健康栄養学科スタッフがおすすめする本
今日からできるムスリム対応 : 食のハラール入門
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現在の日本は2020年の東京オリンピック・パラリンピックをはじめ、大阪万博・アジア大会と国際的な行事が目白押しで、海外から多くのお客様を迎えることになります。日本には食の禁忌が少ないのですが、諸外国には様々な食の禁忌があります。「食べられるもの 食べられないもの」を理解したうえでどうおもてなしをしたらよいのかを考えてみませんか。
【紹介者】石川 豊美
世界一やさしい!栄養素図鑑
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栄養素の特徴を捉えたキャラクターを用い、栄養素が体の中でどのように働くのかわかりやすく紹介されています。また、本の所々にマーカーで線を引いたように色がつけられており、内容を理解するのにとても役立ちます。マンガと文章の両方で説明されているため、キャラクターとともに楽しく覚えることができると思います。
【紹介者】可児 美月
サラっとできる! フリー統計ソフトEZR(Easy R)でカンタン統計解析
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初めて統計を学ぼうと思う人に、いま、一番おすすめの本です。大学生が主人公のストーリー(一部、マンガ)になっていて、基本的な統計手法を学びながら、無料で使える統計ソフト「EZR」で楽しく演習できます。統計ソフト「R」は医学論文でも使われていますが、プログラミングが必要で、ハードルが高めなのが難点。そのRを使いやすくしたのが「EZR(Easy R)」です。「EZR」開発者(血液内科の医者)が執筆した本です。
【紹介者】後藤 千穂
学び始めに最適!!栄養学がわかる・つかえる ゆるっと事典
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難しいイメージのある「消化、吸収、代謝、三大栄養素、ビタミン、ミネラル、応用栄養学」の概要をマンガにしているので、内容を楽しく理解できます。また、ビタミンの効力や豊富に含まれる食材など細かな解説は会話形式になっているので読みやすいです。そして、復習テストもついているので本を読み切った後に内容を理解できたかを確認することが出来ます。国試の勉強にも活用できると思います。
【紹介者】沢田 真菜
栄養士・管理栄養士のためのなぜ?どうして? 1【基礎栄養学】
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新米栄養士と物知りトマトの楽しい会話を読むだけで、栄養学の基礎知識がどんどん身につく人気シリーズの本です!全部で6巻あります。1巻は「基礎栄養学」の内容で、糖質、脂質、たんぱく質、ビタミン、ミネラルについて解説されています。読みやすく理解が深まる内容なので、栄養学初心者の1年生から国家試験対策真っただ中の4年生までオススメできる本です!
【内容】
消化・吸収のしくみ / エネルギーと糖質の代謝/脂質の代謝1 / 脂質の代謝2 / たんぱく質の代謝 / 脂溶性ビタミン/水溶性ビタミン / 多量ミネラル / 微量ミネラル / エネルギーの必要量
【紹介者】中村 秀貴
栄養士・管理栄養士のためのなぜ?どうして? 2【人体の構造と機能/臨床栄養学①】
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2巻は「人体の構造と機能/臨床栄養学」の内容で、重要疾患について分かりやすく解説されています。NSTからがんの成り立ち、クローン病、肝硬変、COPDなどの重要事項が網羅されています!臨地実習で病院へ行く前などに本書でさらっと復習してみてはいかがでしょうか?
【内容】
病院での業務って? / 栄養管理とは/NST/栄養補給法/嚥下のしくみ / 悪性腫瘍(がん) / 胃がん切除と術後のケア / 炎症性腸疾患/肝臓のはたらきと肝炎 / 肝硬変/呼吸のしくみ/COPD
【紹介者】中村 秀貴
栄養士・管理栄養士のためのなぜ?どうして? 3【人体の構造と機能/臨床栄養学②】
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3巻は「人体の構造と機能/臨床栄養学」の内容で、管理栄養士にとって最重要といえる糖尿病と慢性腎臓病(CKD)について徹底解説されています!
【内容】
1型糖尿病 / 2型糖尿病の成り立ちと治療 / 2型糖尿病の悪化防止 / ホルモンのはたらきと甲状腺疾患 / 腎臓の構造と機能/ネフローゼ症候群 / 慢性腎臓病(CKD) / 透析療法 / 骨代謝とビタミン,ミネラル/感染症
【紹介者】中村 秀貴
栄養士・管理栄養士のためのなぜ?どうして? 4【人体の構造と機能/臨床栄養学③】
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4巻は「人体の構造と機能/臨床栄養学」の内容で、臨床現場・国試で頻出の高血圧や食物アレルギーを中心に、わかりやすく解説されています。
【内容】
心臓のはたらき / 虚血性心疾患 / 心不全/高血圧の概要と治療 / 血圧調整 / 副腎の生理と疾患 / 高尿酸血症と痛風 / 血液の役割/貧血 / 免疫の基礎 / 食物アレルギー/脳神経の概要と疾患
【紹介者】中村 秀貴
栄養士・管理栄養士のためのなぜ?どうして? 5【応用栄養学】
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5巻は「応用栄養学」の内容で、ライフステージ別栄養ケア・マネジメントやスポーツ栄養学についてわかりやすく解説されています。
【内容】
月経周期 / 更年期障害 / 神経性やせ症 / 妊娠期の生理 / 妊婦の栄養管理/新生児期~幼児期の生理と栄養 / 学童期・思春期の生理と栄養 / スポーツと栄養 / 肥満とメタボリックシンドローム / 生活習慣の改善と栄養ケア / 加齢と変化(総論) / 老年症候群 / 廃用症候群/骨粗鬆症
【紹介者】中村 秀貴
栄養士・管理栄養士のためのなぜ?どうして? 6【給食経営管理論】
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6巻は「給食経営管理論」に関する内容で、衛生管理や大量調理の特徴など、給食経営管理に関する内容について広く解説されています。国試対策はもちろん、給食施設での実習や就職後のことを想定して読んでみるのもオススメです。
【内容】
特定給食施設の定義と目的 / 衛生管理 / 食中毒 / 大量調理のポイントと生産管理 / 発注と在庫管理 / 栄養・食事管理と食事摂取基準 / 給食のシステムと組織・人事管理 / 会計・原価管理 / 品質管理とマーケティング / 学校給食 / 危機管理
【紹介者】中村 秀貴
英国一家、日本を食べる
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日本でコミック化、アニメ化もされている人気の本です。もともとは外国の人達が「今話題の和食ってこういうものなんだ〜」って読むための本なのかもしれませんが、我々日本人が読んでも新たな発見がいっぱいです。そして、著者達が色々な場面で日本の食や文化を褒めてくれるので、日本人として誇りを感じながら読めるのが良いですよ。
【紹介者】成田 裕一
解体新書
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前野良沢、杉田玄白によって発刊された、日本最初の西洋医学書(解剖図譜)です。論評によると復刻版に近い図譜とのことで、当時の医学者が解剖学にかける思いが伝わる良い本だと思います。
【紹介者】平林 義章
レビューブック管理栄養士:2022
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『レビューブック』は、国家試験の過去問の各問題、各選択肢の要点を国試の出題基準(ガイドライン)に沿ってまとめられています。また、単に要点だけを掲載するだけでなく、基礎から学べるように、基本事項や関連事項も併せて分かりやすく説明されています。
さらに、イラストが豊富に掲載されていたり、カバンに入れて通学中に少し勉強といった使い方もできたりするのでおススメです。
【紹介者】森本 理紗
フードビジネス学科スタッフがおすすめする本
2030年 すべてが「加速」する世界に備えよ
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最近、人工知能・AIなどの情報処理テクノロジーの目覚ましい進化が良く取りざたされているが、ARや拡張現実などもテクノロージーの進化がみられる。これら新技術が合わさり、しかも多様な産業や分野でも融合(コンティジェンス)して行くと、加速度的な変化をもたらしている。本著ではこのような変化が、「買い物」「広告」「エンターテイメント「食料」「医療」「金融」の未来にどのような影響を及ぼすか予測している。
【紹介者】関川 靖
2030年の「食と農」を考える―三菱総研の総合未来読本
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我国の食料自給率は約40%(カロリーベース)であり、先進諸国でも最低のクラスである。近い将来食糧危機が危惧されており、我が国の食料自給理の引き上げは喫緊の問題である。本著は、近未来の2030年に食料自給率65%を達成できる社会の構築を、農業大学・農業会社が担い手となれる農業、直販や規格外食品の観点から流通分野、サステイナブルな社会を目指す食品ロス問題、食と地球との関連としてのエコライフ、などの分野での改善取り組みの必要性と解決策を示している。
【紹介者】関川 靖
1本5000円のレンコンがバカ売れする理由
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レンコンは1本1000円ほどが標準的な価格であるが、それをレンコン農家に生まれ、民俗学者となった若者が1本5000円と超高級レンコンのブランディング化に成功したという話である。その根本の理由は戦後の農業を呪縛した生産性の向上モデルと決別したことであると筆者は述べる。マーケティングと民俗学の知識を応用した戦略で、そのレンコンは世界の主要都市のなどの高級和食屋で使われるだけでなく、注文を断るほどバカ売れした、と筆者は自慢している。学生の皆さんはマーケティングにおける価格戦略の一事例ととらえておけばいいだろう。
【紹介者】吉田 洋
浅草かっぱ橋商店街 リアル店舗の奇蹟
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大正元年創業、浅草かっぱ橋の超料理道具専門店「飯田屋」は調べ尽くして世界中から集めた逸品料理道具を販売している。飯田屋6代目の結太氏は飯田屋で実践していることを余すことなく紹介している。会社にはノルマがない、売上目標もない、営業方針は売るな、積極的に過剰在庫を目指す、定例会議は一切やめた、とうことで効率度外視の「売らない」経営が廃業寸前の老舗を人気店に変えたというのである。商売は自分が儲けるためにあるのではなく、お客さんに儲けていただくためにある。本書に書かれていることはきれいごとかもしれないが、真の商人道に徹し、奉仕の精神を貫くことが商売の基本であることをあらためて感じさせられた一冊であった。
【紹介者】吉田 洋
アルミホイル超楽レシピ
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調理器具としてのアルミホイルに徹底的にこだわった珍しい1冊です。書名に「楽」とあるのですが、けっして簡単料理の本というわけではなく、世界の料理をアルミホイル調理で楽しむことができます。調理器具にこだわったレシピ開発について学びたい方向け。
【紹介者】中村 麻理
フーディー:グルメフードスケープにおける民主主義と卓越化
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「フーディー」とは、食をライフスタイルの中心に位置づけ、自分のアイデンティティと結び付けて考えているような人を示す言葉です。
【紹介者】中村 麻理
フードサービス経営戦略論 繁盛店のしくみと作り方
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“独創的で新規性があり,模倣困難。”そんな繁盛店をつくるための「しくみ」づくりを本質的かつ実用的に解説した書籍。コロナ禍に負けないビジネスに役立てることができるだろう。
コロナ禍をチャンスと捉え,バネとして飛躍することが,これからのレストラン経営に求められる。そのコアとなる戦略は,コロナ禍を克服し”戦わずして勝つ”ことである。
コロナ禍により,レストラン経営にどのような影響が及ぶのだろうか。まず,IT(Information Technology)進化により産業構造の変化が速まる。ヒトとの接触を避けるためのDX(Digital Transformation)により,レストランの調理・接客が変革する。そして,ヒトに替わる機械やロボットによる自動化で,オペレーション効率が高まるだろう。ところが,自明の理であるこの自動化は,進みすぎるとホスピタリティが後ずさりすると考えられがちである。ここでは,付加価値を低下させないヒトによる間接的なコンタクトによる, “心のこもったおもてなし”を提供するDXが大切である。コロナ禍で苦戦を強いられているとはいえ,日本マクドナルドが,2020年12月期に創業以来の最高売上・最高益を更新する[1]など,大手チェーンの中には,このDXにより優位性を発揮しているレストランもある。
一方, IT進化により,今まで以上に体験価値に対価を支払うCX(Customer Experience)の時が訪れるであろう。「その土地ならではの食・食文化で,記憶に残る”食体験”を創り出す,食をテーマにした旅」[2]と共進する中小レストランには,独創的な差別化戦略により顧客の支持を得ている企業がある。顧客にとって,産直・新鮮・限定・厳選といった”この地域でしかなかなか採れないので食べられない,フレッシュで数に限りがあり,選りすぐりで地元のお墨付き”の食材は,フードツーリズムと共に人気がある。これらは,生産量が少なく希少価値である。調理とともに模倣困難性を確立することで,高付加価値を産み出すことができるといえよう。
このような, DXとCXの視点から”戦わずして勝つ”ことのできる”繁盛店のしくみと作り方”を述べている。
第1章では”繁盛店のしくみと作り方”の概略を述べ,続く第2章でレストランの役割,社会的機能,歴史的推移と近時動向等を概説する。第3章では繁盛店をつくる上で大切な商品開発について述べ,そのコアとなる独創性,新規性,模倣困難性の確立方法を詳しく解説。第4章では開発した商品を用いて,いかにして”戦わずして勝つか”という経営戦略の課題を取り上げている。
この課題解決となる,経営理念を第5章で,事業戦略と競争戦略を第6章で,機能別戦略を第7章で述べている。この具体的な”しくみ”を示すために,第8章で経営システムデザインを詳説。続く第9章では,このシステムで大切なホスピタリティとその”しくみ”について述べ,さらに第10章では,会計の視点から”繁盛店”とは何かを明らかにしている。
【紹介者】阿部川 勝義
〈公式〉ダウントン・アビー クッキングレシピ
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『ダウントン・アビー』はイギリスで2010年から2015年まで放送されていたテレビドラマです。数々の賞を受賞し、日本でも全6シーズンが放送されました。2019年の映画が翌年には日本でも公開されたことを覚えている学生さんも多いと思います。物語の舞台は1912年から1925年のイギリス。ヨークシャーにあるカントリー・ハウス「ダウントン・アビー」に住むグランサム伯爵クローリー家と使用人たちの生活が丁寧に描かれました。田園に調和した堂々たる豪邸で、美しく贅沢な調度品に囲まれて生きる登場人物たちの様子にうっとしとしたファンも多かったことでしょう。でも、何よりも視聴者の目を惹いたのは、テーブルを埋め尽くす銀器と花と、そして豪華な料理であったことは間違いありません。美しい写真も楽しいこの公式レシピブックは、ダウントン・アビーの食卓を私たちが再現することを可能にしてくれる本です。ぜひ、みなさんもイギリス貴族の食卓を体験してみてください。
【紹介者】田中 明子
美味しい進化:食べ物と人類はどう進化してきたか
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原題は Dinner with Darwin。進化論を提唱したダーウィンと一緒に楽しむディナーとは、なんとも魅力的な本です。エディンバラ大学の進化生態学の教授が、進化と食の関係を説明してくれました。専門知識がなくても、人間と料理の歴史という視点から読むことのできる内容です。特に、穀物の栽培を始めたことがヒトの遺伝子を変えたことが解説される第4章「パン」は読み応えがあります。ヒトは大昔から料理をしてきたわけですが、植物や動物を料理に利用するうちに、ヒトの遺伝子も影響を受けて変化してきたというのです!きっと、私たちがなぜ家庭やレストランで料理を分け合って楽しむのかという疑問に進化からの答えが提示される第13章「祝宴」を読む頃には、みなさんも、ダーウィンが招待してくれたディナーを心から楽しめるようになっていることと思います。最後には食べ物の未来についてもしっかり考えさせてくれる『美味しい進化』をぜひ手に取ってみてください。
【紹介者】田中 明子
ゼロからつくるビジネスモデル
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企業の中で新分野の業態開発をする。自身の強い思いで起業する。
人々の志向が多様化する中、新たなビジネスを展開するチャンスが広がっている。
その成否を分けるのは、類のない製品(商品)や天才的なアイデアではなく、そのビジネスに係わる人たちの欲求を満たす仕組み=「ビジネスモデル」と本書では解説している。そしてビジネスモデルを作るの技術で学ぶことができると。
皆さんも良く知る企業の事例を見ながら解かり易く解説されている。
これからの人生で「ビジネスチャンス」を掴もうとする”目”を持って進んでもらいたい。
【紹介者】河木 智規
新型コロナに立ち向かう100の技術
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過去の災害や経済破綻の影響は、ふるいに残るものと脱落するものとを分離した。
いつかはコロナは収束すると期待し、既存ビジネスに拘ったり、デジタル化に乗り遅れたり、SDGsなどの世の潮流に気づかない企業はふるい落とされると本書は言う。
「新型コロナワクチン・抗ウイルス薬」はじめ「オンライン診療」「医療現場ロボット」という医療の新技術に始まり、「オンライン婚活」や「非接触型レストラン」「建設3Dプリンター」「ドローン配送」「人工光合成」等々の実用化が近づいている”新技術”を紹介し、積極的な活用を示唆している。”新技術”の知識を身につけるのにも有効な書。
【紹介者】河木 智規
油脂の特性と応用
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「ガマの油売り」を見たことがありますか。茨城県の筑波山のふもとで刀とガマを持った芸人が聴衆に向かい口上を述べ、ガマの油売りを演じてくれます。ヒキガエルを驚かせ、その冷や汗を集め、薬膏に仕上げ、値引き販売します。
本書は、ダイズ、ナタネ、コーン、コメ、ワタ、サンフラワー、ゴマ、オリーブその他の植物油、さらには、牛脂、ラード、魚油など動物油について、その原料、採油、精製、加工、成分組成、利用法とともに、各油の化学的な特性を解説しています。油の特徴を生かし、消費者を引き付ける調理を行うには、油の化学的な知識が大切であると理解できます。
【紹介者】内田 英伸
日本海洋プランクトン図鑑
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オホーツク海を南下する流氷は、ゴマフアザラシ、渡り鳥の生活の場です。その海氷の底面には茶色の植物プランクトンが付着、越冬しています。春になり氷が解けると植物プランクトンは海面に浮遊し、光合成をし、体内に糖、脂質、タンパク質を蓄えます。動物プランクトンはこれを餌とし、これはカニ、エビ、小型の魚に食べられ、さらに、サケ、アザラシ、イルカ、クジラなどの食物連鎖が続きます。このように植物プランクトンは、海洋の生態系全体の生命を養う栄養供給源であり、我々が食べる魚介類もその恩恵を受けています。
本書は、日本近海の海洋プランクトンの主な構成種のスケッチと、典型的な種の写真が多数掲載されており、顕微鏡観察を通したプランクトンの基礎的情報を提供してくれます。顕微鏡は食材の微細形態の観察に有効で、例えば、食材のテクスチャーの違いなどを理解させてくれますが、実は、栄養素の供給源であるプランクトンについても多くを教えてくれます。
【紹介者】内田 英伸
誤解だらけの遺伝子組み換え作物
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遺伝子組換え食品が世に現れてからだいぶ経ちますが、近年も食品表 示のルールが変わるなど、いまだにホットな話題です。「食」について学んだからには、ぜひそういった最新の事情にもついていけるよう、興味を持ち続けて欲しいと思います。
この本は遺伝子組換え食品を容認する立場の人が書いています。なぜ容認できるのか、その根拠を気にしながら読んでみて下さい。
特に食品安全学・食品衛生学との関連で、食の安全 (「安心」ではなく) というニュートラルな視点から見たときに、著者らの論理が正しいかどうかを考えな がら読むと、発展的な学習に繋がると思います。
さまざまな考え方に触れて、「では自分はどのように考えればよいのか」とい うことを確立していって下さい。
【紹介者】堤 浩一
ゲノム操作・遺伝子組み換え食品入門「食卓の安全は守られるのか?」
![](/images/lib/9784846119102.jpg)
遺伝子組換え食品が世に現れてからだいぶ経ちますが、近年も食品表 示のルールが変わるなど、いまだにホットな話題です。「食」について学んだか らには、ぜひそういった最新の事情にもついていけるよう、興味を持ち続けて欲しいと思います。
この本は遺伝子組換え食品に反対する立場の人が書いています。なぜ反対して いるのか、その根拠を気にしながら読んでみて下さい。
特に食品安全学・食品衛生学との関連で、食の安全 (「安心」ではなく) というニュートラルな視点から見たときに、著者の論理が正しいかどうかを考えなが ら読むと、発展的な学習に繋がると思います。
さまざまな考え方に触れて、「では自分はどのように考えればよいのか」とい うことを確立していって下さい。
【紹介者】堤 浩一
ゲノム編集食品が変える食の未来
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近年注目されるゲノム編集技術を食品利用することに注目してまとめ られた本です。遺伝子組換えとの違いも明確にまとめられています。
ゲノム編集食品についても遺伝子組換え食品を容認する立場の人が書く本を推 薦することでバランスを取っておこうと思います。
ともすれば感情的に好き・嫌いを根拠に論じてしまいがちな「食の安全」を、 科学的根拠に基づいて考えるときの参考にどうぞ。
【紹介者】堤 浩一
珈琲店タレーランの事件簿
豊富なコーヒー雑学が散りばめられた、ライトノベル寄りの一般小 説。散発的に起こるいくつかの小さな事件が、最後の大きな事件へと収束してい く、王道的な日常ミステリーです。エスプレッソマシンの使い方やラテアートの描き方など書かれていいますの で、カフェ実習で役に立つかも?食品学の参考にはあまりなりませんが、雑学知識が増えると食品に対する興味も増すと思います。そういう学問への入り方も、有りだと思います。
【紹介者】堤 浩一
風味の事典
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著者はイギリス在住の飲食分野の作家です。食に関する様々な経験を生かして書かれたこの本は、私自身、今まで考えつかなかった食材の組み合わせが数多く紹介されていて、この本を読み終えた時には、以前より、料理のアイデアがどんどん浮かぶようになり、レシピ開発がさらにたのしい作業になりました。食に興味がある学生さんには是非、手に取っていただきたい一冊です。
【紹介者】谷口 泉
食と暮らしを豊かにするデザイン:地域らしさで成功するフード・ブランディング
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この本は、食に関するロゴ・パッケージ・ツール制作から、メニュー・レシピ・商品開発、店舗・施設・イベントプロデュース、セールスプロモーションまで、事例をもとに学ぶことができます。
筆者がこれまで取り組んできたプロジェクトが紹介されているため、具体的な内容と達成するためのアドバイスが豊富に盛り込まれており、とても読み応えのある一冊です。
【紹介者】谷口 泉
味覚の学校
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イタリア式の食育についてまとめた1冊です。食べ物のおいしさは「味」だけでなく視覚、触覚、嗅覚、聴覚、味覚の「五感」が重要です。本書には、味覚訓練だけでなく、五感の訓練方法が掲載されており、とても分かりやすく実用的です。食育や味覚、五感に興味がある人はぜひ手に取ってみてください。
【紹介者】宮島 彩
コーヒーがないと生きていけない!~毎日がちょっとだけ変わる楽しみ方~
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30歳までコーヒーが飲めなかった筆者が、30歳になりコーヒーを克服しコーヒーの魅力を伝える1冊です。コーヒー豆の種類や豆の焙煎について、コーヒーの淹れ方等、コーヒーの基礎についてかわいいイラストで説明してあり、とても分かりやすいです。全国のおすすめコーヒー店やもっと手軽に日常的に買うことができるコンビニコーヒーにも注目しています。コーヒーに興味がる人、今はまだコーヒーが苦手だけど克服したいという人に手に取ってほしい1冊です。
【紹介者】宮島 彩
日本人と日系人の物語:会話分析・ナラティヴ・語られた歴史
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本書は大きく分けて、日系アメリカ人の歴史やインタビュー内容が記載された前半部と、より言語学的知見からメタ的に日系アメリカ人の歴史を扱う後半部に二分される。前半部では、一口に日系人と言っても様々に異なるカリフォルニア日系人やハワイ日系人、カナダ日系人、沖縄系移民といった人々の歴史が概観できる。本書の副題「会話分析・ナラティヴ・語られた歴史」が示すように、教科書的な歴史の説明だけではなく、日系人へのインタビューを通して得られた「生きた語り」から日系人の経験・アイデンティティに触れられるのが本書の特徴である。後半部では、日系人ミュージアムにおける展示やガイドと訪問者の会話を対象とした会話分析が展開される。言語学はもちろん、「会話によって何がなされるのか」「どのようにアイデンティティが表出し、協働構築されるのか」「会話の『場』とはどのように形成されるのか」といった、相互行為のメタ的な分析に関心がある人には興味深いだろう。コロナ禍において世界各地でアジア人へのヘイトが横行する今こそ、日系人の歴史やアイデンティティへの視野を広げ、問題への理解を深めてみてほしい。
【紹介者】木場 安莉沙
The Journey
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作者がイタリアの難民センターで出会った少女の話をきっかけに、様々な国からの移民にインタビューを行い、収集した話を基に製作した絵本。装丁やイラストも非常に美しく、子供向けに書かれた無駄のないシンプルな文章でありながらも、取捨選択された言葉の中に重みがある。一文一文も短く読みやすいので、是非手に取ってみてほしい。”I hope, one day, like these birds, we will find a new home. A home where we can be safe and begin our story again.”(いつかこの鳥達みたいに、新しいうちが見つかるといいな。安全に暮らせて、お話の続きができるうちが。)という文章で絵本の中の「物語」は終わる。 しかし話のモデルとなった人々の「旅」がどうなったのか、彼らが”home”に辿り着けたのかは分からず、彼らの「物語」はまだ完結していない。「ニュースで移民や難民といった言葉を聞くことは多いが、一人一人の旅路について聞く機会は少ない」という作者の言葉通り、ニュース等の媒体を通して得る情報と個人的な物語として聞く情報は質が異なる。物語に触れることで、戦争により奪われたり中断されたあらゆる物語の存在、またこれから紡がれる可能性がある物語について想像しやすくなるのではないだろうか。
【紹介者】木場 安莉沙
極める 愉しむ 珈琲事典
![](/images/lib/9784791624782.jpg)
コーヒー豆とは何か?から、栽培や精製方法、品種・銘柄、焙煎等コーヒーについて幅広く知ることができます。
最初にコーヒーの知識、次に淹れ方、と順番にパートごとで分かれているので、読みやすいです。
より極めたい人に向けて、アレンジやブレンド、カッピングについても載っています。
巻末には辞典の通りコーヒーに関連する重要な用語辞典があり、用語からも調べることができます。
まず「コーヒーについて勉強したい!」と思う人におすすめの一冊です。
【紹介者】山田 真衣
最新版 珈琲完全バイブル
![](/images/lib/90a7347408a2758dacc628971323495877fe9a93.jpg)
コーヒーのおいしい淹れ方からコーヒーの知識、アレンジレシピ等があります。
コーヒー豆の写真が多くあり、中でも品種ごとの豆の写真があるので、特徴が分かりやすいです。
アレンジレシピはコーヒーやエスプレッソのアレンジレシピ、また「フードペアリング」といったコーヒーと食材の組み合わせの具体例も掲載されているので、コーヒーを淹れるときや飲むときにこれを意識していくと、より楽しくコーヒーについて学べると思います。
【紹介者】山田 真衣
行正り香のテーブルコーディネート:シーン別シンプルおいしいレシピつき
![](/images/lib/9784062998222.jpg)
バースデーパーティ、アフタヌーンティー、ピクニック、クリスマス、お正月。ページをめくるたび、見ているだけでワクワクするような華やかなテーブルコーディネートばかりです。食事のシーンのメインとなるのは料理ですが、その料理を更に美味しそうに引き立て、空間を演出する役割がテーブルコーディネートにはあります。コーディネート実習に臨むフードの学生さんにはとても参考になる一冊ではないかと思います。
【紹介者】中野 愛子
スタイリングで見せるくらし写真:テーブルフォトの撮り方教室
![](/images/lib/2e4cc219ffb57b035389464d3fa9bb4d6c32a0cd.jpg)
小物、雑貨、花、料理、スイーツなどの撮影テクニックを紹介しています。SNSの普及により、写真のもつ「魅せる」力はより大きくなっていると思います。食事に行ってメニューを開いて、美味しそうな写真に目が留まって注文する。
そんな風に写真が人に与える印象や影響は商品の売り上げにも大きく関わります。たかが写真1枚、されど1枚。いろんな撮影のポイントが分かれば、きっと写真を撮るのが楽しくなってくるはずです。
【紹介者】中野 愛子
情報メディア学科スタッフがおすすめする本
仕事本:わたしたちの緊急事態日記
![](/images/lib/6c18de7ed68fc35cbacc43cde2263c1d729d4927.jpg)
多様性の時代というが、価値観や働き方、生き方の多様さを具体的に想像することは案外に難しい。本書は新型コロナウイルスの感染拡大に対する国内最初の緊急事態宣言をうけて、さまざまな職業の人々が記した1ヶ月間の日記である。それはコロナ禍が社会に及ぼした影響の記録であると同時に、複雑な現代社会のありようの一端を知る手がかりとなっている。
【紹介者】青山 太郎
カメラの前で演じること
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第74回カンヌ国際映画祭で脚本賞をはじめとして4冠を獲得した『ドライブ・マイ・カー』を監督した濱口竜介による映画制作論。映像の可能性を徹底して思考した演出論であると同時に、映画や音楽といったカルチャーがなぜこの社会に必要なのかという問いに言及した文化論でもある。「不要不急」という言葉のもつ暴力性を考え直すための良書。
【紹介者】青山 太郎
シン・エヴァンゲリオン論
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2021年最大の話題作の一つ『シン・エヴァンゲリオン劇場版:||』に至る四半世紀にわたるエヴァンゲリオン・シリーズを精細に読み解いた評論。作中の謎は謎としておきながら、庵野秀明率いる制作チームが何を作ってきたのかを論じつつ、オタクとはなにかを考察し、戦後日本の精神史・文化史を明晰に描き出した一冊。
【紹介者】青山 太郎
知的財産-イノベーション研究の展望-明日を創造する知財学
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本書は、知的財産、イノベーション、ならびにそれらの交錯する領域において、今後重要生が高まる研究課題を展望している・特許制度の課題とその分析方法、知財の創出あるいは活用の段階におけるマネジメント、産学連携、特定技術分野のイノベーション、さらに知財を巡る新たな課題をテーマにした、14の論文が掲載されている。情報メディア学と知財学(知的財産学)は、隣接領域で在り、本学情報メディア学科に学ぶ者は卒業までに是非、足を踏み入れていただきたいと願う。
【紹介者】世良 清
AIに心は宿るのか
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コンピュータ将棋の研究で有名で人工知能学会長も務めた著者が、ゲーム情報学や人工知能(AI)の研究成果を踏まえて、誰にもわかりやすくAIについて説明し「AIが心を持つ」ことが可能なのかについて考える。プロ棋士の羽生善治氏は、本書収録の対談で、プロ棋士よりはるかに強くなったAI将棋と人間の指手の違いを語り、筆者は人間には説明できないAIの指手は「創造的」なのかを考察する。AIが小説や芸術作品を創造し、心を持つようになるか。AI時代の人間はどうあるべきか。「ディープラーニング」「汎用AI」「フレーム問題」「シンギュラリティ」などの専門知識を学ぶ以前の入門書として、AI時代の教育に関わる教職課程の学生に、そしてこれからAI時代を生きていくすべての人に一読をお勧めします。さらに、本書刊行後に筆者らが行った、漫画の神様手塚治虫(故人)の新作漫画をAIで創作する「TEZUKA2020」も併せて調べてみることをお勧めします。
【紹介者】長谷川 聡
「伝わる日本語」練習帳
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この本は、単なる文章の書き方ではなく、「伝わる日本語」を書くためのノウハウが詰まった本です。伝わりやすい文章の書き方を、豊富な例題や演習問題を通して学習することができます。こうした文章のノウハウは、単に日頃のレポート課題や就活のエントリーシート等で活かせるだけでなく、映像作品の構成を考える際にも当てはまる部分が多くあります。大学生に限らず、社会人になっても役立つであろう一冊です。
【紹介者】彦坂 和里
Google AppSheet ではじめる ノーコード開発入門
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学生さんに質問すると、「プログラミングに興味があります」とか「○○という言語を勉強しています」などという答えが返ってくることがあります。では、「プログラミングの知識を利用して何を作りますか?」と質問を返すと「それは、今から考えます」という回答が多いような気がします。汎用プログラ言語では、名前のようにいろいろな目的で使うことができますが、何を作ったらいいかは教えてくれません。この本は、プログラムをすることなく、アプリを作るための本です。そんな都合がいいことができるのかと思ったら、是非この本を読んでみてください。何を作ればいいかは書いてありませんが、自分の大切なデータを沢山持っていて、管理しきれないといった問題や、そのデータから何か重要な情報を抽出したいと思っている人に最適な本です。
【紹介者】本多 一彦
Jupyter NoteBookレシピ
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「レシピ」を調べてみると料理の作り方や調理法といった訳が出てきます。もちろんこの本は料理の本ではなく、プログラミングの本なので「プログラミングの方法」といった意味になります。料理のように実際にいろいろなものを作ってみてプログラムを理解するようになっています。’Jupyter NoteBook’ はWebブラウザ上でノートを取るような感覚でプログラムを書いて実行できる環境で、プログラム言語としてはPythonが主に用いられます。習うより慣れろの実践派にお勧めです。
【紹介者】本多 一彦
Pythonコンピュータシミュレーション入門 人文・自然・社会科学の数理モデル
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プログラム言語のPythonが著書名に含まれており、可視化法など Python が得意としている機能を充分に活用した内容になっています。しかし大切なことは「人文・自然・社会科学の数理モデル」のところで、世の中の多様な現象をコンピュータ世界に写し取る様々な方法が丁寧に解説されています。丁寧というのは、数式をしっかり使ってという意味です。現象を表現するための数式がないとプログラムできませんので。読むにはハードルが高いかもしれませんが、卒業研究でしっかり理解した研究をしたい学生さんにはお勧めです。わからないことがあれば、ゼミの先生に聞いて教えてもらってください。
【紹介者】本多 一彦
データビジュアライゼーション入門
同じタイプの本を2冊紹介します。手に取って、気に入ったものを借りてみてください。皆さんがイメージするCGとは全く違っていますね。エクセルで書くグラフのようなものといった方がいいでしょうか。しかしエクセルではどのようにして書いたらいいのかわからないグラフもありますね。エクセルの達人でいろいろなことができるが、表現できるグラフの少なさに不満を持っている人や、この本を手に取ってみてこんな表現ができるのなら、応用が思い浮かぶ人にお勧めです。始めはとっつきにくいかもしれませんが、プログラムも学べます!!
【紹介者】本多 一彦
肖像写真:時代のまなざし
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この本をはじめて読んだのは、僕がまだ25歳ぐらいのときだったと思う。みんなと歳がそう離れてないのではないだろうか。心に突き刺さったことを覚えている。ロラン・バルトという批評家が写真について語るとき、「ストゥディウム」と「プンクトゥム」という言葉を使った。とても簡単に言ってしまうと「ストゥディウム」は、これまでの知識や経験で説明可能なことや、あたりまえの出来事。例えるなら、花が綺麗とか、赤ちゃんかわいいとか、好きとか嫌いとかで説明がつくようなこと。「プンクトゥム」は、針で刺したような小さな穴や刺し傷、裂け目であり、あたりまえを破壊して突き刺してくるものである。説明ができないが魅力的なもの、惹かれるもの。言葉では言い表せない魅力など。
この本では3人の写真家(ナダール、アッジェ、アヴェドン)の肖像写真と、その写真を撮るまなざしから歴史を解釈する。記述され、翻訳された歴史ではなく、写真が突き刺してくるものとは一体なんだろうか。このレビューを書くために、もう一度この本を読んでみた。あの頃の自分が残した無数のメモが書かれている。恥ずかしいが一部抜粋して紹介する。
・記述できない歴史、あるいは歴史の無意識
・写真家は、社会や時代の無意識を撮る→意識しない歴史の最下層にある無意識の世界
・記述された歴史は誰かがでっちあげたもの。書かれたものではなく、写は直接心にささるもの
・作品解説、論文も全く意味はない(でっちあげたもの、作られたもの)作品が語りだすものとは
こうやって、改めて書き起こすと、とても良くわからない。しかし、なんか分かるような気もする。めちゃくちゃ外しているわけではないが、確実に正解ということでもないような気がする。この本は、そんな本なのである。写真だけではなく、芸術や表現研究全般に関係する全ての人にお薦めしたい。
【紹介者】八嶋 有司
音と音楽の科学
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本書の著者、岩宮眞一郎氏は九州大学で日本の音響教育の先駆者である北村音壱氏の愛弟子として、音響教育全般に加え、音のデザイン、聴感トレーニング、音と映像のマルチモーダルなど、大きな業績を残しました。岩宮氏は、先年九州大学を定年退職後、本書を執筆していますが、初心者向けのわかりやすい記述の本であるにもか変わらず、岩宮氏のライフワーク的な側面もある記念碑的著作です。内容は、音や聴覚についての基礎的な話から聴覚心理学、そして音楽、楽器、さらに、DTM、映像、サウンドスケープ、音のデザインにまでおよびます。音や音楽にまつわる、大変幅広い分野の知識が凝縮されていますが、その記述は、初学者でもわかるように、大変やさしく丁寧に書かれています。個人で買うには安い本ではありませんが、こうした分野に興味のある人、あるいはサウンド系の仕事に就きたいと思っている人などには、ぜひ一読をお薦めいたします。
【紹介者】吉田 友敬