第12回日本栄養学教育学会学術総会を2023年8月31日(木)に名古屋文理大学で開催しました。学術総会長は本学健康生活学部健康栄養学科の後藤千穂教授がつとめました。また,実行委員は健康栄養学科の石川豊美准教授,高橋圭准教授,北川絵里奈助教,松本貴哉助手,森本理紗助手,伊藤誌小里助手,可児美月助手でした。
総会テーマは「栄養学教育におけるデータサイエンス」です。現在,わが国では「AI戦略2022」がすすめられており,その中で,社会のニーズに応じることのできる管理栄養士・栄養士の教育に,科学的根拠の構築と実践につながるデータサイエンス教育や教育の質と量のデータ化および評価・検討は必須であることから,このテーマとなりました。本学では2021年度に文部科学省「数理・データサイエンス・AI教育プログラム(リテラシーレベル)」の認定されており,本学の特徴にもつながるテーマです。
学術総会では,後藤千穂学術総会長の開会挨拶から始まり,中村丁次理事長の挨拶,一般演題(口演13題)がありました。また,招待講演,教育講演は下記のように開かれ,参加者にとって,とても有意義な講演でした。
- 招待講演
-
「これからの管理栄養士・栄養士養成に望まれること」
一般社団法人 全国栄養士養成施設協会
会長 滝川 嘉彦氏 - 教育講演Ⅰ
-
「栄養学教育と『数理・データサイエンス・AI教育』」
名古屋文理大学 情報メディア学部
教授 長谷川 聡氏 - 教育講演Ⅱ
-
「食と健康の課題を解決する実践的な能力を養う数理・データサイエンス・AI教育」
静岡県立大学 食品栄養科学部 栄養生命科学科教授 栗木 清典氏
ラウンドテーブルディスカッション(6演題)では,協同活動や教育手法の効果,臨地実習の状況などのテーマについて,各グループに分かれて発表およびディスカッションをしていただきました。その後,参加者全員が内容を共有できるよう,各グループからディスカッション状況についてご発表いただきました。限られた時間ではありましたが,各グループとも白熱したディスカッションがすすみ,社会から求められる管理栄養士・栄養士に必要な栄養学教育について,あらためて深く考える有意義な時間であったと思います。
今回の第12回学術総会はCOVID-19が5類感染症移行後の開催となり,ポストコロナ時代の新たな日常の中での開催となりました。今後も新たな感染症が起こりうる社会であり,コロナ禍においてすすんだデジタル化がより加速し,さらに科学的根拠に基づく栄養学教育が必要になります。この中で,今回の学術総会は「栄養学教育におけるデータサイエンス」について情報交換や議論する場となったのではないかと思います。
第12回学術総会を開催するにあたり,招待講演および教育講演をお引き受けいただきました講師の先生方,学術総会にご参加いただきました皆様,事務局の皆様には多大なご協力と尽力をいただき,心より感謝申し上げます。