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図書情報センター

2014年教員おすすめ本

健康栄養学科 フードビジネス学科 情報メディア学科

2014年に教員が学生に読んで欲しい本として紹介した本です。

健康栄養学科スタッフがおすすめする本

乳酸菌とビフィズス菌のサイエンス

乳酸菌とビフィズス菌について、分類から、生理、遺伝子、食品加工、プロバイオティクス機能、実験技術まで最新の情報が掲載されており、乳酸菌研究の総合的専門書として利用できる。和文書では最善のものと考えられます。

【紹介者】加藤 丈雄

からだにおいしい野菜の便利帳

野菜、果物、きのこ、香草など100種類以上の食品について、多くの写真と共に紹介されています。野菜の産地、旬、栄養、効能、選び方、おいしく保つコツ、食べるコツなど、豊富な情報が1冊に凝縮されています。本書以外に、魚の便利帳、フルーツの便利帳、調味料の便利帳などシリーズ化されており、すべて集めたくなるようなワクワクする本です。

【紹介者】北川 絵里奈

ホスピ+めしみんなのごはん

主人公は病院の管理栄養士(新人)です。色々な患者さんに栄養ケアを行っていきます。フィクションなので全てが正しくこの通りに行っているとは言えませんが、病院栄養士の仕事についてまだあまりイメージできていない人は一度読んでみてはいかがでしょう。

【紹介者】髙橋 圭

脳のなかの天使

コンピューター時代の人間学です。著者はインド生まれの神経精神病理学者で、脳の神経連絡の不具合によってどのようにヒトの心が変化するのか驚くべき症例を最新の科学的成果を使ってわかりやすく書いてあります。「共感覚(文字に色を感じたり、音に色を感じたり、形に味を感じたりする現象)」、や「盲視(見えてないはずなのに無意識に見えているという現象)」のしくみの話など何回読み直しても興味がつきません。
著者は後半で言語、芸術、自意識がどのように発生したかという大きな問題をわかりやすく大胆に、科学的なデータに基づいて推論しています。この本からコンピューターの故障を調べるように、遺伝子変異や事故によるヒトの中枢神経系の「故障」を調べることが、人間の研究をおおきく進展させ、人間の理解に新たな地平を開きつつあることを感じました。脳の解剖学用語が沢山でてきますが、読飛ばしても著者の意図は十分伝わってきます。

【紹介者】佐藤 浩

中医営養学

日頃勉強している近代栄養学から時には視点を変えて東洋の食物学をのぞいてみませんか。いろいろなところで薬膳料理が取り上げられていますが、本来きちんとした理論があります。日常食品や薬用植物の効用を知ることで、いろいろな症状への応用力を養うことができるようになります。薬膳の入門書としておすすめです。

【紹介者】石川 豊美

図解からだのしくみ大全

健康に気を使っている人も、そうでない人も、いざ病気になったとき、どれくらいの人がからだについて理解した上で病気と闘っているのか。そもそも、からだのどこに何があって、どんな仕事をしているのか?本書では、からだのしくみをイラストを交えて簡単に解説し、また、検査数値や体調等からどこに異変の秘密があるのかを解りやすく示してある。本書をひも解くことで、自分のからだの秘密に少しでも興味を持ってもらいたい。

【紹介者】滝川 和郎

古武術で毎日がラクラク! : 疲れない、ケガしない「体の使い方」

日頃の運動不足が顕著になってきている現代社会。それでも、からだを酷使しなければならないときはやってくる。若さにものをいわせて力仕事ができるうちは良いが、歳を重ねてくるとそうもいかなくなってくる。実は、からだの動かし方の中に、力の意識の持って行き方だけで楽に動かせるポイントがある。日本の古武術の中にはそんな工夫が多く存在する。是非、身につけてからだを壊さない、長持ちさせる方法を知ってもらいたい。

【紹介者】滝川 和郎

よくわかる最新からだの基本としくみ

最近、医学の断片的なマスコミ情報が世の中に氾濫しています。管理栄養士として学ぶ本学の学生にとって、先ず人間の体に関する基礎知識を持ち、きちんと整理しながら理解をすることが重要です。そのために本書は人体のメカニズムを図解し、脳や神経、臓器や骨格など体の働きとしかけがわかりやすく親しみやすく書かれています。

【紹介者】辻 とみ子

びっくり!! トリックアート

ヒトは外界からの情報の7割から8割を視覚として得ています。立体的(3D)な外界の様子を、網膜上に平面図(2D)として焼き付け、それをまた脳で立体図(3D)に再構築しています。この高度に発達した視覚では、網膜上の2D画像から立体画像3Dに変換するときに種々の変な現象(錯視)が生じます。今回紹介する3冊の本は、色々な錯視について解りやすく、興味深く紹介しています。

【紹介者】平林 義章

フードビジネス学科スタッフがおすすめする本

おいしさの科学シリーズvol.4 だしと日本人

シリーズものの最新号。写真がたくさん使われていて、カラフルな雑誌のような本ですが、読んでみると中身はちゃんと科学的に説明されています。いろいろな食品の「うま味」について様々な角度からの話題が載っていて、楽しめます。

【紹介者】成田 裕一

実況 料理生物学

大阪大学で実際に行われていた食品の加工について科学的に勉強する授業の内容を収録したものです。「授業」といっても、「実況」というだけあって面白おかしく会話形式で進んでいくので、メチャメチャ読みやすいです。こんな授業ができれば、皆ももっと興味を持って聞いてくれるかなぁなんて思ったりしつつ。。。

【紹介者】成田 裕一

誤解だらけの「食の安全」

食品の世界には様々な誤解を生むパターンがある。「無農薬だから安全です」「有機栽培だから安全」といったものから、「食品添加物は危ない」など、風評被害を引き起こす内容は多く、これらは「優良誤認」といわれている。氾濫する間違った情報に惑わされることなく、安全に食べるための考え方を分かりやすく解説されている書籍である。

【紹介者】蔵冨 幹

スターバックスCEOだった私が伝えたいこれからの経営に必要な41のこと

著者はアトラス、ザ・ボディショップ、スターバックスコーヒージャパンの社長業を10年間にわたり努めてきた人物である。それぞれ文化の異なる企業で体験した経営の本質、原理原則を、この書籍は41項目にシンプルにまとめた内容である。各項目は短いセンテンスではじまり、例えば、「どうすれば、従業員はやる 気になるのか?」などすべてのビジネスに参考になる内容が満載である。

【紹介者】蔵冨 幹

脳科学がビジネスを変える――ニューロイノベーションへの挑戦

この本の冒頭に、「これからは、顧客の脳を喜ばす企業、社員が脳を最大限に生かす企業が成功する」と言う一文が書かれている。この本を全部読んで再度この文を見ると、まさにこの一つの文で、この本の目的が端的に現わされていることに実感する。この本では、消費者の意思決定から経営の仕組みまでの理論を脳科学で判り易く説明し、さらに販売戦略などの実践への応用可能性を示している。実社会における即戦力として羨望の目が向けられる学生になるためには、重要な本である。

【紹介者】関川 靖

図解 よくわかる行動経済学――「不合理行動」とのつきあい方

行動経済学に関する著書は、書店で多くみられる。ただし、行動経済学と言っても大きな書店の専門書のコーナーでは、非常に高度の内容の本が並んでいるし、一 方一般書の棚には非常に簡潔に書かれた本が連なっている。学部学生には、後者の本では物足りなさを感じるが、前者の本では難しすぎる。しかしこの著書は、少し前者寄りだが、重要な理論はおおよそ網羅されしかもわかり易く説明されている。さらに、最近議論されている「幸福の経済学」まで収録されており、ビジ ネス系の学部学生には必読の著書である。

【紹介者】関川 靖

世界一美しい食べ方のマナー

一緒に食事している人に不快感をあたえず、自分自身もたのしく食事するために、知っておくべき食事のマナー。この本には様々な料理別の食べ方のマナーが、か わいいイラストで紹介されているので、とてもわかりやすく読みやすいです。きっと、この本を読み終えた後、もっと食事が楽しくなるはずです。

【紹介者】谷口 泉

わたしの料理教室のはじめかた。人気教室に学ぶ自宅でひらく料理教室

料理ができるようになると、きっと人に作ってあげたくなったり、教えてあげたい気持ちになるはず。この本は、生徒さんの集め方、運営、1日のスケジュールといった細かな部分まで、自宅での料理教室の作り方がたくさんの写真とともにわかりやすく紹介されています。どの教室も人気がある教室なので参考になるものばかりです。是非、この本を参考に、将来あなたの料理をたくさんの人に教えてあげて下さい。

【紹介者】谷口 泉

日本料理の歴史

「和食;日本人の伝統的な食文化」のユネスコ無形文化遺産登録が決定した。ユネスコに申請書を提出するにあたって、農林水産省は有識者を集めて「日本食文化の世界無形遺産登録に向けた検討会」を開催。『日本料理の歴史』の著者である熊倉功夫氏はこの検討会で会長を務めた人物。本書では日本料理の誕生と成立、京料理についてわかりやすく解説している。グローバル化する食品業界での活躍を目指す学生にぜひ読んでもらいたい1冊。

【紹介者】中村 麻理

和食と食育

2013年12月に和食のユネスコ無形文化遺産登録が決定した。本書は「和食とは何か」「和食を次世代に伝える食育とは何か」を解説することを意図して著わされた ものである。Ⅰ編では和食の歴史、栄養面の特質、日本人の味覚・嗜好、地域性などが概説されている。Ⅱ編では食育の視点から和食にアプローチし、Ⅲ編では具体的な和食に関する食育の事例を扱っている。ユネスコ無形文化遺産としての和食を知るための入門書として最適である。

【紹介者】中村 麻理

においと味わいの不思議「知ればもっとワインがおいしくなる」

何げなく感じている食べ物のにおいや味わい。いざそれを言葉にして誰かに伝えようとすると案外難しいと思います。においの重要性やおいしさとの関係をまとめてある1冊です。少し難しい内容ですが、後半の付録には様々な香りの用語説明もあり、においや味わいの表現力を広げるにはいい勉強になります。

【紹介者】宮島 彩

いつもの料理がもっとおいしくなる!「うま味」パワーの活用便利帳

今、世界の一流シェフ達がおいしい料理を作るために「UMAMI」(うま味)に注目しています。「うま味」とは、昆布だしやかつおだしの味で、代表的なうま味成分として「グルタミン酸」「イノシン酸」「グアニル酸」があります。このうま味成分は昆布やかつお節に限らず様々な食品に含まれており、組み合わせ次第でおいしさがグンとアップします。この本では、うま味倍増の組み合わせを使ったレシピをたくさん紹介しています。

【紹介者】宮島 彩

空白の桶狭間

圧倒的な軍勢を誇った今川義元が、何故桶狭間で織田信長の少数軍の奇襲に敗れたのかを大胆に推理する歴史ミステリー。藤吉郎が、死を覚悟して信長にある策略を進言する。敵の力量と情報を読み、一気呵成に作戦を実行することで、勝機をつかむ。相手の弱点と自分の強みを生かし、固定観念にとらわれずに実行することが成功への鍵であった。馴染みの地名が出てくる地元の歴史を知る上でも興味深い。

【紹介者】清水 俊雄

クライマーズハイ

1985年8月12日に乗員乗客524名を乗せた日航機123便が墜落した。全権デスクに任命された地元新聞社の記者が、中央紙とのスクープ合戦に巻き込まれる組織の軋轢のなかで、社会人として、人間として、友の死と重ね合わせて、命の重さを噛みしめ、言論人としての使命感に目覚めて行く。己に与えられた仕事を誠実に実行しようとする主人公の生き方を通じて、新聞の使命とは何か、企業とは何か、命とは、そして友とは何かを考えさせられる。

【紹介者】清水 俊雄

100円のコーラを1000円で売る方法

本書は、「マーティングがわかる10の物語」という副題にあるように、ある企業の新人商品プランナーの女性社員の悪戦苦闘のストーリーを通じて、いわゆる 「物の売り方」に関するマーケティング概念を学べる内容になっている。戦後、日本の企業は、「良い品をより安く」という極めて勤勉な態度で「物」を売ろうとしてきた。さらに近年は、顧客ニーズや満足度といった買う側の論理をひたすら商品やサービスに反映することで逆に「顧客ニーズ」に振り回され、結果、低収益による組織存亡の危機に立たされている。本書は、こうした産業問わず、現在の多くの日本の企業が抱えている深刻な問題に対する一つの解答を示しているようにも思われる。真の顧客満足とは何かといった内容が10のストーリーとして展開されている。

【紹介者】須藤 裕之

弱者の戦略

「種の起源」に表わされる「ダーウィニズム」とは、生物(動物・植物・場合によっては細菌・ウィルス?までも)が環境の変化や他者との競争に対して、いかに自らを進化(変化)させることでその生存を獲得してきたという「適者生存」ということに尽きるのかもしれない。しかしそれは必ずしも、今一つの自然の法則である「弱肉強食」とはイコールではない。詳細は是非、本書を読んで頂きたいが、要は「生き残る」ための戦略には、誰よりも強くなる事だけではなく、「ずらす」という戦略があるというのだ。あえて寒い時期に花を咲かせる植物や夜間活動する小動物など強くなくても生き残れるいわば「ずらす」ことによる「生き残り」戦略というものがあるということを本書は教えてくれる。

【紹介者】須藤 裕之

奇蹟のカフェ 沖縄「浜辺の茶屋」物語

沖縄・玉城の岬にある「浜辺の茶屋」の物語である。1994年にオープンした当初は、「こんな田舎に客は来ない」とオーナー夫妻は周囲から変人扱いされた。しかし、自分たちがつくる「空間」に「共感」してくれる人はきっといると信念があった。宮本亜門氏ら「浜茶」をめぐる人々との交流など、12年間を綴るノンフィクションである。沖縄旅行を考えている人、田舎で個人経営のカフェ開業を考える人には最適の図書である。

【紹介者】吉田 洋

サイゼリヤ革命–世界中どこにもない”本物”のレストランチェーン誕生秘話

チェーンストアとはイデオロギーそのものである。だが、挫折には大きく原因が二つあり一つは技術的挫折、もう一つは社会貢献から本音が金儲けに変わってしまうことである。サイゼリヤは改善の継続が経営であることがわかっている会社である。本書ではサイゼリヤの安さや味と品質、経営管理の本質に迫る「原理原則」、経営理念や哲学の詰まった「科学する脳」、創業者の魅力と成長の軌跡を語る「飛躍へのステップ」の3部構成になっている。経営哲学、経営理念、経営管理について学びたい人、将来外食産業に就職したい人には最適の図書である。

【紹介者】吉田 洋

「誰のため」が、「自分のため」につながる

後期のフードサービス特別講座に来て頂く予定の壱番屋の役員秘書の方が、秘書生活から得た気配りとはどのようなものかを丁寧に解説しています。

【紹介者】山本 和子

数え方でみがく日本語

日本語ではものの数え方にたくさんの言い回しがあります。これを知ることで言葉の面白さに気づき、美しい日本語の使い手になることは社会人としての自分磨きに役立ちます。

【紹介者】山本 和子

美味いビールは三度注ぎ!

ビールは家庭でも手軽に飲むことができるお酒と思われていますが、実は、お店で飲むときと家で飲むときの味がこれほど違うお酒もありません。飲食店でのアルバイトがきっかけでビール会社に入社し、ビール検定の顧問となった端田晶氏による本書には、家庭でビールを楽しむとき、そしてお店で瓶ビールを注文したときに、美味しい状態で味わうことのできる「技と話題」が詰まっています。この機会にビールについて学んでみませんか?

【紹介者】田中 明子

日本のビール 面白ヒストリー

みなさんは、ビールが江戸時代には日本に紹介されていたことを知っていますか?そして、幕末から明治にかけて、国産ビールを造ろうと奮闘した男たちのことを 読んだり聞いたりしたことがあるでしょうか?ビール検定の顧問でもある端田晶氏によるこの一冊は、検定受験用テキストとしてはもちろん、日本のビール文化を教えてくれる読み物としても最適です。ビールが飲めるようになった学生さんも、もうすぐ飲めるようになる学生さんも、ぜひ、手に取ってみてください。

【紹介者】田中 明子

情報メディア学科スタッフがおすすめする本

ヤバい統計学

統計学という学問が実社会でどのように用いられているかを面白く紹介したものです。
統計学そのものの知識がなくても十分楽しめます。これから統計学を勉強してみようと思っている人、すでに勉強したのだけれど、いまひとつよく理解できなかった人にお勧めです。

【紹介者】栗林 芳彦

ブラックスワンの経営学 通説をくつがえした世界最優秀ケーススタディ

「ブラックスワン」とは「ありえないこと」の象徴です。学術研究とはある意味、このブラックスワンを探求することですが、マネジメント研究においては、事例研究(ケーススタディ)というアプローチが有効であると筆者は主張します。本書は企業経営に関する事例研究の論文を紹介し、その有用性と面白さを教えてくれます。事例は理解しやすいものばかりで、経営学に関心のない人でも楽しんで読むことができます。

【紹介者】栗林 芳彦

フードトラップ 食品に仕掛けられた至福の罠

アメリカ食品業界の内幕を暴いたルポルタージュで、読み応え十分。アメリカでは肥満が増え、小学生でも糖尿病の発症例が増えていますが、その原因の一つが食品業界の新製品開発とマーケティングであると筆者は主張します。食の安全や製品開発、公衆衛生学、マーケティング、企業倫理などに興味を持っている人にお勧めです。

【紹介者】栗林 芳彦

おわらない音楽 私の履歴書

この本は、日本経済新聞の「私の履歴書」に連載された記事をまとめたもの で、世界的指揮者の小澤征爾氏が、自らの人生を振り返って綴った自伝的内容です。
若い頃、日本を飛び出してヨーロッパに向かったこと、日本で思うような活 動ができず、海外に希望の地を求めたこと、そして、ボストン交響楽団との出会 い、気鋭の楽団員を集めて作ったサイトウ・キネン・オーケストラ、ボストンか らウィーンへ、日本での活動などが語られます。マエストロがどんな気持ちで指 揮活動をしてきたのか、小澤氏自身の言葉で率直に語られています。

【紹介者】吉田 友敬

知の逆

現代のアメリカを代表する6人の知性に、日本の女性ジャーナリストのインタビュー記事を新書としてまとめたもの。6人の中でコンピュータ科学に限ると2名だが、そんな壁をはるかに超える感動を覚えるだろう。私はこの本を読んですぐ息子を含め知人3名に贈ったほどである。
この本を何度も繰り返して読むことにより、人類の未来がちょっとだけ想像できるようになってくるから不思議だ。すでにベストセラーだが、読んでない人にぜひ勧めたい。

【紹介者】森 博

世界でもっとも強力な9のアルゴリズム

この本でとりあげられているアルゴリズムは、並べ替えや探索といったプログラム・アルゴリズムとは一味違っている。だからこの本を読めばすぐにプログラムコードが書けるわけではない。さらに内容的にはちょっと難しいかもしれない。だから、好きなところから読み始め、気になった章だけ読んでみればよい。ハウツー本ではなく、たまにはこんな本をぼんやり読むのも重要である。9つのうち1つだけでもいいからなんとなく理解できるようになると、見えてくる風景が違ってくるかもしれない。

【紹介者】森 博

クラウドからAIへ

私が発足したての「人工知能学会」に入会した頃、「人工知能(AI)」という言葉は輝いていた。ところが日本の国家的プロジェクト「第5世代コンピュータ」が夢と散ったころから人工知能・AIという言葉はほとんど聞かれなくなった。ところがここにきて、当時のアプローチとは全く別のところからAIは不死鳥のごとく復活してきた。ビッグデータ解析、自動ブレーキを備えたぶつからない車、将棋のプロを凌駕するパソコンソフトなど身近なAIがあっというまに登場し、社会に大きな影響を与えだした。そして次のステージは一体なんだ?そこで人間ははたしてハッピーか不幸か。日本のICT企業はどうなるか。情報メディアにかかわるすべての人に考えてもらいたいテーマである。

【紹介者】森 博

NATURE OF CODE

今までゲームで利用するためのアルゴリズムや物理シミュレーションに関する本はいくつか出版されていますが、そうした実用を意識した既刊の本とは趣が違います。プログラムの理解に必要な基礎的内容がしっかり書かれている一方で、セルオートマトン、遺伝的アルゴリズム、ニューラルネットワークといった情報科学のトピックスも盛り込まれています。それではこの本は科学の本であるかというとそうではないのです。この本の序文で著者は、この本で得た知識をクリエイティブな活動に活かして欲しいと述べています。まさにそうした時代がやって来たのです。時代の先端を切り開きたいと思う人は一読をお勧めします。そして”これだ!”と思ったのであれば、分厚い本ですが徹底的に読み込んでプログラミングをしてみましょう。

【紹介者】本多 一彦

5才からはじめるすくすくプログラミング

このタイトルを見て、また中身を見てなんで幼児用の本が推薦かと思うかもしれません。全部ひらがなだし、塗り絵があったりして。でも実は非常に高度のことが書かれています。実際この本を基にメディアの先生方と議論した結果、奥が深い本だなあという結論になりました。オブジェクトがメッセージパッシングによって動作するSmalltalk流オブジェクト指向のエッセンスが詰まっています。本を読むだけでなく、ソフトをダウンロードし動かして楽しんでみてください。

【紹介者】本多 一彦

スクラッチではじめるプログラミング

「5才からはじめるすくすくプログラミング」ではやはり子供っぽいという人は是非この本をどうぞ。特に10章のスクラッチで学ぶコンピュータサイエンスではハーバード大学とカリフォルニア大学バークレー校でスクラッチもしくはスクラッチから派生した言語によるプログラミングの例が紹介されています。将来性があることが理解できると思います。これはやっぱり難しいと思った人はまずは「5才から...」を。目標があればひらがなだけでも問題ない(か?)

【紹介者】本多 一彦