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図書情報センター

2022年図書館学生アルバイト「イチオシ本!」

図書館アルバイトの学生さんがおすすめする「イチオシ本」をご紹介します。

かがみの孤城

訳あって中学校に通えていない子達の物語。現実とフィクションを行ったり来たりする話でとても面白い。読みやすいストーリーのため夢中になって読んでしまう。感情の変化や周りとの接し方、理解されないことに悩んだことは誰でもあるだろう。そんな人にこそ読んで欲しいと思った。主人公の不安や葛藤は共感できる場面が多くある。小説に出てくる言葉で胸を打たれる場面が多々あるためぜひ読んでもらいたい。

神のロジック : 次は誰の番ですか?

人里離れた全寮制の学校に世界中から集められた謎の生徒たちが、風変わりな課題に挑んでいた。そんな中、次々と殺人事件が起きていくミステリー物語。犯人は誰なのか?一体何のために?と疑問が尽きないが、後半から一気に伏線を回収していき真相にたどり着くためとても面白かった。読んだ後にもう一度読んでみたくなる小説だ。

オルタネート

「オルタネート」というアプリを通じて変化していく3人の心情を描いている。登場人物の名前がキラキラネームで覚えづらく、章ごとに主人公が変わるので3つの物語が同時に進行するため理解するのに時間がかかる。序盤は読むのを躊躇ってしまったけれど読み進めていくと面白い。ページを捲る手が止まらない。気がついたら数時間もの時が流れていた。面白い小説とはこのようなものをいうのだと思った。

ノッキンオン・ロックドドア

「不可能」専門の探偵と「不可解」専門の探偵2人の相棒が織りなすミステリー物語。一章完結なのでとても読みやすい。ミステリー小説は難しくて読みづらいものが多いが、これは内容がスッと頭に入ってくるので話についていきやすい。タイトルはそのまま探偵事務所の名前で、どうしてその名前にしたのかという謎も冒頭で明らかになるので面白い。人間の深層心理についてとてもよく考えられているなと思った。

神様の絆創膏

しっかりと現実味のあるファンタジー作品で、ミステリー作品は難しく謎が解けるまでの過程を何度も読み直してしまうものですが、この作品は少しずつ謎が解けていくので飽きずにスラスラと読むことができます。結局妖怪よりも人間の方が恐ろしい生き物だなと再確認できました。

妖怪のご縁結びます。お見合い寺天泣堂 

主人公はある日、父のぎっくり腰で寺が代々請け負っている妖怪の結婚相談を代理で務めることになる。絶滅の危機に瀕した妖怪たちの結婚相談を行いお見合いを取り持つ物語。妖怪も人間のように恋愛で悩み浮き沈みする、違うのは種族の差だけであまり人間と変わらない。妖怪たちの恋愛を応援したくなる、そんな小説だ。

星を掬う

この作品は、すれ違う母と娘の物語です。私自身母親のことは大好きで、母親とは切っても切れない関係であり、この本のような境遇に置かれたら自分はどんな行動をしていたのだろうと思いました。自分の身に起こる様々な不愉快を、他の者のせいにして文句を言うことだけはしたくないと思わされました。重たい内容で、涙なしでは見られませんが、話が気になって次々とページを捲りたくなります。

硝子の塔の殺人

最初から犯人が分かっているにも関わらず、次々と新展開が待ち受けていて、最後にも思わぬ結末を迎える。本のページをめくる手が止まらない。また、読者に対する名探偵からの、事件に関する挑戦状が、本を読んでいる自分をワクワクさせてくれた。この本を読んで、本格ミステリ作家の本も読んでみたくなった。

六人の嘘つきな大学生 

この本は、就活を舞台としているので、自分達と同じ目線で読む事が出来ます。就活生はいかにして自分をよく見せるのか。完璧な人間はこの世におらず、その様な人が人を評価する時に生じる「歪み」が、人間性の評価にどう影響するのか。多角的な視座から物事を見る事の大切さに、改めて気付かされました。とても読みやすく、次々と展開が変わっていくので目が離せません。

真夜中のマリオネット

マリオネットとは、人形劇でよく使われる操り人形の一つ。この本を読み終わって、結果について少しずつ伏線回収していくのに必死で、余韻も楽しむことができました。まんまと騙されていた事に気づいた時は、作品を読んでいる私自身まで操り人形なのではないかと感じるほどです。医師の経験を活かした医療系ミステリーが多い知念実希人氏の作品は、やはりハズレがなく良作ばかりです。

夜空に泳ぐチョコレートグラミー

ある街で暮らす色々な人たちを中心に描かれている短編集。どのお話も魚がモチーフなのが素敵で、登場人物同士の繋がりに心が温まりました。交わらない人物同士も、同じ町に住んでいる故に同じ公園でそれぞれの思い出を作っています。理解してくれる人、受け入れてくれる人、想ってくれる人、そんな人が一人でもいてくれたら十分幸せだと感じました。

Food anatomy食の解剖図鑑 : 世界の「食べる」をのぞいてみよう

突然ですが「食べ物」はお好きですか?また「食べ物」に関してどのくらいの知識をお持ちですか?本書では、世界の料理はもちろんのこと、食器や台所用品など「食べ物」に関する豆知識がたくさん載っています。合わせてイラストも掲載されているので、食べることが好きなだけではなく、食べ物をイラストで見ることで、別の観点から楽しさも味わうことができるかもしれません。食通にはおすすめの一冊です。

か「」く「」し「」ご「」と「

これは、人の気持ちの一部分を記号化して読み取る、ちょっとだけ不思議なチカラを持った5人の友情物語です。彼女たちはそれぞれ違ったチカラを使いながら、それぞれのすれ違いや、いざこざを解決すべく奔走する。まるで漫画のような能力を持った彼女たちですが、先に何が待つかわからない不安と期待を抱えた中で、一生懸命お互いの気持ちを見ながら、模索しながら、必死に生きている姿は私たちと大して変わりません。一人ひとりの心の中に色々な考え方があって、それぞれの「かくしごと」がある。そう背中を押してもらえる作品です。

青くて痛くて脆い

自分が傷つかないように他人に責任を押し付けて逃げたり、他人がどうなるかを考えずに自分が正しいと信じ込んで行動したり、そんな経験が一度はあると思います。これは、そのように青くて痛くて脆かったために、すれ違ってぶつかってしまった大学生たちのお話です。私たち大学生は、高校生とも社会人とも対して変わらない。でも、社会人より「青い」部分があるからこそ、きっと次は変えられる。そんなことを考えさせられる作品です。

変な絵 

この本はYouTuberであり、ホラー作家でもある作者による書き下ろし長編小説です。とあるブログに投稿された絵、消えた男児が書いた絵、山奥で遺体が握りしめていた絵…など、9枚の奇妙な絵に関する謎を解いていくミステリー小説となっています。各章は異なる話を書いているように見えてすべてがつながっています。また、一つの見方では事件を解決することができません。あなたはすべての謎を解いて真実を導き出せるでしょうか。ぜひチャレンジしてみてください。

ブラック・ショーマンと名もなき町の殺人

舞台はコロナウイルスが蔓延った世界中の誰も知らない名もなき町。寂れているがこの町は元は観光地。再び客を呼ぶための華々しい計画を立てていた。しかし、その計画はコロナウイルスにより頓挫してしまった。そんな中、主人公の父親が殺害された。警察は捜査過程を教えてはくれない。どうにもやり切れない主人公を助けたのは黒い魔術師だった。飄々とした魔術師は事件を颯爽と解決していく。主人公の心は晴れ渡るのか。ハラハラドキドキしながらぜひ読んでほしい作品。

君を愛したひとりの僕へ

僕が愛したすべての君へ

「君を愛したひとりの僕へ/僕が愛したすべての君へ」観た順番で感じ方が大きく変わるという、同時期に映画化した二つの作品。この本はその映画の原作本です。”並行世界”を題材としていて、2作品はそれぞれの物語が独立しています。しかし、別の世界へ旅立つための伏線が至る所に張られており、2作を読み進めると徐々にお互いの世界が交差していきます。”並行世界”で生きる同じ名前の少年はそれぞれの世界で恋に落ちていきます。困難に陥っても少女のために奮闘する少年の姿をぜひ見届けてください。

和菓子のアン

アンと青春

アンと愛情

したいことが特にない、なりたい自分はもっとない・・・。本書は、そんな女の子、梅本杏子ちゃんが和菓子を通じて成長していく、お仕事ミステリー小説です。和菓子の知識も豊富に載っているので、和菓子についての奥深さを感じられるお話です。ミステリー好きにはもちろんですが、読んだ後に和菓子が無性に食べたくなる・・・和菓子好きな方にもおすすめしたい一冊です。また、続編も出版されていますので、そちらも是非!

新米姉妹のふたりごはん(1~8巻)

食べることが大好きな「サチ」と料理をすることが大好きな「あやり」。そんな二人は、お互いの両親の再婚で、突然姉妹になってしまいました。本書は、サチとあやりが料理を通じて、少しずつ「家族」になっていく日常を描いた物語です。各話にレシピも掲載されているので、読み終わった後に、レシピを参考にして料理をしてみるのも一つの醍醐味です。

謎解きはディナーのあとで(1~3巻)

櫻井翔&北川景子のW主演でドラマ化された作品の原作本。有名なドラマだったので覚えている人も多いのでは?あのガリレオシリーズやマスカレード・ホテルなどを生み出した作家、東野圭吾氏が執筆している。このシリーズは一度「謎解きはディナーのあとで3」で締め括られたようにみられたが、何年もの時を経て、2021年に「新 謎解きはディナーのあとで」が登場した。また、「新 謎解きはディナーのあとで2」も出ると言われているらしい。この機会に一から読み直してはいかがだろうか?

千と千尋の神隠し

崖の上のポニョ

君の名は。

絵コンテには、シーンのカットと共にセリフや動き方、場面の説明、時折人物像などが詳細に書かれています。例えば「千と千尋の神隠し」では、「ちひろはあまったれなんです」「お母さんは婚約時代から、こういうのに慣れている」など、映画を見た時に感じた事だけでなく、見るだけでは知ることが出来ないストーリーが沢山詰まっており、アニメーション作品が好きな人にはとてもオススメしたいです。特にスタジオジブリ絵コンテ全集には絵コンテの見方が冒頭に記載されており、とても見やすい作りとなっていますので、初めて見る人にも安心して手に取っていただけます。これら3冊の他にも、人気作品の絵コンテが館内には蔵書されていますので、合わせてそちらも読んでみてください。