそれは残念なことです。分厚 く重い本ですが、これからインスピレーションが得られるのであれば、いつも手元に 置いておきたいお気に入りになるかもしれませんよ。

【紹介者】本多 一彦

あなたの知らない超絶技巧プログラミングの世界

“超絶技巧プログラミングとは、「実用的なプログラミング言語を使って全く実用的でないものを作る遊び」”本書は、Webサービス開発言語として世界中で人気の日本発のプログラミング言語Rubyの全く実用的でない応用例を多数示したものである。その核となるのは、自身のソースコード自体を表示するQuineという自己生成プログラムある。プログラム経験者は、Quinenのコードを少し考えてみて欲しい。すると、プログラムを表示する為のプログラムを書き、その表示するプログラムを表示するプログラムを書き・・・と、合わせ鏡の様に無限のコードが必要になるのではと疑問に思うだろう。しかし、プログラム言語の機能に精通した者であればQuineは有限のコードで実現できるのだ。その様な魔術めいた曲芸的なプログラミングの世界を本書では堪能できる。例えば、一見ただの3Dモデルデータがそれを3Dプリンタで印刷するとプログラムコードが彫刻された造形となり、そのプログラムを実行すると元の3Dモデルデータが出力される、といったものがある。”一体何を言ってるんだと思うだろうが聞いて欲しい”の心もちである。ピアノに超絶技巧練習曲という曲がある。高度な技巧を駆使してようやく辿り着く表現の世界があるのだろう。プログラミングにもその様な創造性があることを本書で感じていただきたい。

【紹介者】小橋 一秀

ゲームを動かす数学・物理

「因数分解が何の役にたつんだよ」本書ではゲームでおなじみのランダム(乱数)についての章で素因数分解が登場します。”とにかく必要十分”と帯にあるように、整数・小数・演算・2次元・角度・時間・運動・3次元・マトリクス(行列)・衝突・乱数と各章で、ゲームプログラミングに必要な基本的な数学と物理について高校レベルで解説があります。プログラムはC言語で解説されており、なじみのある方も多いでしょう。ゲームプログラミングに興味がある方で高校の頃に勉強したことを忘れてしまっている方にお勧めの本です。

【紹介者】小橋 一秀

その数式、プログラムできますか?―数式は如何にしてプログラムに翻訳されるのか

本書には、きっと物凄く難しい数式が出てきて理解できないだろう、と思われるかもしれない。しかし、まず最初に登場するのは、掛け算のプログラムである。掛け算を効率よく計算する方法、つまり掛け算のアルゴリズムについて最初に扱われている。小学校の算数で筆算を習ったおかげで我々は古代の人々よりもはるかに高い計算能力を持っている。その様な基本的な計算方法を究極まで効率化することで、コンピュータのCPUの演算回路のアルゴリズムに到達するのだ。本書は、エジプト乗法といった古代の数学を起点に、整数・素数の性質、合同算術、フェルマーの小定理、オイラーの定理と、数学史を辿りながら進んでいく。さらに、群・環・体などの代数構造とプログラム言語C++やJavaなどで持ちられるジェネリックプログラミング(総称プログラミング)のコンセプトが同じであり、数学的アイディアに裏打ちされたものであると知らされる。最終的には公開鍵暗号という現在主流の重要技術に必要な何百桁にも及ぶ数の計算を効率よく行う仕組みへと到達する。公開鍵暗号に興味のある方にもお勧めの書籍である。

【紹介者】小橋 一秀

ビジネス活用事例で学ぶデータサイエンス入門

統計関連の講義を受けていて、勉強した分析方法をどの場面で使えばいいのだろうかとか具体的な使い方はどうなっているのだろうと疑問に思うことはありませんか。今回紹介する本は、これらの疑問に的確に答えてくれます。著者はゲーム制作会社でデータ分析の業務をおこなってきており、データサイエンスの分野に精通しています。本の中では、業務で実際に出会うであろう8つのケース:例えば、初歩的だが意外と使い甲斐のあるヒストグラムによる分析から最新の機械学習による分析まで、問題を把握することに始まり適切なデータ分析手法を採用し、解決策を見出すまでの思考プロセスそのものが詳しく説得力をもってまとめられています。自分でデータ分析をやってみたいと言う人はぜひこの本を活用してください。いろいろなヒントが得られると思います。なお、この本で使われている統計用プログラミング言語Rは学校演習室のPCにインストール済みです。このような話がテーマごとに読み切り形式で書かれていますので興味のある章/必要な章から読んでみてはいかがでしょうか。

【紹介者】田近 一郎

コーディングを支える技術―成り立ちから学ぶプログラミング作法

プログラミングをするとき、取りあえずソースコードを教科書通りに入力したという経験はプログラムを作ったことのある人なら誰でもあると思います。この本を読めば無味乾燥になりがちなプログラミングの作業が楽しいものに変わるかもしれません。この本では、プログラミング言語が今ある姿になったのは、プログラムを作る作業ができるだけ楽になるようにと先人たちが工夫を重ねてきた結果であることを各種のプログラミング言語で記述されたソースコードの例や図解を通してわかりやすく解説しています。例えば、「あるのが当たり前」のif文やfor文、変数も初期のプログラミング言語では存在しなかった(ので発明された)話、最近のプログラミング言語では必ず組み込まれているオブジェクト指向がSmalltalk系のオブジェクト指向とC++系のオブジェクト指向という互いに正反対の考え方に基づく2系統のオブジェクト指向に由来する話など、目から鱗の話がつまっています。このような話がテーマごとに読み切り形式で書かれていますので興味のある章/必要な章から読んでみてはいかがでしょうか。

【紹介者】田近 一郎