2023年1月16日(月)~30日(月)に、三重県四日市市保健所による令和4年度給食施設従事者研修会が開かれ、健康栄養学科の後藤千穂教授が「給食施設における健康づくり~減塩と野菜摂取量の向上~」の講演をWebで行いました。
参加者は四日市市保健所管内の給食施設に勤める管理栄養士・栄養士、調理従事者、給食会社の職員の皆様で、約60施設の申し込みがあり、新型コロナウイルス感染症の影響により、Webで実施されました。
講演は、災害や新型コロナウイルス感染症の影響で糖尿病や脂質異常症、高血圧などが増加していること、糖尿病や肥満等が原因で新型コロナウイルス感染症の重症化リスクが高まるという結果の紹介から始まり、普段から免疫力を高めることが必要であることを説明しました。また、研修会の対象者が給食施設関係者ということから、食環境整備の1つとしてナッジ理論を使って「健康づくりのしかけ」をすることについて説明をしました。
さらに、近年の三重県の野菜摂取量は全国でも下位群であることから、野菜の目標摂取量や、食べるコツは、朝食・昼食・夕食のそれぞれで野菜料理を食べる事、また野菜は種類ごとに特徴があり、それぞれ栄養素が含まれていますが、1食ずつ(朝食・昼食・夕食)をきれいな色にすることが色々な野菜を食べるポイントであることについてお話ししました。ただし、野菜を増やすと塩分摂取量も増える傾向にあるため、塩分のとりすぎには注意が必要で、塩分の及ぼす影響や、塩分摂取量が高いと野菜摂取による血圧への好影響は減弱することなどの説明をしました。
参加者の皆様からのアンケートは9割の方から満足したという回答をいただき、「根拠のあるエビデンスがきけて説得力があった」「ナッジを活用したい」「知らず知らずのうちに食で健康を維持できるのは素晴らしいと思った」など、食環境整備への意欲などの感想をいただきました。近年の研究結果をふまえた、分かりやすい解説でとても参考になったようでした。
新型コロナウイルス感染症の影響で対面開催ができない研修会や遠隔地でも、Webを有効活用し、本学の教育研究を還元していきます。